基礎美術コース

お茶碗づくりも、土の採集から ものづくりの本来の姿に迫る「茶陶」 【文芸表現 学科学生によるレポート】

違うジャンルを学んでいても、芸術大学でものづくりを楽しむ気持ちは同じ。このシリーズでは、美術工芸学科の授業に文芸表現学科の学生たちが潜入し、その魅力や「つくることのおもしろさ」に触れていきます。

 

文芸表現学科・2年生の出射優希です。
今回は基礎美術コースの授業、お茶碗を焼く「窯焚き」の現場を見せていただきました!
とっても暑い日だった上に、窯のそばはまるで火あぶりのように熱いのです……。
炎を映す目や、皆さんの真剣な横顔、とっても素敵でした。
日常にはなかなかない熱い体験をご覧ください。

 

 

●火の粉が飛び、つなぎ姿も精悍な「窯焚き」現場

 

今回見せていただいたのは2年生の「茶陶」。

その締めくくりにあたるのが、この日行われていた窯焚きでした。

 

歩くだけで汗が出るような気温の中、火傷防止のためつなぎ姿で作業する基礎美の皆さん。

文芸の私はつなぎにほとんど縁がないので、つなぎを着てシャキシャキ動いている学生を見ると思わず、「芸大生だ……」と感動してしまいます。

 

釜から火の粉が飛んで点々と穴が開いていたり、煤けていたり。

皆さんがものづくりと戦ってきたことが、つなぎひとつとってもよくわかります。

 

↑穴から一つずつお茶碗を入れ蓋をする 割れないように慎重に

 

●「基礎美」の学生たちには、縦の繋がりも生まれる

 

今回の窯焚きで使われた窯は、先輩方の制作したものなのだとか。

どの授業に伺っても、どの学年も、基礎美の皆さんは仲良しだなぁという印象でしたが、学年の中だけでなく、縦の繋がりも自然と生まれているのが素敵です。

 

↑歴代の窯が休憩スペースの隅にズラリ

 

 

●専門が細分化した今こそ原点に戻り、「なんでもやる」

 

焼き上がったお茶碗がこちら。

 

↑赤楽茶碗という種類 電動ろくろを使わない「手捻り」という手法が特徴的

 

 

ひとつのお茶碗を2時間程かけて制作し、今回はひとり4つ。

作り手の目指す方向が違えば、佇まいも違って見えます。

まるみが愛らしく見えるものもあれば、重々しくどしんと構えているように見えることもあって不思議です。

 

↑焼く前に「釉薬(ゆうやく)」をかけていく 白い釉薬が焼くと透明になる

 

このお茶碗、実は材料となる土のほとんどが、大学の建つ瓜生山の土なのです!

山の上の粘土質な土をそれぞれで採集するので、よ〜く見ると色が少しずつ違います。

ずっと昔の陶芸家は、土を集めるところからが仕事だったそうですが、今ではプロでも売られている土を使うのが一般的になっているそうです。

 

以前レポートした桐箱の授業でもそうでしたが、なるべく昔の、自然に近いやり方をなぞり、ものづくりの本来の姿に迫っていくのは、基礎美術コースのひとつの魅力ですね。

 

 

●自分に合うものづくりを見つける楽しさがある

 

自然と密接に繋がり、その移ろいに敏感であることは、芸術に携わる上で大切なように思います。

そう考えると、本学が山の中にあるのはごく自然なことなのかもしれません。

 

基礎美術コースの授業は「日本文化」を幅広く扱うのが特徴。

「いろいろな授業を通して、自分に合う分野を見つけていく楽しさがある」と語る学生の方もおられます。

 

陶芸という分野の中でも、今回のように体力のいる回もあれば、繊細に成形していく回もあり、改めて基礎美の振れ幅の広さを感じる授業風景でした。

●今回のお茶碗の詳しい工程は、以前のブログからもご覧になれます!

 

1「土の採集」

https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=127379

2・3「成形」

https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=127944

https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=127379

4「窯焚き」

https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=128855

 

 

 

取材記事の執筆者

文芸表現学科2年生

出射優希(いでい・ゆうき)

兵庫県立西宮北高校出身

 

1年生のとき、友人たちと共に、詩を立体的に触れることができる制作物にして展示した展覧会「ぼくのからだの中にはまだあのころの川が流れている」を開いた(バックス画材にて)。

自分のいる場所の外にいる人とつながるものづくりに、興味がある。また、「生きること」と直結したものとして「食べること」を捉え、それを言葉で表現している。

 

 

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