- 2022年10月27日
- ニュース
3年生・上村裕香さんの最新小説とエッセイが『小説新潮』2022年11月号に掲載されています!
こんにちは、文芸表現学科です!
今春、新潮社主催・第21回「女による女のためのR-18文学賞」での大賞受賞が、学科内でも学内でもビッグニュースとなり、瞬く間に名前が知れ渡った3年生・上村裕香さん。
さまざまなメディアでも取りあげられ、きっと人生でいちばん忙しく、緊張の日々が続く上半期になったのではないでしょうか。
受賞にまつわる紹介ブログなどもあわせてご覧ください!
KUA BLOG│2022年4月28日公開:3年生・上村裕香さんが第21回「女による女のためのR-18文学賞」にて大賞受賞&「小説新潮」5月号に作品が掲載されています!
KUA BLOG│2022年6月9日公開:3年生・上村裕香さんの「R-18文学賞」授賞式の様子をお届けします。
瓜生通信│2022年6月30日公開:R-18文学賞で大賞を受賞!小説家になる夢に向けて ― 文芸表現学科3年生・上村裕香さん:在学生からのメッセージ
そんな上村裕香さんの大賞受賞後第一作となる小説「美華とミカ」が、『小説新潮』2022年11月号に掲載されています!
本作の主人公・美華(みか)は、フリーライターとして働く24歳。雑誌のジェンダー平等特集記事の取材で、取材相手に「ミスキャンについて、どう思います?」と逆質問された彼女はこう答える。
「わたしってブスじゃないですか」「鼻は大きいし曲がってるし、アデノイド顔だし。重い一重で、皮膚も汚い。社会が変わっても、ブスなのって変わんないじゃないですか。ミスキャンだけなくなっても、わたしは別に美人になれるわけじゃないし」(本文より抜粋)
取材相手のジェンダー研究所の教授に「あなたはブスなんかじゃないよ」と言われ少しそれを信じても、ひとたび外に出れば、雑誌の立ち読みをしているだけでブスだとなじられ、取材対象者にも会った瞬間にぎょっとした顔をされる始末。
一縷の望みをかけて訪れた美容整形外科においてさえ、普通の顔になるためには莫大なお金が必要だと言われてしまう。
そんな彼女はある日、手当たり次第に登録したマッチングアプリで、「良心的な心優しいブサイクです」と自己紹介をする男性・平田に出会う。平田は誰が見ても一眼でわかるような「ブサイク」な男性だった──。
R-18文学賞受賞作「救われてんじゃねえよ」でも、圧倒的な文章力で読者を打ちつけた上村裕香さん。
今作では、美華や平田の顔を見たことがないはずの読者も、二人の人物が輪郭を持つような表現力までもが加わったように感じます。
残念ながら現在は完売してしまっていますが、受賞作掲載『小説新潮』2022年5月号をお持ちの方は、あわせてご覧いただくことで違った面白さがあるかもしれません。
また、同誌には、文学賞の副賞としてプレゼントされた二泊三日豪華旅行について綴られたエッセイ、「はじめての旅行 函館・青森紀行」も掲載されています。
大学生初期をコロナ禍のなかで過ごしてきた上村裕香さんにとって、はじめて且つスペシャルな旅行は、彼女の目にどう写ったのでしょうか。
こちらもあわせて、ぜひお買い求めのうえお楽しみください!
『小説新潮』2022年11月号掲載
上村裕香著「美華とミカ」
自分の容姿にコンプレックスを抱き、人との接触を避けて生きる美華。
なのに、マッチングアプリで「良心的な心優しいブサイクです」と自己紹介をする男性に出会い──。
第21回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞後第一作!(『小説新潮』2022年11月号本誌より抜粋)
「はじめての旅行 函館・青森紀行」
文学賞の副賞は2泊三日の豪華旅! コロナ禍で学生生活を送る新人作家、友人との道程で何が?(『小説新潮』2022年11月号本誌より抜粋)
著者:上村裕香(Twitter @kamimura_yutaka)ほか
出版社:新潮社
定価:1,000円(本体909円+税)
発売日:2022年10月21日(金)
新潮社『小説新潮』ホームページ:https://www.shinchosha.co.jp/shoushin/
(スタッフ・牧野)