文化財保存修復・歴史遺産コース

授業風景「歴史遺産プロジェクト演習Ⅱ」

こんにちは、歴史遺産学科です。

 

今回は、「歴史遺産プロジェクト演習Ⅱ」の授業風景を紹介します。本授業は歴史的に継承されてきた文化遺産の調査・保存・修復・活用を、地域社会において実践するための基礎を養うことを目的としています。テーマ別に4クラスに分かれて行われますが、今回はAクラスのご紹介です。

 

Aクラス:保存修復の基礎と文化財科学(増渕先生・山田先生)では、奈良国立博物館収蔵「国宝絹本着色十一面観音像」の台座部分の繧繝彩色を再現します。

 

実物の「国宝十一面観音像」台座部分の写真

(出典:奈良国立博物館・東京文化財研究所編

奈良国立博物館所蔵「国宝 絹本着色十一面観音像」)

 

山田先生が輪郭を描きとったもの(劣化による欠損部分があります)。

 

各自、欠損部分を予想しながら補填していきます。

 

まずは、色鉛筆で各自が予想した元の色を再現します。

 

 

繧繝彩色は、同色で薄い色から濃い色へと段層的に濃淡をつける彩色方法。使用するのは天然の顔料です。人工の有機顔料とは全く違う発色、扱い方の違いを学びつつ、木枠に張った絵絹に、実際に彩色していきます。

 

 

下絵の色と見比べながら、慎重に各段を塗り重ねていきます。

 

天然の顔料の色はやはり美しいですね!

 

完成した後は、半分を人為的に劣化させた後、顕微鏡や蛍光X線分析装置を使って、彩色した箇所を科学的に分析していく予定です。その様子は後日お届けします!

 

 

 

 

 

 

 

<8384858687>