クロステックデザインコース

2022年8月「クロスの熊本県天草市プロジェクト通信」No.6(8月10日分)

「吉田先生って朝からずっと誰かに似ているなぁと思ったら、誰かわかりました!」と今回の天草の旅するキャンパスの授業でご一緒にした、天草の「ざ・からいも」さんに言われ、「誰ですか?」と訪ねたら、「高橋一生さんです」と言われた、「芸術大学界の高橋一生」に改名しましたクロステックデザインコースの教員・吉田です。

その場にいた、その業界の映画学科の山本起也先生と水上竜士先生の苦笑い……

山本先生に至っては、「高橋一生!?どちらかというと、ドラえもんの『のび太』でしょ!?」と。

「いやいや、僕が言っていることではなく、からいもさんが言っていることですから、人の想いを否定しちゃダメですよ」と議論に。

「これは、検証が必要だ」ということで、翌日別の場所で、

「実は昨日こういうことを言われまして」と、映画『のさりの島』でお世話になっている中村会長にお伝えすると、

「あぁ!!似てます、似てます!たしかに」

とかなり興奮気味に前のめりで言われた「芸術大学界の高橋一生」です

首を傾げる山本先生と、「えっ!?」という微妙な顔をする学生たち。

 

きっと、都会に喧騒に揉まれて心が荒み、目が曇ってしまった人と違って、

天草の人は、人を見る目も心も純粋なんですね。

 

さて、天草に来ています。

前回の記事の続き。)

 

今回の天草には3つのプロジェクトを同時並行で実施しているのですが、

8月10日、11日は、「旅するキャンパス」で、天草市民の皆さんを対象にした4つの講座の実施(×2日間)でした。

【歴史・地域資源】絵はがきからみる、天草の絶景(通信教育部 芸術教養学科 野村朋弘先生)

 

【写真】天草の魅力を写真で伝える(初級編・応用編) (芸術教養センター 中山博喜先生)

 

【演技】 あなたの魅力を見つける方法。〜演技から学ぶ(映画学科 水上竜士先生)

 

【映画】名曲『甦れ!銀天街!』のミュージックビデオを撮影する(映画学科 山本起也先生)

 

この「旅するキャンパス」というのは何か?

ということから始めた方が良いですね。

2019年7月に天草市と京都芸術大学は、「包括連携協定」を締結しました。

その締結式の後、市役所の皆さんと夜食事に行ったんです(コロナ前だったので普通に)

そこで、楽しく食事をしている時、つい私は気になって、「今回の連携で何を期待されていますか?」と尋ねました。

すると、部長さんが箸を置いて、「天草には看護の専門学校以外の高等教育機関がないので、大学があることでもたらされるメリットを市民の皆さんに提供したいんです」と言われたんですね。

 

たしかに、それは大学のない市町村にとっては切実な問題です。

とはいうものの一方で、これからの時代に大学を誘致したり、一部の学部を誘致することは、「18年後の未来」が見えるマーケットでは簡単なことではありません。

 

現在高校3年生が生まれた2004年の出生数は、約111万人

2021年の「出生数」は、約81万人

つまり、30万人減少しています。

全国各地で、都市部周辺や地方に大学が誘致、新設された時代は、約200万人近い18歳人口がいた時代です。

それが、現在の出生数は、81万人。

現在の大学進学率約54%であることを考慮すると、18年後は日本全体で16万人の入学者が減少する計算です。

これは、入学定員が200から1,000名前後の中小規模大学が、200校近く維持できない見込みになります。

 

この状態で、以前のように「大学の誘致やキャンパスを作る」というのは一足飛びにはできません。

 

だからといって、「それは無理です。できません」と、「できない理由」は、誰が考えても0.2秒でできる。

それは、クリエイティブな姿勢とは言えません。

芸術大学のスタンスは、

「できない理由を考えずに、どうやったらできるかを考える」

ということ。

 

そこで、「今すぐ、キャンパスはできてなくても、これからの新しい時代のキャンパスは作れるのではないか?」と考えて、

その日の晩に、企画書を書きました。

 

そのコンセプトが、「Campus 2.0」

 

「物理的なキャンパスで、4年間、月曜日から金曜日の朝から夕方まで大学の教室で学ぶスタイル」を、「Campus 1.0」と設定して、

「それって、次の時代もずっとそうある必要があるのかな?」と考えたことがスタートでした。

 

・物理的なキャンパスで、施設・設備が揃って、対面で学ぶ方が学習効果が高いものは、フィジカルな環境での授業

・オンラインで、自分の理解力に合わせて、何度も確認できた方が良いものは、オンライン(オンデマンド含め)授業

加えて、カリキュラムとスケジュールをそれによって流動性を持たせることを同時に行なって、

・2週間から1ヶ月、国内外の現地のフィールドで、自主的にリサーチや制作活動をできる環境を作る。

 

「物理的キャンパス×オンライン(オンデマンド)×国内外のフィールド」を掛け合わせて学ぶ仕組みを作ることを、「Campus2.0」と位置付けました。

当時は、その価値観をなかなか理解してもらえなかったけど、COVID-19が到来して、「オンライン」が加速したことで、ちょっと変化が起こったかなと感じてはいます)

 

「これから、人は大学の固定化された同じ場所で学ぶのではなく、自身の拠点とインターネット上と、普段とは違うフィールド組み合わせて、まるで『旅するように学ぶ時代』にすべきなんじゃ?」

と考えて、「旅するキャンパス」という名前にしました。

 

これをホテルに戻って、一晩で企画書を書いた日のことは今でも覚えています。

天草を訪れて、夜の食事の席で、会議では聞けない天草の人の切実な一言の想いからそれが生まれました。

 

アイディアは、「既存の情報の組み合わせ」。

自分の引き出しを増やして、届けたい相手の顔を真剣に思い浮かべること。

 

「これはイケるな」と思ったので、『旅するキャンパス』も商標登録も済ませても現在に至ります。

 

それ以降、オンライン(オンデマンド)と対面、フィールドということを意識して、様々なプログラムを実施しています。

 

その辺りのことは、また次回詳しく書きますね。

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