- 2024年1月23日
- 日常風景
【ソーシャルデザイン論】ゲスト講師:菅沼 聖さん
こんにちは。
クロステックデザインコースです!
石川先生の授業「ソーシャルデザイン論」では、3週にわたってゲスト講師の方をお迎えします。
ラストの第3回目は、エデュケーターの菅沼 聖さんをゲスト講師としてお迎えし、特別講義をしていただきました。
菅沼さんは本学 京都芸術大学(旧:京都造形芸術大学)の卒業生。学生時代は環境デザイン学科で建築を学んでいました。現在は山口情報芸術センター(YCAM)でエデュケーターとして、鑑賞教育やワークショップ開発などに携わっています。
今回、YCAMでどんなことをしているかや今の学生に大事にしてほしいことなど、特別講義の中で沢山お話しいただきましたので、一部ご紹介いたします!
菅沼さんがいる山口情報芸術センター(YCAM)は、山口県山口市にあるアートセンターで、中には劇場、図書館、シネマ、スタジオなどがあります。美術館や博物館のように1つの機能として使うのではなく、様々なことに取り組めるようなアートと社会を結ぶメディアの実験場のような場所です。
YCAMが掲げているテーマは、「身体・メディア・社会」。
メディアが変われば身体も変わる、個々の身体が変われば社会も変わると考え、「メディア・テクノロジー」を用いた新しい表現の探求を軸に活動・研究開発を行っています。そのメディアテクノロジーを応用するための専門スタッフ(デザイナーや舞台制作、映像制作、学芸員、アーキビストなど)もいます。
また、YCAMで作られた展覧会やオープンソース、ソフトウェアコード、ハードウェアの作り方など自分たちだけのものにせず、これから出会う新たな人たちのために世界中のアーティストやクリエイター、近くの市民にも届くように広く公開されています。
YCAMで様々な思考と実験を繰り返しそれを広く公開することで、最近では行政や研究機関、企業と共同で作業することが増えてきたそうです。
メディアアートを作る場所としてだけではなく、都市における課題などに対しても思考と実践が出来る場所ということで社会に広まってきているそうです。
YCAMのエデュケーターである菅沼さんは、子どもから年配の方まで全人類を対象としたメディアのワークショップ、体験プログラムに携わっています。
講義内では、YCAMで実施したワークショップを例にいくつか紹介いただき、学生たちもワークショップを体験してみました。
そして、学生たちに向けて、これから何か自分でクリエーションし、それを社会に届ける時に菅沼さんが思う大事にしてほしいことは、
人間を理解し(身体)
人間の繋がりを理解し(メディア)
社会を理解する(社会)
人間って何だろう、人間って何を面白がるんだろう。
どうなると人は悲しくなるんだろう、どういう欲求を持っているんだろう。
どういうモチベーションで人は動くのだろう、など
そういうことを常に考え、「人間を理解する」ということ。
この“人間”は何で変わるかというと、「メディア」によってどんどん変化していきます。
「メディア」とは、人と人との「中間にあるもの」であれば全て「メディア」であると言えます。私たちが日常で使っている言語や人が指を差したその行動も、「メディア」として実は機能しているんです。
人は昔、紙を使い手紙を書いていました。それがメール、現在ではチャットのような形へと変化し、それに伴って人間の行動・心理も変化してきました。
歴史を振り返ると、その時代のテクノロジーによって、人間の繋がりやコミュニケーション、社会の在り方そのものも大きく変えていることが分かります。
最後に、「社会を理解する」。
この社会というものは、“人間”たちによって成り立っています。
今後もテクノロジーの発展によって、「メディア」は変化し、人間のコミュニケーションもどんどん変わっていくでしょう。人は人とのコミュニケーションを通じて、新たな社会を作っていきます。
これらは世の中にあるありとあらゆる全てのことに繋がっていて、この原理を押さえておくことは、自分がこれからどんな職業や生活をしても大事であると菅沼さんは話してくださいました。
菅沼さんが面白いなと思うものはやっぱり、 人 。
いつまで経っても、 人 って面白いなって思うと話してくれました。
人が人であることの意味とは「間違えること」、「人と人は違うこと」。
人は聞こえている音や考えていることも違う、見てるところも違う。同じようでいて全然違う。今伝えたのに間違って誰かに伝えたりも人はしてしまいます。
AIやロボットは正確かもしれないですが、それを使う人によっては全く違う使われ方をします。それがテクノロジーの特性です。
人が時に間違って使うことで生まれる新たな創造性を追い求めてみたい。創造的自由な空間から何かを生み出す。そういった場がこれから社会的にどう成立していくのか、
ということに菅沼さんは注目しているそうです。
人間とは何か、メディアとは何か。それが広がる社会とは何か。
こういった根本は、社会に出てどこかのタイミングで思い起こしてみることで、一度立ち止まって考え、新たなものを生み出し、社会に向けて届けることができるきっかけになると思います。
サービスや企画、プロダクト、プログラムなど、これから様々な興味関心のあるものを研究・制作していく学生にとって、大事なことを話していただきました。
菅沼さん、ありがとうございました!
また授業の様子をご紹介します。
2023年度 京都芸術大学 卒業展・大学院修了展
期間:2月3日(土) ~ 2月11日(日) 10:00~17:00(入場受付は16:30まで)
入退場 :入退場自由(予約不要)・入場無料
会場 :京都芸術大学 京都・瓜生山キャンパス
お知らせ
2023年度 京都芸術大学 卒業展・大学院修了展が2月3日(土) ~ 2月11日(日)に開催。
その期間中の2/10(土)・2/11(日)の2日間にオープンキャンパスを実施します!
大学全体説明会を聞いて、気になるコースの卒業作品を見学することができます。
そして、大学全体説明会&入試説明会の後には、\ コース別卒展見学ツアー /も開催!
卒展見学ツアーでは、卒業展示を見ながらクロステックデザインコースの先生に話を聞いてみることができますよ!👀
気軽に参加してみて下さいね。
そして、
注目!
オープンキャンパス(2/10,11)に参加すると、
2025年度入学試験 総合型選抜(体験授業型入試)の検定料が、20,000円免除されます!
※受験者本人の来場が必要です。
オープンキャンパスへのご参加は、お早めにお申し込みください。
クロステックデザインコースの最新カリキュラムや進路について紹介|先生によるコース紹介動画2023
クロステックデザインコース 在学生へのインタビュー
京都芸術大学クロステックデザインコース公式ページに、授業内容の詳細を掲載中!
ぜひそちらも覗いてみてくださいね!
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