文芸表現学科

中村ゼミ刊行誌『アンデパンダン』をご紹介します。【学生ブログライターによる執筆】

こんにちは、文芸表現学科です!

 

 

文芸表現学科で出版編集を学んでいる中村ゼミでは教員の中村純先生の指導のもと、文芸誌『アンデパンダン』が制作されています。

 

中村純先生についてはぜひこちらのブログをご覧ください。

https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=141229

 

今回は学生ブロガーであり、アンデパンダン編集部員でもある田原が1月に発刊されました『アンデパンダンvol.2』を紹介させていただきます。

 

 

「アンデパンダン」とは保守伝統に対する革新派・独立派をさす言葉です。「文芸×社会」をテーマに学生が中心となり、社会性や問題意識をもって企画を考えました。

 

第二号となる『アンデパンダンvol.2』では「ジェンダーを紐解く」「聴く・語る 叫ばれていた声に耳を澄ます」の2つを特集としてインタビュー、エッセイ、詩、小説、脚本、評論など様々な作品を掲載しました。

 

 

1つ目の特集「ジェンダーを紐解く」は昨今よく聞くようになった「ジェンダー」について様々な形でアプローチを行いました。

3年生の斎明寺藍未さんが執筆した「これからの、『自分らしさ』〜大学生のジェンダーに対する意識調査より〜」では大学生はジェンダーをどう認識しているのか、ジェンダーに興味をしめしているのかなど、120名以上の大学生にアンケートを実施し、リアルな声を集めていきました。大学生という若い世代が感じている性別による生き難さや、ジェンダーという言葉の意味を改めて見つめ直すきっかけとなるような記事です。

 

この特集では出版という媒体からジェンダーを発信している方々にお話しを伺いました。フェミニズム出版社「エトセトラブックス」の代表である松尾亜紀子さんや、沖縄で慰安婦にされた朝鮮人女性を描いた『翡翠色の海へうたう』を執筆した作家の深沢潮さんにインタビューを行いました。

また自身の経験をもとに男性が抱える加害者性と向き合った小説を執筆されている作家の大前粟生さん、無数の意味を社会に与えられた女性象を様々な媒体で解きほぐす作家の藤野可織さんにそれぞれが抱えるジェンダーについてエッセイを執筆していただきました。

 

2つ目の特集「聴く・語る 叫ばれていた声に耳を澄ます」で今生きてきた中で語りたくても耳を傾けてもらえかった言葉を当事者の言葉で語っていただきました。

3年生の山田凜さんの『二十八人も敵はいなかった、けれど二十人味方が足りなかった ──アレルギーの人に贈る、当事者からの言葉』では自身が悩まされ続けてきた食物アレルギーについて、無自覚的に傷つけられてきた思い出が赤裸々に語られています。

 

3年生の常光佐知香さんは社会問題になっている虐待について、ラジオドラマの脚本という形で執筆しました。このラジオドラマは常光佐知香さんを中心に中村ゼミの3年生、2年生が収録、編集を行い、実際にラジオで放送されました。アーカイブもあるのでぜひ、ご視聴ください。

 

ラジオドラマの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=137454

 

 

今回紹介したもの以外にも学生による小説や書評、論考など様々な記事が『アンデパンダンvol.2』には掲載されています。

わたしたちはこのアンデパンダンを通して出版がただの表現ではなく、ひとつの社会運動であり、社会と他者との関わりが自身の生き方を見つめなおすことにつながるということを知りました。わたしたちはまだ若く、社会も何も知りません。雑誌を作る過程で驚かされることも、無知を恥じることも幾度とありました。知っているからこの本を作ったのではなく、何も知らないからこそ、この雑誌を作りました。

わたしたちが知ることができた、語られなかった言葉をこの『アンデパンダン』を通して共有していただければ幸いです。

 

 

 

 

 

(学生ブログライター3年・田原瞬)

 

 

 

 

 

 

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