- 2022年12月21日
- 日常風景
京都国立近代美術館に行ってきました!
こんにちは!
アートプロデュース学科です。
アートプロデュース学科でミュゼオロジーを学ぶ科目、芸術学Ⅴ / 美術芸術論Ⅶの授業で、京都国立近代美術館に行ってきました!
京都国立近代美術館外観
芸術学Ⅴ / 美術芸術論Ⅶ履修学生と本橋弥生先生(左)
この授業では、2年生で学んだ作品鑑賞や展覧会企画、美術史などを踏まえて、これらが展開してきたミュージアム(美術館)という施設・組織・場について知ることで、芸術や展示の社会的役割や責任への理解を深めます。
11月には、京都市京セラ美術館で「サンリオ展 ニッポンのカワイイ文化60年史」の視察に行きました。
視察の様子はこちらから。
まずは京都国立近代美術館の美術館特定研究員(教育普及担当)である松山沙樹さんによる教育普及事業に関するレクチャーをお願いしました。
松山沙樹さん
開催中の展覧会「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡—市民が創った珠玉のコレクション」の概要と、現在てがけていらっしゃる<CONNECT⇄ >というプロジェクトについてお伺いしました。
<CONNECT⇄ >は文化庁と京都国立近代美術館が主催団体となり、岡崎エリアに集まる美術館や文化施設で<共生・多様性>をテーマにしたイベントです。
松山さんは、企画が立ち上がった初期から<CONNECT⇄ >に関わってこられました。
<CONNECT⇄ >は文化庁の京都移転がきっかけで企画されましたが、2016年から2019年までは東京・六本木の国立新美術館で計4回にわたり開催された、文化庁主催の展覧会<ここから展>の後続事業です。
この授業を担当されている本橋弥生先生は、2022年まで国立新美術館で研究員・主任研究員として勤務されていました。この日、事業に深く関わったお二人が揃う姿を見て、この事業のバトンタッチを学生たちも感じていたのではないでしょうか。
ラッキーなことに、この日は<CONNECT⇄ >の会期中で、京近美で開催中のプログラムを一部拝見することができました!
「教育普及事業に関するプロジェクトを通して、様々な背景を持った人たちが一緒に参加し、そこで起こるいろいろな対話や交流が生まれることの楽しさや発見を経験してほしい。さらに、参加者と協働することで、作品の魅力を再発見したり、美術館の場がもつ可能性や美術館の資源を見つめ直すきっかけになっている。美術館も学び、成長しています。」と松山さんは言います。
まずは互いに歩み寄り、知り合うこと。<CONNECT⇄ >のテーマである<共生・多様性>について、「つながる」とは何かを改めて考える素晴らしい機会となりました。
松山さんのレクチャーのあとは、
「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡—市民が創った珠玉のコレクション」の視察を行いました!
ドイツケルン市が運営する「ルートヴィヒ美術館」はヨーロッパで最大級のポップアートやピカソコレクション、ドイツ近代美術の収集で高く評価されています。
今回鑑賞したルートヴィヒ美術館展では、ドイツ・ケルンのルートヴィヒ美術館が所蔵する、20世紀初頭から現代までの優れた美術作品、ピカソ、ウォーホルなど約150点を紹介しています。写真コレクション、市民のコレクターによる寄贈を軸に形成していることが大きな特徴で、 今回の展示ではそのコレクターに焦点をあてて紹介されています。
本学の芸術教養科目で現代アートを教えておられる本橋弥生先生は、「普段教えていることが、この展覧会で網羅できる!ぜひ学生たちに観に来てほしい。」とおっしゃっていました。
本展では、ドイツ表現主義、新即物主義、キュビスム、ロシア・アヴァンギャルド、バウハウス、シュルレアリスム、ピカソやポップ・アート、前衛芸術から抽象美術、そして2000年代の美術まで、20世紀初頭から今日までの美術史をたどることができます。
会期は1月22日(日)まで。優れたポップ・アートのコレクションや、ロシア・アヴァンギャルドの貴重な作品群、数多くのピカソの優品たちは、芸大の学生必見の展覧会です。冬休み期間にぜひ観に行かれてみてくださいね!
ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション
会場:京都国立近代美術館
会期:2022年10月14日(金)〜2023年1月22日(日)
開館時間:午前10時~午後6時、金曜日は午後8時まで開館*入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし、2022年12月26日(月)と2023年1月9日(月・祝)は開館)、年末年始(2022年12月29日~2023年1月3日)
住所:〒606-8344 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町26-1
💬学生の感想💬
🗣四海哲也さん(アートプロデュース学科3年生)
地域社会にとっての美術館の役割を詳しく知ることができ、美術館のあり方を改めて考える良い機会になりました。
展覧会では、ネットの画像やポスターなどでよく見る代表的なアーティストの作品を目の前で見ることで、実際に近距離で作品を見るのと画像としてみることではこんなに迫力や伝わってくる情報に差があるのだなと感動しました。
これまで注目してこなかったような分野の作品でも、思わず立ち止まり凝視してしまうほど多様な表現に釘付けになりました。素晴らしかったです。 またゆっくりと鑑賞しに来たいと思います。
松山さん、貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。
四海哲也さん
🗣國村優さん(アートプロデュース学科3年生)
サンリオ展の時も思ったが、新聞社、テレビ局が主催になっていて協賛にその他企業が名を連ねていた。
一般的に主催、協賛になる目的は社会的責任を果たす、企業イメージの向上等の目的があると思うが、新聞社・テレビ局はどちらの展覧会でも主催に名を連ねていた。
協賛には特定の業種が名を連ねていることは無かったため、協賛には一般的な目的が当てはまると考えられるが展覧会を主催することは新聞社、テレビ局には+αの目的、メリットがあるのではないかと考えた。
作品のキャプションを見ていてルートヴィヒ美術館の名前の通りルートヴィヒ夫妻の寄贈品が圧倒的に多く、その他は他市民からの寄付、コレクション展での購入があり市民が作った珠玉のコレクションの名の通りであった。
一般的なホワイトキューブのような作りの展覧会で、作品の大小、種類に応じた空白、間の取り方で、裏に茶色を噛ませることで存在感を出したり、立体作品で吊るしてライトアップされていて壁に影ができているもの等、見せ方次第で印象が変わる作品があり興味深かった。
ドイツ・モダニズムやロシア・アヴァンギャルドの作品が展示されていて、当時の社会情勢が垣間見えるというか、ニュアンスが違ってきそうだが、攻撃的な作品が多く感じた。
ピカソの作品は普段日本で見るものとはまた表現が違っていて、異なる面がみえまだまだ作品を多く見なければと改めて思った。
國村優さん
🗣松岡英智さん(アートプロデュース学科3年生)
ナチス時代の退廃芸術の歴史から様々な近代美術や前衛芸術が弾圧される中でルートヴィヒ夫妻が作品を保護し、この展覧会の開催によって作品を鑑賞出来ていると考えると、作品を残すということの価値についてとても考えさせられました。
アートプロデュース学科では作品を様々な人々と繋げて出会いを作りますが、作品をどのように残し次に繋げていくのかということも考えていきたいと思います。
松岡英智さん
これまで複数の展覧会視察を重ねた学生たちは、美術館や博物館を含むミュージアムの成り立ちや変遷、展示や活動を学び、社会におけるミュージアムとは何なのか、その役割や機能を考え、授業の最後に展覧会の企画を立案します。
これからの美術館や展示や活動のあり方について考えを深めていく学生たちの姿がとても頼もしいです。
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