チャイコフスキーの3大バレエが今年で完結

7月 01日, 2013年
カテゴリー : プロデューサー目線, 過去の公演 

春秋座では7月6日(土)、7日(日)にオペラ「蝶々夫人」を上演するのに続いて10月6日(日)にはバレエ「眠れる森の美女」を上演いたします。
イタリアでは、バレエがもともとオペラの一部として行われていたのですから、オペラとバレエが春秋座で相次いで行われるのもご縁ですね。オペラが声の芸術とすれば、バレエは身体の芸術といっていいでしょう。
イタリアやフランスでは当初、舞踊手は男性でした。中でもルイ14世が宮廷バレエの舞踊手でもあったことは有名です。この頃のバレエはロマンティック・バレエと呼ばれドラマ性に富んだものでした。やがて18世紀に入って女性ダンサーが登場し、純粋に動きを追求するクラシック・バレエが誕生します。練習の方法や指導方法も研究され、踊りの基礎とも言うべきメソッドが確立されたのは 19世紀半ばのことです。
特にロシアではチャイコフスキーがバレエ音楽の傑作を生み出し、「白鳥の湖(1876)」「眠れる森の美女(1889)」、「くるみ割り人形(1892)」、の3大バレエが誕生しました。
その後、モダンバレエの時代になり、一口にバレエといっても幅が広くなっています。
しかし、何といっても、チャイコフスキーの3大バレエは誰からも愛されるロマンティック・バレエの傑作でしょう。大変親しみやすい劇的な音楽をバックに、幻想的な物語が展開されていく舞台は、文句なく引きつけられます。
子供の頃これらの作品を見て、ぜひ自分もバレエを習いたいと思った人は少なくないでしょう。また、これからも少年少女たちを魅了するに違いありません。
春秋座では、これまでに、「白鳥の湖」と「くるみ割り人形」を上演しましたが、今年はいよいよ「眠れる森の美女」です。これをもって春秋座ではチャイコフスキーの3大バレエが完結されることになります。
ロシア・ナショナル・バレエの「眠れる森の美女」は芸術監督エフゲニー・アモーゾフが
精魂傾けた作品で、8年前に来日した時、東京を始めとする各都市で絶賛されました。今回の京都公演はさらにグレイドアップされています。どうぞ、ご期待ください。

橘 市郎
(舞台芸術研究センター プロデューサー)

* チャイコフスキーの3大バレエ作曲年代は音楽の友社発行の音楽辞典によるものです。