- 2022年1月20日
- 日常風景
【メディア表現演習Ⅱ】キュレーターの仕事について
こんにちは。
クロステックデザインコースです!
今回は、白石先生・中山先生の「メディア表現演習Ⅱ」の授業にて、インディペンデント・キュレーター、グラフィックデザイナーとして活躍している堤 拓也さんをゲスト講師としてお迎えしました。
「メディア表現演習Ⅱ」授業にてゲストの方による前回の特別講義は、李 沙耶さんをお迎えしました。(ブログ記事はこちら)
インディペンデント・キュレーターの「インディペンデント」とは、美術館やアートセンターに所属していない、いわゆるフリーランスのキュレーターのことです。
今年開催される国際芸術祭「あいち2022」のキュレーターの一人として堤さんは選ばれており、その中の現代美術を担当されています。
また、山中Suplexという共同アトリエのプログラムディレクターでもあります。
今回の特別講義の前半は学生時代から何をしてきたか、後半はキュレーティングのお話をしていただきました。
堤さんは本学の情報デザイン学科の卒業生。
学生時代は、アルバイトする時間もないくらい課題だらけ。2年生の時に本学のウルトラファクトリーの起ち上げに関わることで、様々な経験をすることができたそうです。
堤さんの中で大きな2つの出来事があった大学4年生の時。
大原美術館にてアーティストの展覧会にまつわる印刷物全般を任せてもらったこと。
もう一つは、卒業制作展とともにARTZONEへ持ち込み企画として、初めてクラスメイト達の展覧会をキュレーションしたことでした。この2つがその後の進路を決定する非常に重要な出来事だったようです。
大学卒業後は、フリーランスとしてグラフィックデザインの仕事をしつつ、アーティストの作品制作アシスタントとしても活動し、数年後に当時大学付属施設であるARTZONEのディレクター兼キュレーターとして、展覧会やイベントを数多く手がけることとなります。
ARTZONEでは学生の企画もしつつ、堤さん自身の企画も実施しており、展覧会やイベントを合わせると合計で100本くらい実施していたとのこと。
さらには展覧会に関わるチラシやポスター制作、会場のサインなど、様々なデザインも手掛け、展覧会の空間内に見える全てのものを統一していくというグラフィックデザイナーとしての仕事も展開していきます。
堤さんの一つのモチベーションとしては、「展覧会という一過性のものをいかに残すか」ということをずっと考えているとのこと。キュレーションもしつつ、デザインをする堤さんのスタイルはここから始まっていたようです。
退職後は、エクスチェンジ・プログラムに誘われたことがきっかけとなり、ポーランドに住むこととなります。
ポーランドへ行く前に滞在したセブ島でのスパルタ英語学習のお話や、ポーランドでどのような体験をしたか沢山お話しいただきました。
帰国後、堤さんは2019年末頃から本格的に山中Suplexと関わることになります。
2020年のコロナ禍の中で、ドライブイン形式での展覧会「類比の鏡/The Analogical Mirrors」を開催したことで注目を集めました。
過去に瓜生通信でもご紹介した記事があります。(こちら)
ドライブインで実施するからこその問題点をひとつひとつ解決していく様子や、コロナ禍の状況での助成金の運用についてなどのお話もありました。
「誰もが自由に何かを見られるというのが公的空間ということ。
自分だけで占有せずに、誰かと一緒に共通の何かを見ることができる。そうすることによってお互いそのことに対して意見が言えたり、言われたり、新たなコミュニケーションが誘発されたりする。」
そのようなことが堤さんにとって、キュレーションをする上で非常に重要であるとお話しくださいました。
堤さん自身キュレーターやグラフィックデザイナーと名乗っていますが、実際にやっていることはアートディレクションから編集、相談、雑務も含んでいると言います。
企画した展覧会を本にまとめて出版したり、トークイベントに出たり、コーディネーターのような形でアーティストを支援することもしているそうです。
「一つだけに限らず、色んな事を肩書として加えていけるようになったらいいのかなと思う。」と堤さん。
キュレーションだけに限らず、協働者との関係性に応じて、都度臨機応変に対応されている姿に、堤さんの言葉が伝わってきます。
そして、国際芸術祭「あいち2022」のキュレーターの一人でもある堤さん。
どのような経緯で今回キュレーターとして選出されたのか、今年の芸術祭はどのような組織形態で運営されているのかなど、なかなか聴くことが出来ない貴重なお話もしていただきました。
国際芸術祭「あいち2022」は今年の夏、開催予定です!
どのような芸術祭になるのか、今からとても楽しみですね。
最後の方には、学生たちからの質問にもお答えいただきました。
今回堤さんには、学生から社会人になるにつれて、どういったことが自分のしている事のきっかけになったのか、国内外でどのようにサバイブしてきたかなど、泥臭いことまで包み隠さずお話しいただきました。
生きている中で一つ一つ小さなことを積み重ねることで、現在の活動に結びついていることが非常に伝わってくる特別講義でした。
学生にとってもこれからを考えていく上で、生き方はひとつではないと実感する内容だったと思います。
ありがとうございました!
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
卒展オープンキャンパス開催!
2021年度 京都芸術大学卒業展・大学院修了展が2月5日(土) ~ 2月13日(日)に開催。
その期間中の2/12(土)・2/13(日)の2日間にオープンキャンパスを実施します!
大学全体説明会を聞いて、気になるコースの卒業作品を見学することができます。
クロステックデザインコースは、今年の4年生が初めての卒業生。
それぞれ自分の興味のあることに取り組んでいる様子が見ることができるかと思います。
オープンキャンパスは、事前予約制・先着順です!
定員に達し次第受付終了となりますので、お早めにお申し込みください。
開催日時:2月5日(土) ~ 2月13日(日) 10:00~17:00
入退場 :事前予約制・入場無料(※在学生・教職員は予約不要)
会場 :京都芸術大学 京都・瓜生山キャンパス
事前予約には、「卒業展 一般来場予約」と「高校生・受験生対象 オープンキャンパス来場予約」の2つがあります。
予約の際には、お間違えのないようご注意ください。
<開催にあたって>
・卒業展のご来場には事前予約が必要です。
予約受付サイトは、卒業展・修了展公式サイトにて1月中旬以降に公開予定です。
・今後の状況によっては、開催内容の変更や開催中止となる場合がございます。最新の情報は卒業展・修了展公式サイトに掲載いたします。来場前に必ずご確認ください。
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
クロステックデザインコース 在学生へのインタビュー
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
京都芸術大学クロステックデザインコース公式ページに、授業内容の詳細を掲載中!
ぜひそちらも覗いてみてくださいね!
クロステックデザインコースでの日々の授業風景、
イベント等はtwitterとInstagramで日々更新中です。
ぜひそちらもチェックしてみてください!
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□