総合造形コース

器と出逢い、人と出逢う 学内で「KUA ceramic labo」展が開催中! 【文芸表現 学科学生によるレポート】

違うジャンルを学んでいても、芸術大学でものづくりを楽しむ気持ちは同じ。このシリーズでは、美術工芸学科の授業に文芸表現学科の学生たちが潜入し、その魅力や「つくることのおもしろさ」に触れていきます。

 

こんにちは、文芸表現学科2回生の中村朗子です。
秋もすっかり終わってしまった肌寒い季節ですが、そんな中でも人の温かさや面白さを感じさせてくれる陶芸展「KUA ceramic labo」にお邪魔しました。
「油画コース」「写真・映像コース」「総合造形コース」の先生方がタッグを組んだ授業を中心にした展覧会です。総合造形コースで福本双紅先生のゼミに所属し、陶芸を専門に学んでいる学生の皆さんの作品もたくさん見られます。
同じテーマで作品を作りながらも作り手の意思がしっかりと表れた作品の数々に、同じ場所で別々のものを愛する、自由な格好良さを感じます。

 

 

●それぞれの100椀の群れ

 

床にお皿が置かれているのをこんなにもまじまじと見たことはない。

何十個、何百個もの無数の陶器の数々が展示されている会場の床に置かれた板の上にあったり、そこからはみ出ていたり。

大小も形もばらばらなその群れを見ているとざわめき声が聞こえてくるような、何も語っていないのに何かを語られているような気分になる。

 


この陶芸の展示の前方に置かれている無数のお皿はすべて学生の作品で、ひとり100点ずつ選んで展示しているらしい。

様々な形や大きさのお皿を作っている人もいれば100点すべてでストイックに灰皿を作っている人も居て、そしてそれらは不思議と作者の方と似ているのだ。

 

●失敗になるようなものもそのままに

 

中には焼く前にお皿の形が崩れてしまったものを焼いて、そのまま展示している学生の方もいた。

「失敗になるようなものもそのまま出す」ことにしているのだそうだ。その方の場合には、どんなお皿を作りたいか、ではなく、土を触って、おもしろくなってきたらその形に作っていく、ともお話をされていた。

 

 

●「好きだから」が形作られる

 

陶器に色をつける釉薬をあまり使わずほとんど真っ白な陶器を作っている方はただ、白が好きだから、とおっしゃっていて白い作品を作り続けられているのだそうだ。

 

 

作り手と作品が似ているのは作り手の感性がそのまま作品に表れているからで、それは母体が口にしたものがへその緒を通って赤子を形作るのとなんだか似ている。

だからこそ形作られたお皿たちは一つひとつはばらばらな形や模様をしていても不思議と統一感があるものなのだ。

 

板の上にその人その人の作品が寄せ合って展示されている様子は小さな異世界が大量に発生しているようで、ほとんど地面に置かれている器の数々は、お皿を真上から覗き込む、という不思議な体験をさせてくれる。

 

そこに感じる不可思議さには、私たちは普段「使うためにお皿と接していて、見るためにお皿と接することがあまりない」というのがあるからなのかもしれない。

 

 

釉薬の模様や器の肌触り、表面のおうとつは人の手を感じさせるような思わず覗き込んで近づきたくなる温かな魅力があって、だけれどそこには陶器特有の割れてしまうのではないか、という緊張感も共存している。

 

それはなんだか新しく出逢った人と話しているときの空気感とも似ていて、陶器を通してたくさんの人と出会ったような、作り手一人ひとりの魅力を逢う前から知ってしまったような、そんな波の漂う空間だった。

 

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陶芸展「KUA ceramic labo」

10/23(土)~28(木) 10:00~18:00

会場:ギャルリ・オーブ

※学外の方はご観覧いただくことができません。

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取材記事の執筆者

文芸表現学科2年生

中村朗子(なかむら・うららこ)

福岡女学院高校出身

 

高校1年生の頃、「長雨に 濡れた葵の花のような ふるえる君の声に触れたい」という作品で、全国高校短歌大会(短歌甲子園)の個人戦で全国優勝している。短歌や随筆などの言葉での表現のみならず、油絵も本格的に描いてきた。洋服や宝石が好き。現在、受講中のノンフィクションの授業においては、「高校時代から現在まで見聞きして通過してきた経験や風景を、特定のジャンルに囚われずにすべて連関させて描写していく」という試みで長い作品を書き続けている。

 

 

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