- 2020年9月15日
- 日常風景
クロステックデザイントーク#03
皆さんこんにちは!クロステックデザインコース研究室です!
クロステックデザイントークは教員やゲストと共にクロステックデザインコースの授業内容やイベントについて、ビジネス、デザイン、テクノロジー、アートのトピックスを織り交ぜながら、縦横無尽に話し合うトークセッション。
第1弾は2020年4月から共に、クロステックデザインコースに教員として着任した家入一真’(客員教授)と石川琢也(専任講師)が2時間にわたる対談を実施。教員として感じたことを起業家であり投資家の目線から話していただきました。その様子を5回に分けてお送りいたします!
いま大学生だったら
-自分のための居場所を作る
石川:もしいま家入さんが大学生だったら何をされていますか?
家入:そうだなぁ、起業はしてた感じがしますけど、この年になってやはり学んで来なかったことに対するその後悔じゃないけど、学校行かなかったので、いますごく学びたい欲がジャンル問わず、めちゃめちゃもう本当に高まっています。
元々、油絵で芸術大学に行きたかったのでアートを学びたいっていう気持ちもやっぱりありますし、例えば哲学とか社会学みたいなところもすごく興味がありますし、宗教学とかも興味あるし、知りたいことだらけで、いまの僕がそのまま学生時代に戻ったらもしかしたらなんか起業とかよりは興味のある領域の学問にめちゃめちゃハマっているような気もするし、ちょっとわかんないですけどね…どっちみち、そうだなあ、起業はしてそうな気がしてますよね。
石川:そうですね。僕は家入さんの活動を見ている中で起業家でもあるけど思想家というか、自分の中のこういう世の中が見たい、というようなものを通底して感じることがあります。その点が僕は家入さんに興味があるところでも、そうした感情はどのタイミングで生まれ、またこんな世の中が見たいっていうような感情ってどこから生まれますか?
家入:最初からそうした感情があった訳じゃなく、それこそ20歳で起業したときに自分が作ったサービスがたくさんのお客さんに使っていただけるのがすごく楽しいとか、新しい技術が出てきてそれを試すのが楽しいとか、まあ結果的に会社がうまく行って少しづつ成長して仲間が増えていくのは楽しいとか、なんか割とそういったもので経営してきたんですよね。
石川:うんうん
家入:ただ、あるとき自分自身が起業によって何を得たのか振り返る瞬間みたいなのがあったんですよね。ひとつは最初に作った会社がpeparboyっていう会社なんですけど、福岡で起業して東京に出てきたのが25歳のときです。ちょうど地方から東京で起業して、東京進出するスタートアップみたいなのがいくつかあって、そういう7.6世代とかって言って「なんで起業したんですか?」とかインタビューされて。なんで起業したんだっけなーっていうのを振り返っていくと、自分は元々学校に行ってなかったというので居場所が欲しかったんだな、みたいな感覚がすごく呼び起こされたというか。
石川:うんうん。
家入:僕がやってきたことってスターベンチャー企業社長みたいな感じに見られちゃうけど、実際に自分のやってきたことってなんだろうって、自分のための居場所を作ってきたことなんだなって思って。そこで、サービスを作るとかプラットフォームを作るとかっていうのは僕にとって居場所を作る行為なんだなと考えるようになりました。
あとはその後、起業していく、経営していく中で元々さっき言ったように油絵をやりたくてその大学に行きたかったんですけど結局行けなくて起業したっていう経緯ががあったので、どんだけ会社がうまく行っても全然嬉しくなかったんですよ。
石川:なるほど。
家入:そう、会社も仲間もどんどん増えて、売り上げも利益も増えて会社としては順調ですね、って言われても何も嬉しくないし、なんでこんなことやってんだろうと感じてて。自分は本来、表現で生きていきたかったのに、たまたま起業してそれがうまくいってしまったがために社長みたいなことやってて、全然自分が本来やりたいことじゃないことで成功しても嬉しくないんだなって思ったんです。
でも仲間もいるし、やり続けなきゃいけない中でやっていくと、もしかしたら僕は確かにキャンバスに油絵をぶつけるっていうか油絵具をぶつける形で表現は出来なかったけど、キザな言い方になっちゃいますけど、社会というキャンバスに対してビジネスという形でその表現をしてるんじゃないかって、そういう風に思ったら僕自身すごく楽になったんですね。
お前は表現者として落ちこぼれだみたいなことを言われている気持ちを抱えてたのが、僕が違う形で表現してんだって思うと僕自身、楽になったしそれ以降もそういう観点を持つようになったんですよ。
石川:いい言葉ですね。
家入:新しくサービスを作るときにただ面白いからとか、ただ自分がやってて面白いからとか、ワクワクするだけではダメで、社会っていうものもしかしたら課題とか色んなモノに対してそれを池に見立ててそこに石を投げる感覚を僕の中に持つようになったんですよね。池に石を投げるとすぐ波紋が起きるじゃないですか。その波紋が全く起きないモノを出すより、石を投げ込む以上は何かしらこうザワザワ波紋が起きるようなサービスを作り続けていきたいなと思ったし、それこそが僕にとって表現なんだなっていう感じで少しづつ意識が変わっていくきました。
その中で、例えばその中で東京都知事選に出るっていう行動もありましたし、それを通じて居場所を作る活動につながってたっていうのもあるし、ふとしたときに振り返るとその点はなんかちゃんと繋がっているというか、そんな感覚はすごくありますよね。
石川:ちょうどいま学生、3年生で2日前に会社登記をした子がいるんですけど
*会社登記とは、商号(社名)や本社所在地、代表者の氏名と住所、事業の目的など、取引上で重要な会社に関する事項を法務省の部局である法務局に登録し、一般に開示できるようにすることです。設立した会社の概要を一般に公表することで会社の信用維持を図るとともに、安心して取引できるようにすることを目的としています。
家入:うん
石川:当然、自分が表現したいものと、提供するものが100%マッチしてるっていうより、もちろん悩みながら進めていて。家入さんの話聞いてると一番最初からバチっと合っているというよりは、やっている中で、振り返って見える瞬間みたいなのが出てくるんじゃないかな、って感じました。
家入:確かに
石川:4年間で一部の学生が起業するというのは、すごく不安だと思うんですよ僕が学生だったら凄いなと思うんですよ。ぼくの学部時代はボンクラ学生だったので。
家入:フフフフ(笑)
石川:凄いなあと思いながら見てて、やっぱ不安になっている彼らを見たときにどういう言葉をかけてあげればいいのか、いまの話を聞いて悩んでいいじゃないっていうようなことをスッと言ってあげて欲しいなと思いました。
家入:そうですね
石川:しかし、先生って呼ばれるとまだやっぱ慣れないですよね正直(笑)
家入:わかりますわかります(笑)やめてくださいっていう気持ち(笑)
高校生に一言
-世界は思っているより広くて面白い人がたくさんいるってことを教えてあげたい
石川:これからクロステックデザインコースを知る高校生に向けて何か一言お願いします。
家入:不特定多数の顔が見えない方に対してメッセージってのが昔から苦手で、そういう時は、僕高校行ってないですけど、高校生の頃の年齢の僕に対して今の僕がタイムマシンに乗って、直接会いに行って今の僕が当時の僕に何を言ってあげたいかというところで考えてみました。
石川:なるほど、お願いします!
家入:
当時の高校生の頃の僕にいまの僕が言えることって、やはり世界は広いよ、ってことなんだと思うんですよね。当時の高校生の時の僕って引きこもってましたし、もう自分の人生はここで終わるんだぐらいの絶望を抱えていて、自分自身の可能性を自分自身で狭めてたと思うんです。
でもいまの僕はきっと当時の僕に対して直接会ったら、いや全然お前が思っている世界は広くておもろい人は世界にたくさん居るし、そういった人たちと会っていろんなことを学んでいろんなことを経験していろんなことを失敗して自分自身の世界を広げていけば、自分自身の行動によって自分の可能性は広がっていくし、最初の一歩を踏み出しさえすればどんどんどんどん視界は開けていくから、全然そんな中絶望する必要なんてないし、可能性は手のひらにもめちゃたくさん実はもう既に持っていてあとはそこから何を選ぶとっていくか次第なんだよってことを当時の僕には言いたいなと思っていて、それをそのまま皆さんにお伝えできれば良いなと思いました。
石川:素敵な言葉です、ありがとうございます!
家入:フフ(笑)こちらこそありがとうございます。
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■ 第4回に続く
テーマ:なめらかなお金 / 寄付 / アーティストと起業家の共通点
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次回はいよいよ
<オンラインで実施>体験授業型選抜Ⅰ期
エントリー受付
9/1(火)〜16(水)まで
A日程 9/19土 9/20日
B日程 9/21月 9/22火
実施方法完全オンラインで実施
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京都芸術大学クロステックデザインコース公式ページに授業内容の詳細を掲載中!
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