クロステックデザインコース

インタビュー

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2020年9月29日  インタビュー

クロステックデザイントーク#04

クロステックデザイントークは教員やゲストと共にクロステックデザインコースの授業内容やイベントについて、ビジネス、デザイン、テクノロジー、アートのトピックスを織り交ぜながら、縦横無尽に話し合うトークセッション。

 

第1弾は2020年4月から共に、クロステックデザインコースに教員として着任した家入一真(客員教授)と石川琢也(専任講師)が2時間にわたる対談を実施。教員として感じたことを起業家であり投資家の目線から話していただきました。その様子を5回に分けてお送りいたします!

 

 

SOLIOという会社について / 寄付

 

石川:では後半としては、家入さんの最近の取り組みを踏まえて話をしたいなと思っています。今、家入さんが取り組まれているSOLIOという会社の活動に興味があるのですが、少しSOLIOについて説明して頂いてよいでしょうか。

 

SOLIOについての注釈:

SOLIO

NPO法人D×P代表理事の今井紀明氏を中心に、CAMPFIRE代表取締役の家入一真氏、リブセンス共同創業者の桂大介氏らが立ち上げた、カテゴリで寄付先が選べるプラットフォーム(システムやサービス、土台や基盤となる環境のこと)

 

家入

そうですね、本当に立ち上がって間もないのでこれからって感じなのですけど、SOLIOは寄付のプラットフォーですね、SOLIOって名前は何かっていうとソーシャルポートフォリオ(これも高校生わからない)みたいな感じの略称でソリオなんですけど、車の名前っぽいんですけどね(笑)

 

石川:ハハハハ(笑)

 

家入

要は寄付ってまだまだ自分とはあまり縁がない世界だな、って思われてしまうことがすごく多いなと思ってます。例えば、クラウドファンディングだと色んな寄付もあればその応援とか支援といったさまざまな形でお金を集めたり支援したり、クラウドファンディングを通じてそういう新しいお金の流れを作ることは身近ではあります。でも、やっぱり一般の方々からすると、まだまだ寄附って言われたときにこうピンと来ないなと思っていて。

 

石川:なるほど。

 

家入

でも実は寄附ってそんな遠い物事ではなく、コンビニのレジの横も募金箱や、地方とか行くと駅前に学生たちが赤い羽の募金箱持って、募金してください、とか。あとは身近なところでユニセフとか、あしなが育英会とか。学校に家庭の事情で学費が出せないような方々に向けたところとか、支援の寄付金とか財団とか基金とかそういうのもありますし、震災とかコロナもありますし。寄附っていうもので結構お金はたくさん動いてはいるんですけど、もっとその寄附っていう行為を身近にしていくにはどうしたらいいかっていうのを考えたときに、まだまだできることあるんじゃないかって、僕の感覚で言うと寄附ってまだ遠いんですよ。

 

石川:日本だとあまり意識されないですよね。

 

家入

そうそうそう。僕が選挙に出た時も同じなんですけど、政治って言葉だけを考えてしまうとどうしても遠いじゃないですか。自分には関係のないと思っちゃうんですよね。それは別に誰が悪いっていうものではなくて、その課題みたいなものって生きてくことはいっぱいあるんですよ。

 

僕ですら朝起きて、学校なり会社なり電車に乗って向かって家に帰るまで何気ない1日を考えてみても、僕は何気ない1日を送っています。でも、解像度を高めて社会を見てみると実はまだまだ生きづらいなとか、何でここ未だにこうなってるんだろうな、っていうことめちゃめちゃ世の中にたくさんあると思っていて、そういったものを一つ一つ自分ごとにしていくこと。例えばまだ学生さんだと実感はないかもしれないですけど、僕は子どもがいて、子どもを持ってみて親の目線になってみると、いかにバリアフリーじゃないかってことにめっちゃ気付く訳ですよ。

 

石川:なるほどなるほど

 

家入

そうやって一つ一つ当事者意識を持ってみると、実は凄く世の中って生きづらくて理不尽に満ち満ちていることに対する向き合い方っていくつかあるなと。寄附っていうとお金を渡して「じゃあと頑張ってね」っていう話じゃなくて、寄附っていうのは僕は入会費や参加費を払う行為に近いものだと思っていて、こういう課題に対して活動してますっていうNPOがあると、そこに対して寄附をするような形で、自分もそこに同じその課題に対して興味をもち自分なりにこれから行動していきます、っていうような意思表示なんだと思っていて。何でそれをもっと身近にしていこう当たり前にしていこうっていうのをサービスを通じてやっていこうとするのがSOLIOっていう会社です。ちょっと長くなっちゃったんですけど(笑)

 

石川:いえいえ。

 

「なめらかなお金」と「お金に色をつけること」

 

石川

ありがとうございます。家入さんの本の中での「なめらかなお金」という言葉に興味を持ちました。僕は言葉を目にして、家入さんの活動を拝見させてもらっている中で、例えばクラウドファンディングやSOLIOもそうですけど、家入さんの活動には、自分の払うお金に何か少しだけ色を付けるようなことではないか、と考えてました。それはむしろ、なめらかに抗うお金の払い方と言えるかもしれません。例えばコンビニでモノを買ったときに、僕らは信じられないぐらいなめらかにお金を払っています。つまり、製造者や物流への想像力が全く想起しない状態といいましょうか。それに対して、クラウドファンディングやSOLIOで、自分の払うお金に少し色を付けていくプラットフォームっていう感じがしたんですね。

 

実は、僕が在籍していたYCAMでおこなったプロジェクトで、買った食材のトレーサビリティー(商品や食品などの生産・流通の過程を履歴として記録し、消費者などが後から確認できること)が可視化されるハンバーガーショップを展開してました。その背景はシンプルで、21世紀がよくなるには、個人がお金を払う動機について、考える機会を増やすことなんじゃないか、っていうのを思っていまして。

 

家入:うんうんうん

 

石川:日常的にそういったお金に色を付ける、もしくは滑らかさに抗う部分を作った方がいいなって思い、実験的な取り組みをしていたんですね。

 

家入:うんうんうん、滑らかじゃない部分

 

石川

家入さんの言及される「なめらかなお金」っていうのは、お金を払う行為自体の幅、そのグラデーションの中には、もっといっぱい選択肢があるよ、っていうことを言われることが思うんです。

 

家入:うんうんうん

 

アーティストと起業家の共通する要素

 

石川:また別の切り口で、ぼくがYCAMにいたときに、アーティストを中心に考えたときに、個人の人がどこまでアーティストを応援できるのかを考えていて。

 

家入:うんうんうん

 

石川

そもそも作り続けるためにはお金が必要だけど、研究みたいなこともできるし、企業からスポンサーをとるレベルのものから、極端な話、地方でのパフォーマンスのときに寝食の場を提供することまで。YCAMには温泉街が直ぐ側にあって、山口で滞在制作するときに、美味しいご飯と美味しい宿があると良いものもできるんですよね。

 

家入:フフフフフ(笑)

 

石川

そういったツアーを回る人たちに、場所を提供することなどお金以外で提供できることがあるんじゃないか、みたいなことを考えてました。お金以外でも音楽のアーティストであればライブ以外でも、一緒に教育のワークショップ作ったり。そういう風に、個人個人がある種のギフトやサポートみたいなものはまだまだいっぱいあるんじゃないかっていうのを僕は想像しています。そういったものが世の中にプラットフォームとしてあるといいなあってことを思ったりしますね。

 

家入

アーティストだったりアーティストに限らず起業家とか色んな活動をされる方がいかに持続可能になるかってことを結構、僕はよく考えています。クラウドファンディングや、あとbandcamp的なサービスもそうだし、最近ではPatreonもありますし。お金もあればやっぱ心の課題みたいなのもここ数年すごく興味があって。メンタルヘルスとか、そういった領域のスタートアップの経営に関わったりとかもしてるので。なんか起業家とかアーティストってすごく似てるなって部分があるんですよね。それはなんだろうな、独善的というかその自分が満たされない自分の過去のコンプレックスを、何かしらぽっかり心に空いた穴みたいなものを現実の世界をねじ曲げるみたいな形で、自分みたいな人間が生きてきた成果を作ろうとする行為なんだと思うんですよ。

 

注:

Bandcamp

2008年にアメリカでローンチした音楽配信・販売プラットフォームである。さまざまなアーティストやレーベルが、デジタル音源はもちろん、アナログレコードやCD、カセットテープも販売している。アップされた音源はすべて無料で試聴でき、ファンは気に入ったものがあれば購入するというサービス。

 

Patreon

2013年5月アメリカで創設された、アーティストによる創作活動のためにファンやパトロンがいつでも寄付できるプラットフォーム。

 

石川:うんうんうん。

 

家入

表現をするとか起業するとかもそれだけじゃない色んなタイプの経営者もいれば、色んなタイプのアーティストもいる訳なので。なんか矢印を間違えるとそれこそんなか世界をぶっ壊してやるみたいな方向にも行きかねない、そのぐらいの強いパワーを持ってたりするんですよね。そういった人たちはやっぱり心っていうものに対してすごく危うさというか、自分自身も傷つけるし周囲も傷つけてしまうことが、大いにあると思うんですよ。そういった心が持続可能な形になることこそが、経営を活動をしていくことの大事なポイントでもあるなって。

 

石川:なるほどー

 

家入

なのでそういった心の領域に興味がすごくあります。だけど、ここはなかなか僕も答えが出ない部分なんですけど、アーティストや起業家にしろ、心の課題とか葛藤やコンプレックスみたいなものが解決してしまったら、果たしてその人がそれ以降の制作活動だったり活動するモチベーションみたいなものが継続するのか、という。

 

石川:ああー難しいですね

 

家入

例えば、ある種のカリスマ性みたいなものは、そのままこう維持できるのか、みたいなもすごく悩ましい問題。例えばイーロンマスクは自分自身でも双極性であるってことを告白したりとかしてますけど、彼のあのカリスマ性みたいなものってなんでしょうね、あのギリギリの感じというか危うさみたいなのもセットで魅力になってるはずなんですよね

 

石川:そうですよね、あのアメリカのインディーズのアーティストの73%がメンタルヘルスなんですよ。

 

家入:うんうんうんうん

 

石川

アーティストのメンタルケアするサービスや職業が実際に生まれてきてて、テクノロジーを交えてどう支えていくか、みたいなことも増えてきてます。今の話は本当に難しいところで、極端にいうと復讐心みたいなものがクリエイティビティの源だったりすることもありますからね。

 

家入:うんうんうん、そうなんですよね

 

石川:それは確かにね、すごいわかりますね。僕も色々アーティストと制作やディレクションに入ることもありますが、やっぱり変わってますからね(笑)

 

家入:ね(笑)

 

石川:そうですね

 

家入:そうなんですよね、変わってるで片付かないパターンもすごく多くて、そういった場合にどう向き合うべきなのかなって結構悩ましいなあとは思いますよね

 

石川:それを乗り越えていくサービスがとかがあると本当にいいと思いますけどね。

 

家入:うんうんうん

 

石川

すごくうちに秘めたる復讐心みたいなものと、物理的に作りたいけど作れる環境じゃそもそもないみたいなストレスなど、色々あったりすると思うんです。その辺をどこに焦点を当てたケアなのかというかサポートなのか、面白いなと思いますね。すごいいいですね。

 

家入:うんうんうん

 

石川:ちなみに、家入さんの中でこの人はベンチマーク(常に意識している、注目している)として観測している人はおられます?

 

家入:あーなんかあまり昔からあんまそういう、うーんベンチマークそうですね。

 

石川:1人じゃなくて複数だったりその人の定点的な見方だったり

 

家入

そうですね。経営者にしろ何かしらの領域で抜きんでた方々っていうのはなんだろう、最終的に言っていることがすごく哲学的だったり、佇まいも含めたところでなんか思想家みたいなのにはやっぱねなっていきますよね。そういった方にはすごく憧れはありますし、そうなっていきたいなっていうのはすごくあるかな。やっぱ、人間としての成熟みたいなものと知性みたいなものが内面と外面と含めて、深めていけてる人に対してはすごく憧れだったりリスペクトはありますよね。

 

石川:なるほど、僕もここ数年で一気にその傾向が高まったという感じはありますね

 

家入:うんうんうん

 

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次回でラストになりました!最後はスタートアップ・NPO、これからのリーダー像についてです。課題先進国という日本についての言及など、著者はもっと早くこの話を聞きたかったとしみじみ思っています。お楽しみに!

 

>次回はこちら

   テーマ:スタートアップ・NPO、これからのリーダー像  

 

 

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京都芸術大学クロステックデザインコース公式ページに授業内容の詳細がを掲載中!

ぜひそちらも覗いてみてくださいね!

 

 

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