- 2021年7月21日
- 日常風景
批評とは?デザインチェアの批評に挑戦
こんにちは!
クロステックデザインコースです。
本日は、2,3年生を対象とした白石先生・中山先生の授業「メディア表現演習Ⅰ」をご紹介いたします!
アート表現として本格的に制作するというより、アートについて多角的なモノの見方・捉え方を養い、様々な表現方法を知ることで、どのように新たな価値を見出していくかということを学んでいきます。
身の回りの人や社会の課題を解決していくためには、その課題が何であるかを見つけ(観察力)、解決するための仕組みを新たに考え、様々な製品やサービスを提供する(発想力・企画力)ことが必要です。
現代の目まぐるしく変化する世の中では、こういった観察力や発想力は重要視されつつあります。
今回の授業は、アート・メディエーターとして活動されているはが みちこさんをゲスト講師としてお迎えしました。
はがさんは、『美術手帖』創刊70周年を記念して開催された「第16回芸術評論募集」にて、執筆された「『二人の耕平』における愛」が佳作に選ばれ、若手批評家としても注目されています。
そんなはがさんから「批評とは何か?」ということで、今回はアートを批評の観点から学んでいきます。
テレビなどでも〇〇批評家と見ることもありますし、美術館の展覧会の図録にも批評家の方の文章を見かけたりします。
そもそも「批評」とは、「根拠にもとづいた価値づけ」とされています。
単に「私はこう思います」という印象批評ではなく、作品に対して成功価値(作家がその作品によって何を達成したかに結びついている価値)を見出しロジカルに組み立て、批評していきます。
批評する際には、記述・分類・文脈づけ・解明・解釈・分析、これらに沿って5W1Hに注目し記述していきます。
また、産業革命前後にデザインの捉え方がどのように変化したか説明頂き、デザインチェアを参考に他大学の学生が批評した文を例に紹介くださいました。
「アカデミックに沿いながら、どのように批評の個性を出していくか挑戦できるのは、批評の面白さ」と話す はがさん。
はがさんがお世話になった先生からの受け売りとして、
「歴史からこぼれてしまった・見過ごされている価値を掘り起こし、歴史的な文脈に落とし込む。批評することは、言葉によってそのものの価値を取り戻し、守ることができる。」と批評することの重要性を教えてくださいました。
どのようなきっかけでこの道に入っていかれたのかという質問に対して、
「作品がうまく社会に伝達されていないと思い、『届ける』『つなぐ』『媒介する』ということが自分の役割かなと思う。」
世の中には様々な製品やサービスがたくさんありますが、言葉もひとつの道具として捉え、文章一本でも世の中に届けることができるということも大切なことですね。
はがさんのお話を踏まえて、今回は10点のデザインチェアの中から1点を選び、批評するということに学生は取り組んでみます。
それぞれ年代順に並んでおり、椅子によっては間隔を空けて置かれています。
これには世界第二次世界大戦中に作られていない期間があったなど、時代背景や流れを捉えています。
休み時間中に自分が気になる一脚を選んでみます。
▲座り心地いい~、私これにしよう!
▲白石先生から簡単に椅子の説明。
まずはスマートフォンなどで情報を検索せず、実際に椅子を触ったり座ったりしながら、その椅子がどういうものであるか実物と向き合ってみます。
形、大きさ、素材、座り心地、軽さ重さ、デザイナーはどういう思いで作ったか、座る人がどのように使うと考えられたのか、グループ内で様々な意見を出して共有していきます。
考えうる意見は出しつくした!と思っていても、違う方向から捉えるとまた異なる考えを発見することもあります。
より多角的な視点で観察することが必要になってきますね。
裏返すとどうでしょうか。
こういう使い方も考えられたかもしれないと、トントン相撲を試してみる学生。
新型コロナウイルスによってまだ入国できていない留学生ともzoomで繋ぎ、椅子から捉えられることを言葉にして共有しています。
次に情報解禁ということで、それぞれ椅子についての情報から、その椅子がどのような時代背景で作られたのか、同時代に起こった社会運動の影響は受けているものか、誰のために考えられたものなのか、そのモノの文脈やデザイナーの思い、当時の製造技術や工程などをリサーチしてみます。
そうすることで、始めにグループで出てきた意見と擦り合わせてみます。
「やっぱりそういうことか」「これはそういうことだったんだ」と知ることで、より深く向き合っている様子。
作り手の考え、使い手の考え、それが今でもどのように人々に届けられ使われているかということは、普段学生が取り組んでいるプロジェクトや製品・サービスにも同じようなことが言えます。
椅子の製造工程の映像があり、どのように作られているのか見ていたグループ。
授業の最後には、各椅子ごとにグループでどんな話し合いになったか共有しました。
授業後、自分が選んだ椅子の批評を800字にまとめるという課題が出されました。
はがさんから、「これはどうなっているのか、自分たちが気になったポイントを大切にしてほしい」と最後にアドバイスをくださいました。
自分が見つけた着眼点をキーに、まずは批評のアカデミックな「記述、分類、文脈づけ、解明、解釈、分析」に沿って取り組んでみましょう!
また随時、授業の様子をご紹介します!
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高校生のためのオンラインイベントとして、「クロステックデザインゼミ」を合計で5日間、開催いたします!
夏休み期間中に、19コースが様々な体験イベントを企画しています。(詳しくはこちら)
クロステックデザインコースでは、デザインやビジネス、テクノロジーなどを難しく考えず、教員と在学生と高校生・受験生がオンラインコミュニケーションツール(oVice)を活用して、身近な題材を例に挙げながら気軽に雑談のようなゼミを実施する予定です。
開催日程:7/16(金)、7/23(金)、8/13(金)、8/27(金)、9/3(金)
時 間 :毎回 19:00~20:00
全て参加いただく必要はありません。
ご自身の都合が良い日に、参加するだけでもOK!
申込はこちらから。
※7/4(日)の体験授業型オープンキャンパスにご参加下さった皆様へ
7/4(日)にお配りした「クロステックデザインゼミ」に関する紙に、表記のあるURLは別の新しいものに変更しております。
今回のクロステックデザインゼミに参加希望の方は、上記からお申し込みください。
開催前日に参加方法に関するメールをお送りしますので、そちらから進み、ご参加ください。
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また、「オンライン芸大Week-入試対策編」の日程も決定しました!
クロステックデザインコース
【日時】8月2日(月)18:00-18:30
【内容】体験授業型選抜の内容や入試までに今からできる準備について当日の授業を受け持つ先生がお話しします。また、配信中はみなさまからの質問も受け付けますので、この機会に気になることは何でも聞いてみてください。
申込はこちらからどうぞ。
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\\\ 次回オープンキャンパスのお知らせ ///
オープンキャンパスは、8/1(日)に開催です!
4月・6月開催のオープンキャンパス同様、クロステックデザインコースのブースにて、ワークショップも実施します。
入試も迫ってくる時期ですので、先生や学生に相談できる数少ないチャンスです。
前回、人が多くて、ワークショップに参加できなかったなという方もお待ちしております!
こちらの参加申し込みもお忘れなく!こちらからどうぞ。
少し気になるなという方は、過去のオープンキャンパスの様子をこちら(4月・6月)から見てみてくださいね!
それぞれのコースで本格的な授業を、実際に体験することができるまたとない機会です。
午前・午後の部と1日最大2コース(8/28,8/29の2日間は最大4コース)まで受講可能です。
クロステックデザインコースでは、「アイデアを企画→仕事に変える方法を教えます!」という体験授業を行います。
実際の入試に近い体験授業を行ないますので、体験授業型選抜入試(9月・10月)を検討されている方は、ぜひご参加ください。
定員制のため、事前予約の数には限りがあります。
お早めに予約をおすすめします!
皆様のご参加、お待ちしております!
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クロステックデザインコース 在学生へのインタビュー
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京都芸術大学クロステックデザインコース公式ページに、授業内容の詳細を掲載中!
ぜひそちらも覗いてみてくださいね!
クロステックデザインコースでの日々の授業風景、
イベント等はtwitterとInstagramで日々更新中です。
ぜひそちらもチェックしてみてください!
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