総合造形コース

瓜生山の端から端まで、日常と非日常の体験 卒業制作展を覗いてみよう!【文芸表現 学科学生によるレポート】

違うジャンルを学んでいても、芸術大学でものづくりを楽しむ気持ちは同じ。このシリーズでは、さまざまな学科に文芸表現学科の学生たちが潜入し、その魅力や「つくることのおもしろさ」に触れていきます。

 

文芸表現学科・2年生の出射優希です。卒展を観てまわりながら、3割くらいは登山をしていた気がします。なかでも展示場所がたくさんある総合造形コース。歩き回って寒さを忘れ、パワフルな作品に刺激をもらい、ほくほくした気持ちを持ち帰ることができるはず。

 

瓜生山の端から端まで、探したくなる作品群

 

卒業制作展が開催中(〜2月13日)。

総合造形コースの作品は、大学に入ってすぐの、人間館のピロティからさっそく展示されています。

その様子を、準備風景からご紹介。

 

ひときわ目を引いていたこの作品の出発点は、子どものころお母さんにつかれた小さな嘘を信じていた体験。

この子たちがなんだか険しい顔をしているのにも、一点を見つめているのにも、そこには物語があり、お話を語るまでが作品なのだそうです。

 

 

こちらは鳥の巣がモチーフになっています。

素材は全て大学の建つ瓜生山で集められたものなのです。

半年間かけ素材集めから、本当に鳥が巣作りをするように制作していったのだとか。

よく見る組み込まれている人工物も、大学内で集めたそうです。

 

セラミックの「固くて脆い」ゴスロリや、

 

下の穴から覗き込んで体験できる作品、

 

新しいレストランの形を提案する作品、

 

なんと楽器も。

ずっしりしているようで、どこか不安定さを持つ印象を受ける造形ですが、これは体育座りをした作者自身なのだそうです。

 

 

 

感染症の影響によって、現在の4年生は3年生の前期をオンライン授業で過ごしました。

その時間に自分と向き合い考える時間がたっぷり得られたことが、さまざまな形で作品ににじみ出ているように思います。

特に大きな作品を制作する総合造形コースのみなさんは、大学で制作ができない時間の影響を多く受けたのではないでしょうか。

 

作者の小さい頃に流行したカルチャーを具現化した上の作品。

全部で4体、高さは1メートルほどあるこれらは、全て自宅で制作されたのだそうです。

「学校にある備品で制作していたら、卒業した後には何もできなくなってしまう」と考え、少しずつ制作の環境を自宅に整えていったのだといいます。

 

総合造形という名前の通り、扱われている素材も展示の方法も本当に幅広いです。

 

 

最後に大学一番上にある建物、有終館で展示されているこちらの作品。

1枚目がフラッシュなし、2枚目がフラッシュありで撮影したもの。

リフレクトパウダーを表面に用いることで、光を反射させ全く違う印象に見えます。

有終館のひっそりした暗さのなかに、小さい光も受け止めて跳ね返す作品がぴったりでした。

 

↑ピロティに置かれた作品の物語をより伝えるため、先生が展示について指導する様子

 

不思議な形をとった作品たちも、誰もが経験した、非日常が日常になっていった時間を含み、噛み締め、ここまで進んできたのだと思います。

 

上は有終館から、入ってすぐの人間館ピロティまで。

キャンパス全体に広がるエネルギッシュな作品に、身も心もあったまるはず。

 

 

 

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染織テキスタイルコース

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取材記事の執筆者

文芸表現学科2年生

出射優希(いでい・ゆうき)

兵庫県立西宮北高校出身

 

1年生のとき、友人たちと共に、詩を立体的に触れることができる制作物にして展示した展覧会「ぼくのからだの中にはまだあのころの川が流れている」を開いた(バックス画材にて)。

自分のいる場所の外にいる人とつながるものづくりに、興味がある。また、「生きること」と直結したものとして「食べること」を捉え、それを言葉で表現している。

 

 

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