- 2019年7月3日
- 日常風景
【授業紹介】装こう文化財の保存修復基礎実習
こんにちは。歴史遺産学科の副手です。
梅雨に入り、曇り空が多い今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
今回は2回生「歴史遺産学基礎実習Ⅱ」の授業の様子についてご紹介いたします。
この授業では2クラスに分かれて、「民俗文化財の保存修復」と「装こう文化財の保存修復」の
基礎について実習を通して学びます。
今回は、大林先生ご担当の「装こう文化財の保存修復」実習の様子をお届けいたします。
装こうとは、紙や絹などの上に制作された絵画、書跡、典籍、古文書などのことを指します。
この実習では装こう文化財の主要な構成要素である和紙の種類や物性について学び、
掛軸や屏風などの基本的な素材や構造を学びます。
紙漉きを実際に行い、和紙作りで使用される材料や物性について学びます。
まずは紙を漉くための原料の作成から始めます。
紙の繊維同士が水の中でくっつかない様にして、ムラのない紙をつくるために「ネリ」を加えて攪拌します。
紙料が完成したら漉き枠ですくって、繊維が全体に均一にのるように揺すります。
繊維を均一にのせることは至難の業で、学生たちは苦戦しながらも工夫しながら作業をしていました。
調査ではチームに分かれ、掛軸や屏風の調書をとります。
調査項目は、使用されている材料について、物理的・視覚的な損傷について、
以前行われた修理についてなど観察するポイントはたくさんあります。
しっかり観察し、分からないところは調べながら、ひとつずつ明らかにしていきます。
「この劣化はこれが原因なんじゃないか?」などチームでの話し合いも白熱したようでした。
発表では、調査結果とともに自分たちの考えたことなどを発表します。
最後には先生の解説もあり、より知識や考えが深まったようでした。
このように2回生では、修復にあたっての基礎的な知識や技術について学んでいきます。
修復において、モノを丁寧に見ることがまずは必要な力となるので、この実習で見る目をしっかりと養います。
3,4回生になるとより実践的に修復の技術について学んでいきます。
みなさんこれからもひとつずつ、学びを深めていきましょう!
—————★お知らせ————–
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