- 2024年10月1日
- 日常風景
【メディア表現演習Ⅰ】第4回 搬入プロジェクト in 京都芸術大学
こんにちは、クロステックデザインコースです!
今年度も「メディア表現演習Ⅰ」の授業にて、8/1.2に「搬入プロジェクト」を実施しました!今回は「搬入プロジェクト」再演本番の様子をピックアップして紹介します。
「搬入プロジェクト」とは:
パフォーマンス集団「悪魔のしるし」が発案した演劇プロジェクトのひとつ。会場となる空間に「入らなそうでギリギリ入る物体」を設計・製作し、それを実際に人の力で運び込むというもの。演出家の危口統之氏が逝去した後にパブリックドメイン化が宣言され、誰でも実施でき改変することも可能とされた。
本番に向けて授業に取り組んでいる様子は過去のブログで紹介しています。ぜひご覧ください!
<過去の搬入プロジェクトを紹介したブログ>
◆2022年度
【メディア表現演習Ⅰ】搬入プロジェクト in 京都芸術大学(前編)
【メディア表現演習Ⅰ】搬入プロジェクト in 京都芸術大学(後編)
◆2023年度
【メディア表現演習Ⅰ】今年もやりました!「搬入プロジェクト」!
今回の「搬入プロジェクト」は、8/1物体制作、8/2再演本番のスケジュールで行われました。今年度も渡邉 朋也さん、かねこ みわさんにゲスト講師としてレクチャーいただきました。
【8/1の物体組み立ての様子】
まずは準備運動。搬入プロジェクト恒例のラジオ体操から始まります。
搬入プロジェクトの中で使われている工法のひとつ「ビールケース工法」を用いて、物体を構成していきます。今回の制作場所は望天館の吹き抜けです。
4~5箱ほどのビールケースをラッシングベルトを使用して1パーツにし、次はパーツごとを繋ぎ合わせ形をつくっていきます。
学生たちが考えた物体の案から今回採用されたのは「知恵の輪」です!過去に仮組みした全体像はこんな感じ。まさしく知恵の輪のような複雑な形をしていますね…!
組み立てていくと身長ほどの大きさに。輪の真ん中に空間があるので、学生たちはベルトで繋ぎ合わせることに苦労していました。
持ち上げるとどこに負荷がかかりそうか、どのように固定していくかなど、模型のスケールで考えるのではなく、組み立てながら検討していきます。
かねこ みわさんにアドバイスをもらっている様子。輪の部分に重さがあるため、接続部分に負荷がかかるという話をしていました。
ビールケースが変形するほどの力でしっかりと固定していきます!
渡邉 朋也さんにレクチャーしてもらい、強度が足りないと感じたところには結束バンドを使用して、ビールケース同士を固定していきます。
こちらの学生は模型を使って当日の搬入経路を確認している様子。本当にギリギリなサイズですね!組み立てられていく実物を見ながら、どの向きでどんな手順で搬入するかを確認しておきます。物体が出来上がってくると本当に入るのか⁉とドキドキしてしまいそうです。
今回の搬入プロジェクトは音楽担当が登場!その場の雰囲気にあわせてチョイスした曲をPCで流しながら物体の周りを周回していました。搬入当日は本格的にスピーカーを使用するようです!
完成まであと少し!搬入当日は人間館より移動開始するため、運びやすいよう物体は2パーツに分けた状態にしておきます。
ストレッチフィルムを使用して全体を覆い、更に固定したところで授業時間が終了間近です。
強度を確認するため一度だけ2パーツに分かれている物体をドッキング!実際に物体を持ち上げてみたところで、本日の授業時間が終了し作業はここまでとなりました!
【8/2搬入日当日の様子】
搬入日当日となりました。この日は搬入スタート地点となる人間館の春秋座前まで物体を2パーツに分け運び、運んだ先でドッキングを行います。パーツを運ぶときはまだまだ余裕の表情ですね。本番直前のちょっとした予行練習となったのではないでしょうか!
春秋座前へと運び込まれ、ドッキング作業が始まりました。写真の赤いビール箱が知恵の輪の接続部分です。8/1の授業最後に持ち上げた際、接続部分に負荷がかかり強度に不安があったため、板材と角材で作られたパーツ通称「サトルシステム」を取り付け補強しました。
搬入プロジェクトでは、過去関わった方々が工夫を凝らしながら考案し、引き継がれている方法がいくつもあります。
搬入プロジェクトのルートを最終確認中…。 pic.twitter.com/rZBuDDgQKZ
— クロステックデザインコース (@xtechdesign) August 2, 2024
物体の準備ができたところで、搬入経路を担当している木村友俐さん(旧・京都市立銅駝美術工芸高等学校出身)と宮本 結菜さん(大阪ビジネスフロンティア高等学校出身)より物体の向きや動かし方について指示がありました。
今年度の搬入ルートは「春秋座前→ピロティ→望天館吹き抜け」となっています。
https://twitter.com/xtechdesign/status/1819252317524578607
怪我の無いようラジオ体操をして、ついに搬入プロジェクトスタートです!
物体を持ち上げ、方向転換や動くスピードなどを、徐々にみんなで感覚を合わせていきます。まずはピロティを目指します!
持ち上げるとさらに物体の大きさが分かりますね。少しずつ人間館の廊下を進んでいきます。
人間館を抜ける扉、ここが最初の難所です。
少し停滞しましたが、くるっと横回転しながら人間館の扉はクリアしました!音楽も盛り上がり学生も一気に喜びムードに!
無事ピロティへ出られたところで、一度休憩にはいります。8/2の最高気温はなんと38℃!学生は汗だくになりながら頑張っていました。クーラーの効いた室内でクールダウンしつつ水分・塩分補給をします。
最後の難関である望天館の出入口にむけて物体の向きを変えていきます。様子を見守っていると、物体を斜めに回転させていて驚いてしまいました!
望天館へ続く通路を進み望天館の出入口を目指し進みます。ここで再度、物体の向きや動きをみんなで入念に議論していました。
物体の動きを確認したところで、望天館への運び込みスタート。すんなりと前方部分が入ったと思いましたが、後方部分がなかなか通らず不安定な状態に。入口が狭くなっているため前方と後方で意思疎通が取りづらく、どのように動かせばいいのか分からない状況に混乱や緊張感が生まれます。猛暑のなか外で支えている学生は疲れがみえてきました。様子を見ているこちらまで緊張してしまいそうです。
向きの微調整を重ね、やっとの思いで踊り場まで物体をいれることができました!あとは手前の自動ドアを抜ければ、望天館の吹き抜けです。
また前方部分はすんなり通過しますが、そこから停滞が続きました。左右へ動かしてみたりと試してみますが、あと少しで通りそうというところで扉や周りの壁にぶつかってしまいます。
そこで一度物体を床に下ろし、みんなでどのように動かすか議論を重ねます。この時点で開始から1時間ほど経過、暑さと停滞のもどかしさが重なり疲れもピークに。最初は控え目だった学生たちもこの状況を打開するために声を出して議論し始めていました。
試行錯誤を重ねているうちに通過できそうな希望が見えてきました!不安定な状態に接続部分に負荷がかかりミシミシと音がします。あと少しで通りそうだという期待と、支え方が不十分だと壊れてしまいそうな状態に学生の声も大きくなり、気持ちも高ぶっていました。
そしてついに望天館の扉を突破!!望天館の吹き抜けに喜びの声と爆音の音楽が流れ、一気に学生の表情も笑顔になり達成感を感じていました!あと少しの距離を天井にぶつからないよう気を付けて運び、目標の望天館吹き抜けまで無事たどり着くことができました!
物体を置けたところで搬入プロジェクト終演。みんなで拍手し合い喜びます!みなさん一気に安堵の表情ですね。
昨年に引き続き、今年も授業時間オンタイムで終了しました。
学生のみなさん本当にお疲れさまでした!適宜アドバイスをしつつ見守ってくださった、かねこさん、渡邉さんありがとうございました!
「搬入プロジェクト」とは建物へ大きな物体を人の力で運び入れ、搬入中には議論や衝突が起きます。喜怒哀楽さまざまな感情を感じ、そのプロセスを演劇として捉えています。
今回の搬入プロジェクトもまさに演劇のようでした。搬入開始直後、意見を伝えることに控え目な学生の様子が少し心配でしたが、後半余裕が無くなり素直な気持ちを表現し議論が巻き起こることで徐々に全体の一体感が生まれていました。
普段はPCを使うことが多く、授業で肉体労働をすることがほとんど無い学生たちは、普段とは違ったコミュニケーションのとり方や「作品に参加する」ことがどういうことなのか気づきがあった人もいるかと思います。
この「搬入プロジェクト」を通して経験したこと感じたことが、学生のみなさんの作品や学生生活に活きることを期待しています!
\\\ 体験授業型入試Ⅱ期のお知らせ ///
10月12.13日にはいよいよ体験授業型入試Ⅱ期が行われます!(※エントリー締切は10月4日(金)まで)
クロステックデザインコースに少しでも興味のある受験生の皆さんは、ぜひチャレンジしてみてください。皆さまにお会いできるのを楽しみにしております!
体験授業型入試Ⅱ期の詳細はこちら👇から
クロステックデザインコースの最新カリキュラムや進路について紹介|先生によるコース紹介動画2023
クロステックデザインコース 在学生へのインタビュー
京都芸術大学クロステックデザインコース公式ページに、授業内容の詳細を掲載中!
クロステックデザインコースでの日々の授業風景、イベント等はtwitterとInstagramで日々更新中です。ぜひチェックしてみてください!