クロステックデザインコース

クロステックデザイントーク #01

皆さんこんにちは!

本日より、「クロステックデザイントーク」を開催いたします!

 

クロステックデザイントークは教員やゲストと共にクロステックデザインコースの授業内容やイベントについて、ビジネス、デザイン、テクノロジー、アートのトピックスを織り交ぜながら、縦横無尽に話し合うトークセッション。

 

第1弾は2020年4月から共に、クロステックデザインコースに教員として着任した家入一真(客員教授)と石川琢也(専任講師)が2時間にわたる対談を実施。講師として感じたことを起業家であり投資家の目線から話していただきました。その様子を5回に分けてお送りいたします!

 

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ー大学で教えるということ

学校に行かず引きこもってインターネットと油画で過ごした10代、起業して約二十年。芸大の教員に。

 

石川:

最初の質問ですが、学生にとって大学で学ぶ意味についてお伺いしたいです。僕は家入さんの、リバ邸だったり、様々なプロジェクトを拝見している中で、居場所を作るということを色々とされていると考えています。それは、ある意味の”教育”をやられてるんじゃないかと思っているのですけど、家入さんがいま大学で教えることにどういう意味、または意気込みがあるか教えていただきたいです。

 

リバ邸についての注釈:

リバ邸

家入一真が立ち上げたシェアハウス。

「現代の駆け込み寺」をコンセプトに掲げて各地に展開しているシェアハウス。様々な価値観をもった若者が行き交うシェアハウスとして開放して、若者の「挑戦」や「夢」を応援している。

 

家入:

僕自身は学校に行ってないんですよ。

中2から学校行けてなくて、そのまま高校へ1回入学はしたんだけど、すぐに行けなくなっちゃって退学みたいな感じで、ほぼ10代は家の中で過ごすっていう。その間ずっとインターネットと、あと油絵をやってたので油絵とインターネットをずっと引きこもってやってたんです。で、そのあと20歳になって起業するという感じの人生を歩んでいるんです。なので僕自身が教えるとか教育を語れるほど、自分自身が教育を受けてきてないっていうのが前提にあるんですけど、僕にとって教えるって何か、色々経験しきて、それなりに年齢を重ねてきた人間がその若い世代に対して何ができるかっていうことを考えると、それが僕は教育だと思っているんです。それはきっと機会を与えていくことなんだろうなと思っていて、つまり小学校にしろ中学校にしろ高校にしろ大学にしろ変わらないと思っているんです。

 

石川:

うんうん

 

家入:

要はこんな考え方があるよとか、こういう生き方があるよとか、そういう様々な生き方をしたり考え方をしたり、こうしてきた人たちの事例みたいなものも含めてこんなカードがあるんだよってことを渡していく作業なんだと思っています。僕にもきっとそれなりにいろんなこと経験してきたっていうところから教育に関わっていけるっていう所があるんだろうなと思っていて、いまこうやって初めて大学で教えるっていうことをちょっと手探りながら始めさせてもらったっていう感じです。だから、僕からすると機会を与えていくのと同時に学生の方々は学校で何を学ぶのかっていうと自ら機会を作っていける力を手にしていくことってなんだろうなと思っています。

 

石川:

なるほどなるほど

 

家入:

僕が居場所を作っている活動、リバ邸っていう行き場のない学生が集まってシェアハウスで暮らすっていうのを、いま日本50箇所ぐらいあるんですが日本各地にあって、そこに本当学生が集まって共同生活をしながらいろんな活動してたり起業したりする子もいればそこでクリエーターとして活動してる方もいますし、いろんな子がいるんですけどそういった居場所を作るのもきっと居場所っていう場所を通じて機会を提供したいんだろうなそういう感覚はすごくありますね。

石川:

僕が家入さんの活動を見ている中で感じるひとつとして、例えば貧困について、貧困っていくとこまでいってしまうと機会そのものが失われてしまうことになり、自己責任というものでは抗えないものがあったりするときに、そういったもの・機会を用意してあげるということを感じています。根本にある自分で選択肢が最低限与えられる状態をや実際の場所やインターネットで作るのを、取り組まれているのかなって思います。

 

家入:

うんうんうん

 

石川:

ぼくも4月から教員になって、学生と実はまだ会ってないんですけど

 

家入:

うんうんうん、あーそっかそっかそっか

 

石川:

オンラインでしか会ってないんですけど、三年生だと自分でどういう道筋でいこうみたいなことがちょっとずつ見えてきてるとは思うんですけど、まだ1年生、高校生から上がってきたタイミングだとこれまでやっぱり正解のある教育みたいなのをやられている中で、急に大学で「好きなことやっていいよ」って言われて、ああ何したらいいかわかんないみたいな、ことはやっぱりある。そこでやっぱ面白い大人が周りにいるのは非常に良いことなのかのと思っています。

 

家入:

間違い無いですね、僕の凄い好きな言葉でリクルートの江副(えぞえ)さんの「自ら機会を作りその機会で自ら変える」っていう言葉があって、その言葉が凄い好きなんですよね。それを僕は居場所っていう言葉に置き換えてよく使ったりするんですけど、居場所を作っていく活動は僕自身も色々やってきたんですけど、居場所をただ作るだけでも限界があるんですよ。僕がリアルにその場所を作っていく、やっぱり長期で考えていくと何をすべきかっていうのは居場所を作るっていうことをこれからやっていくと思います。

 

石川:

そうですね

 

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家入:

 これらはライフワーク的にやっていくと思うんですけど、一方で自ら居場所を作っていける人たちを作っていかないと居場所って増えていかないなという、そういう感覚はすごくあります。ちょっとおこがましいですけど、そのカードを渡していくみたいな感覚で。その機会によっていま居る場所って人それぞれバラバラで生まれてきた場所も違えば国も違えば、豊かな人もいれば、貧しい家庭もあったり、様々な環境の中で不公平に不平等にこう育っていく訳ですけども。その中でも、より良い人生を送りたいと願う気持ちは誰しもが同じで。そこに対して僕らに何ができるのかってプラットフォーム(システムやサービス、土台や基盤などの環境)をやる立場として考えることはすごく多いです。そういったときにそれを手にしてじゃあ自らを変えることができた人たち、成功体験として持っている人は次の世代に今度はその機会を提供できる人たちになり得るはずなので、そうやってどんどんどんどん恩送りじゃないですけど、ギブアンドギブアンドギブアンドギブアンドで次の世代に渡っていくようなものが、きっと教育だったりするのかなっていう風に思いますね。

 

ー大学でたくさんの選択肢を手に入れてどれを選択するのかその期間であって欲しい

 

石川:

最初家入さんの最初に起業したのが本当に何歳のときでしたっけ

 

家入:

一番最初はそうですね、20歳とか21とかなので、そうですねもう20年ぐらいになりますね。

 

石川:

そういう面では家入さんの背中を見てきた学生じゃないですけど、実際に活動を行っている人が増えてきている肌感を感じています。一方で学生にとっていま大学で学ぶっていうのがどういう意味合いがあると思いますか?

 

家入:

まさに先ほど話したように学校も大学にも行ってないので、そんな人が大学とかについて語って良いのか、と今すごく思ってたりもするんですけど。かつてはこうだったみたいなものも、そういう語り方も苦手といえば苦手ではあるんですけど、間違いなく就職をすることが重要視された時代があった訳ですよね。就職することが親から高校行って大学行って就職するっていうのをすごく求められてたし、それに対して途中で学校行けなくなっちゃって、親に対して申し訳ないって気持ちが僕の中に当時は申し訳ないって気持ちがすごく後悔の念として、すごく強くあったので今でも覚えているんです。

 

石川:

うんうん

 

家入:

やはり親が子に願う気持ちっていうのは、きっと大学を出て就職しても本当に安泰な生活を送って欲しいっていう願う気持ちが大きくて、その気持ちは本当にわかるんですけど、一方で親が生きてきた時代とはもう時代背景がだいぶ違うんですよね。就職したからって一生安心かっていうと、もうそんなことは全然わからない時代になってて、それこそ昔から続いてきた上場してる大企業が海外の企業に買収されたりとか、倒産してしまったりとかするような時代なので、大企業に入ることが正解かって、本当にそれはもう僕もわかんないし、とりあえず大企業に就職しなよなんて無責任なアドバイスもしたくないし、出来なくなってきたなというのが正直思っているところなので。

 

石川:

そうですよね、ほんと正解を示すのが難しい

 

家入:

先ほどの話に繋がるんですけど、大学で何を学ぶのかって、もちろんそんなに就職を否定するつもりはないので、就職するってことも生きていく中ですごく大事な選択肢だと思うし否定とかするつもりはないんですけど、就職をする選択肢もある、例えば起業するっていう選択肢もある。例えば最近だとNPOとかNGOに就職をするっていう選択肢もある色んな選択肢がある中で、フリーランスとして生きていくとか色んな選択肢がありますよね。じゃあ自分はどういった選択肢を手にしていってどれを選択するのかっていう、その期間であって欲しいなと思うんです。そのためには色んな大人と触れ合ったり、こうぶっ飛んだ大人の人たちがたくさんこの大学の周辺にはいると思うので、教師の方々の周辺だったり。そういった人たちの話を聞いたり触れたり、一緒に物事を考えてみたりする中で色んな選択肢がいま自分の手元にあるんだってことをまず知って欲しいなっていう、大学ってそういう場所であって欲しいなってすごく思うんですよね。

 

石川:

変わった先生がいっぱいいる場所でそれを積極的に上手く使って欲しいですね!

 

 

 

まだまだたっぷり伺います。次回は我がコース、クロステックデザインコースについて!

創設されて三年目とまだまだ若いクロステックデザインコース家入さんから見た印象はどうだったのでしょうか。次回をお楽しみに!

 

 

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次回はいよいよ

<オンラインで実施>体験授業型選抜Ⅰ期

 

エントリー受付

9/1(火)〜16(水)まで

 

A日程  9/19土  9/20日

B日程  9/21月  9/22火

 

実施方法完全オンラインで実施

 

WEBエントリ―受付中!

 

 

京都芸術大学クロステックデザインコース公式ページに授業内容の詳細を掲載中!

ぜひそちらも覗いてみてくださいね!

 

 

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