写真・映像コース

ひとつのイメージからはじまる旅 写真・映像コースの卒業制作展を覗いてみよう!【文芸表現 学科学生によるレポート】

違うジャンルを学んでいても、芸術大学でものづくりを楽しむ気持ちは同じ。このシリーズでは、さまざまな学科に文芸表現学科の学生たちが潜入し、その魅力や「つくることのおもしろさ」に触れていきます。

 

文芸表現学科・2年生の出射優希です。写真・映像コースの作品写真を撮る、こんなにドキドキすることはない!というくらいドキドキしながら、撮影したりお話をお聞きしていました。どのコースも、ぜひ実際に足を運んで実物を見ていただくのが一番の楽しみ方ですが、少しでも会場の雰囲気を画面越しに楽しんでいただけると嬉しいです。

 

写真・映像コースの卒業制作展は未来館にて展示中。

「写真」「映像」に加え、それらを用いて展開されるインスタレーションも多くありました。

↑大人と子どもの境界線を、「脱皮」という行為を通して探ろうとする作品

↑水中で、胸の内に秘めた言葉を、聞き取れない声として、外に出し記録した作品

↑女性の存在について、観る人に新しい視点をもたらしていた作品

↑自身の生活空間を再現し、客観的な視点を得ようとする作品

 

こんなふうに、小さな部屋がいくつもあり、個展のような雰囲気を楽しむことができます。

 

大きな部屋で複数人の写真作品が展示されている部屋では、それぞれの「写真」に対する接し方の違いがより強調されているように感じます。

 

↑写真を劣化させることで時間の経過を表し、花の本質を写真のなかで表現する作品

 

写真を撮る行為自体には、シャッターを切る瞬間に起こっていたことだけが記録されます。

ですが、その記録された瞬間を一つの起点とし、プリントされた作品を何度も見つめる時間が、一番長いのだそうです。

 

自分の頭のなかに元々ある体験や記憶という、別の点と結び合わせていくことで、はじめて作品になる。

その積み重なった「時間」や「思考」の厚みを、平面のなかに描きだしている作品を前にすると、つい立ち止まって何時間でも見てしまいそうになります。

 

↑日常でよく目にするデジタル機器の発した光をきっかけに、人の記憶を呼び起こす作品

↑水の入ったバケツやスピーカーのついた制御しづらい装置を、やっかいな他者と捉え、共に徘徊しようと試みた作品

↑スーパーで4年間働いた撮影者が、「食品ロス」について考えることで生まれた作品

 

 

はじまりがたったひとつの点だとしても、そこからどこまで遠くに旅をして、どこに帰ってくるのか。

現実とイメージのなかを撮影者が1人で歩き、時には這うようにして旅をした時間が含まれた作品郡をみていると、写真や映像の世界には、まだ自分が見えていなかったものがあるかもしれない、という可能性を感じます。

 

今回の卒業制作展も、終わりではなく何かのはじまりとして、観た人にひとつの点をもたらす場になっていました。

ぜひ会場に訪れて、あたらしい旅のはじまりに触れてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

▼美術工芸学科全6コースの卒業展を文芸表現学科学生がレポート!

日本画コース

油画コース

染織テキスタイルコース

総合造形コース

基礎美術コース

 

取材記事の執筆者

文芸表現学科2年生

出射優希(いでい・ゆうき)

兵庫県立西宮北高校出身

 

1年生のとき、友人たちと共に、詩を立体的に触れることができる制作物にして展示した展覧会「ぼくのからだの中にはまだあのころの川が流れている」を開いた(バックス画材にて)。

自分のいる場所の外にいる人とつながるものづくりに、興味がある。また、「生きること」と直結したものとして「食べること」を捉え、それを言葉で表現している。

 

 

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