文化財保存修復・歴史遺産コース

授業紹介 1回生「歴史遺産学基礎実習Ⅰ」

こんにちは。歴史遺産学科の副手です。

まだまだ寒い日が続きますね。みなさま、いかがお過ごしでしょうか?

 

 

さて、これから連続企画として歴史遺産学科教員の専門分野のご紹介と、

「歴史遺産学科での学び」をテーマに、学生がどのようなことを学んでいるのか、

13回にわたって順次ご紹介していきます!

1回目となる今回は、9月末から1月末にかけて1回生が取り組んできた「歴史遺産学基礎実習Ⅰ」の

授業の様子についてお届けいたします。

 

この授業は1回生にとって初めての実習授業で、文化財調査の基礎を学びます。

前期は京都の歴史や様々な文化財の基礎的な知識を深め、後期に実践的な文化財保存の実習に入ります。

古文書や掛軸、屏風等の取り扱い、瓦や土器等考古遺物の調査法について、

有形民俗文化財の取り扱いの基礎を学ぶ等、実習内容は様々です。

 

 

 

古文書や掛軸、屏風等の取扱いの実習では、グループで掛軸の調査をおこないます。

掛軸の取扱い方から学び、どのような素材が使われているのか、また、劣化や損傷について調書をとります。

 

1

 

じっくり観察し劣化や損傷の原因を考え、グループで話し合います。

 

 

 

2

 

そして話し合った内容を発表します。

観察したことや自分達で考えたこと等をまとめて発表すると同時に、他のグループの発表を聞くことで、

より考えが深まったようでした。

 

 

 

 

瓦や土器等考古遺物の調査法についての実習では、昔の貨幣や石造物の拓本をとります。

拓本とは、石に刻まれた文字や図柄、土器や金属の表面の模様など、錆や風化して読み取りにくくなったものを、

ものを傷めずに写し取る方法です。

 

3

 

紙を当て水で湿らせてはりつけ、墨を含ませたタンポで上から軽くたたいて文字や模様を写し取る「湿拓」と

呼ばれる方法でとります。

墨の濃さを調節しながら慎重にとります

 

 

4

 

文字や文様を読み取りやすく写すことはもちろん、墨を濃くする部分と薄くする部分を使い分け、

そのものの高低差を表現する力も求められます。

学生たちははじめは墨の濃さを調節するのに苦戦したり、線がつぶれてしまい、

模様を鮮明に写し取ることが難しい様子でしたが、やり方を工夫し、どんどん上達しているようでした。

 

 

 

民俗文化財の調査では、資料の実測をおこないます。

実測図の作成では鎌を対象としました。

 

5

 

長さを測りながら、正確に図を描いていきます。

見たままのものを描くことは難しく、皆その難しさを実感しているようでした。

 

 

 

このように1回生の後期では、前期に座学で学んだ内容から更に、身を以って体感し学んでいきます。

2回生では、1回生で学んだ基礎から更に広い範囲で保存修復実習を学びます。

 

みなさん、これからもひとつずつ着実に学んでいきましょう!

 

 

 

 

 

—-お知らせ————————————————————

京都造形芸術大学

卒業展/大学院修了展

 

【期間】2019年2/9(土)~2/17(日)

【時間】10:00~18:00 入退場自由 ※入場無料

【会場】京都造形芸術大学

歴史遺産学科展示:NA401教室

卒業展/大学院修了展の詳細はこちらから!

 

京都造形芸術大学

歴史遺産学科 卒業論文発表会

 

歴史文化領域≫ 2019/2/10(日) 10:00~

文化財保存修復領域≫ 2019/2/11(月祝) 10:00~

会場:京都造形芸術大学 人間館4階 NA403教室

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