- 2021年8月7日
- イベント
アイデアとは、日常を集めること 染テキの先生が美術展で活躍中! 【文芸表現 学科学生によるレポート】
違うジャンルを学んでいても、芸術大学でものづくりを楽しむ気持ちは同じ。このシリーズでは、美術工芸学科の授業に文芸表現学科の学生たちが潜入し、その魅力や「つくることのおもしろさ」に触れていきます。
こんにちは。文芸表現学科の出射優希です。
梅雨真っ只中、滋賀県立美術館へ、遠足みたいな気持ちで展覧会を観に行きました!美術館のある文化ゾーンは自然に溢れていて、ワクワクしつつも心の休まる場所ですね。
今回河野愛先生にお聞きした中にも、ふと目に写るものも大切にされている様子が伝わってきます。
外で活躍されている先生方が、学校に運び込む言葉を直に聞ける、熱いくらいの近さを感じていただければ嬉しいです。
今回の写真はすべて、フォトグラファーの前端紗季さんに撮影していただいています。
●「遊び」から生まれた、引力のある作品
滋賀県立美術館がリニューアルされて最初の展覧会、「Soft Territory かかわりのあわい」(6/27~8/22)。
この展覧会には、本学の染織テキスタイルコース専任講師を務めている、河野愛先生、卒業生の石黒健一さんと小宮太郎さんが参加されています。
今回は河野先生に、展示から普段の制作や生活まで、たっぷりお話を聞かせていただきました。
目を惹くメインビジュアルとなった《こともの foreign object》を制作したのが河野先生。
遠くからでも存在感があって、フライヤーもポスターも、見かけるとつい立ち止まって、じぃっと見つめてしまうような、引力のある作品です。
この作品のはじまりは、感染症の流行と子どもを育てるという初めての出来事のなかで始めた、些細な遊びだったのだとか。
●真珠は、薄い皮膜が数千層も巻きついてできた
真珠というモチーフを取り入れるに至った経緯は、これまで河野先生が表現してこられたことにも関係していきます。
日常生活にアンテナを広く張り日々吸収されていく河野先生の作品作りは、「日常に散らかっているものを集めること」に近いのだそう。
感染症の蔓延によって揺れ動くことで、生活により視点が向いていったからこその発見もあったそうです。
●密室での経験も、太古の昔につながっている
どれだけ時代が変わっても、人間はか弱いまま生まれ、誰かの存在があって初めて命を繋ぐことができるのだな、としんとした気持ちで考えてしまいます。
作品が、無防備でありながらたっぷりのやわらかさを持っているのは、カメラを構えた河野先生の眼差しに、やわらかさがあるからなのかもしれません。
河野先生の作品は、連鎖するように、観る人の中にあるものを含めながら展開されていきます。
生活からふつふつと湧いてくるものを取りこぼさない姿勢から作品が生まれていることを感じます。
現在進行形で、アグレッシブに表現の活動をされている先生方の様子を、近くで見せていただけるのはとっても刺激になります。
会期は8月22日まで!
美術館周辺の、豊かな自然感じるのも楽しいですよ。
まだまだ続くので、行って、観て、自分も含まれてみる、のがおすすめです。
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