- 2022年8月4日
- 日常風景
【メディア表現演習Ⅰ】搬入プロジェクト in 京都芸術大学(後編)
こんにちは。
クロステックデザインコースです!
前回紹介しました授業・メディア表現演習Ⅰ「搬入プロジェクト(前半)」の様子に引き続き、作業準備から当日の様子をご紹介します。
▼前回のブログ記事(まだ見ていない方はこちらどうぞ!)
【メディア表現演習Ⅰ】搬入プロジェクト in 京都芸術大学(前編)
「搬入プロジェクト」とは、、、
パフォーマンス集団・悪魔のしるしが発案した演劇プロジェクトのひとつです。会場となる空間に「入らなそうでギリギリ入る物体」を設計・製作し、それを実際に人の力で運び込むというもの。演出家の危口 統之氏が逝去した後に、パブリックドメイン化が宣言されており、誰でも実施でき、改変することも可能とされました。
\\参考までに//
≪白石先生の寄稿文≫
パブリックドメイン化した作品の記憶 搬入プロジェクトから見える新しい記録の形 | +5
【搬入プロジェクト準備作業の様子】
今回、搬入プロジェクトの中で使われている工法のひとつ、「ビールケース工法」を用いて、物体を構成していきます。
持ち上げるとどこに負荷がかかりそうか、どのように固定していくかなど、1/20模型のスケールで考えるのではなく、ビールケースを仮で組み立てながら検討していきます。
学生たちが考えた物体の案から、今回採用されたのは、「でっけ~~~山」です。
山のように見えるかも形作りながら確認していきます。
白石先生がCAD(製品の設計や作図を3Dデータに作成するツール)を使って、ビールケースの組み立てを見ていました。
おおよそ決まってきたら、軽く固定して、どれくらいの規模感になるか実際に少し運んでみました。
なんとなく頭で想像しているだけでなく、実際に物体を持ち上げてみることで、学生たちはこれからどんなことに取り組むのかさらに実感が持てた様子。
(仮組みの状態)
さらに作業は進みます。
ビールケースとビールケースが重なっている箇所も連結させ、強度を強める必要があります。このケースとケースとの間に板材と角材で作られたパーツ、通称「サトルシステム」と呼ばれるものを組み込んでいきます。
搬入プロジェクトでは、過去関わった方々が工夫を凝らしながら考案し、引き継がれている方法がいくつもあります。
今回物体を作り上げていきながら、いくつかの方法を組み合わせつつ、今まで編み出されていなかった方法を新たに取り入れていました!
「でっけ~~~山」
ビールケースを固定し、形が出来上がりました。
ここからストレッチフィルムで覆いながら、全体を少しずつ固定していきます。
ストレッチフィルムの上から、カラーフィルムで覆っていきます。
搬入前日、3年生が看板を手作りしていました。
**
【いよいよ搬入プロジェクト当日】
授業前に事前準備を急ピッチで進めていきます!
いよいよ始めていきます!
今回は作り上げた物体の周りを囲んで、搬入プロジェクト恒例のラジオ体操から始まります。物体を取り囲んで、なんだか祀っているようにも見えますね。
スタート地点まで運ぶため、物体を一度三つに分けて、スタート地点付近で再度合体させます。
パーツを運ぶにもすでにぎりぎり。搬入プロジェクトは既に始まっているようでした。
その他必要なものもスタート地点へと運び、大移動です。
広めのスペースで分解したパーツを、もう一度合体させていきます。
サトルシステムを再びドライバーで留めて固定していきます。その姿はまさに業者さながら。
搬入プロジェクトに実際何度も関わってきた渡邉さんのアドバイスを聞きながら、直前まで様々な工夫を取り入れ、作り上げています。
途中で倒れないか・壊れないか、怪我や事故が起こらないよう念には念を入れながら全体をチェックしていきます。
かねこさんにも適宜アドバイスをいただきながら、最終調整。
再度合体するのに想定よりも時間がかかり、予定時刻をオーバー。
授業時間内に終えないと強制終了のため、丁寧に仕上げつつ急ぎます!
本番は暑い日でした。熱中症にも気を付けます!
\今回撮影班として協力してくれた3,4年生です!/
映像
三木 温人くん
石田 祥太郎くん(長野県赤穂高等学校出身)
写真
合田 直生さん(済美高等学校出身)
本格的な機材を使い、長時間重い機材を持ちながら、撮影してくれていました。
普段から撮影現場に携わっていることもあり、その姿はプロのよう!撮影してくれた映像も楽しみです!
いよいよ搬入プロジェクト、始まります!
スタート直前の様子
始まる前に渡邉さんから一言、「しんどくなったら、声を出して止めてください。誰でも止める権利があります。」
怪我や事故のないよう、注意しながら運んでいきましょう!
「でっけ~~~山」が階段を下っていきます。
急に物体が落ちないよう、白石先生が上から補助的に引っ張ってくれています。
天井あたりにも要注意です!
人間館のピロティに到着。一旦休憩です。
休憩しつつ、次は物体をどう運ぶのか、今回の「でっけ~~~山」を設計した荒木 桃香さん(神奈川県立追浜高等学校出身)が逐一指示を出していきます。
「でっけ~~~山」、望天館へ向かっていきます。
望天館前まで到着しました。ここから最終関門です。
模型でルートを録画していた以前の動画を見ながら、物体の動かし方を確認しています。
ここから山を回転させながら、搬入していく必要があります。
持ち手全員が物体の動かし方を把握するためにも、模型を使いながら共有しています。
実際にどのように動くか、どこに気をつけるべきか、確認して搬入に戻ります。
思いっきり持ち上げてしまうと天井に当たってしまうので、持ち上げすぎず、下を引きずらないようにみんな低い状態で持ち上げています。
自動扉、本当にぎりぎりです!
上下左右それぞれみながら、少しずつゆっくり入れていきます。
狭い場所ですが、物体を回転させながら、自動扉を超えていきます。
非常灯横の約1㎝ほどしかないギリギリなところを攻めていきます。
緊張のひととき!学生もその一点に集中します
最大の関門・自動扉を通り抜け、無事に望天館まで戻って来れました!
最後に物体を回転させ、元の位置に戻したら、搬入プロジェクト終了です。
お疲れ様でした!!!
搬入プロジェクトの演出を終え、みんなで山ポーズ
再度合体するのに時間がかかり、予定時刻を過ぎてのスタートでしたが、なんとか授業終了時刻と同時に、怪我や事故もなく無事に終えることが出来ました。
これを見ていた後輩たちも、これからどんな授業を受けられるのか楽しみにしている様子でした!
今回、この「メディア表現演習I」の前期最後の授業として、「作品に参加する」ということに学生たちは取り組みました。
おそらく実際に搬入プロジェクトが始まるまで、どんなことになるのか実感がなかった学生もいたはずです。
最初は学生のばらばらな様子にどうなることやらと少し心配でしたが、徐々に全体で一体感が生まれて、周りにいた人でもその変化が分かるほどでした。
授業を履修していない学生も徐々に参加し作品に関わっていくことで、自分ごとのように物体のルートを確認し、積極的に声を掛け動いている様子も見かけました。
全体で一体感が生まれていったのは、周りで見ている観客も含めて「作品に参加する」ことで、何か人の心が徐々に動いていったのだろうと思います。
人の心や行動を動かすのはなかなか難しいことです。
人の心を動かすために、まずは自分達の心を動かしていく必要があります。そのために自分には何ができるのか・どんなことがあるのかを知り、自ら行動していくこともまた必要です。
クロステックデザインコースの学生たちが授業などで取り組んでいる「企画」「プレゼン」「実装すること」などは、関わってくれる人・届けたい人の心を動かすことが必要だったりします。
自分の頭の中やPC上だけでなく、身体を伴った体験をどんどん増やしていくことで、新たなアイディアや企画などに結びついていくことでしょう。
今回の「搬入プロジェクト」がひとつのきっかけとして、今後学生たちの何かしらの糧になっていくことを期待しています!
ある空間に「入らなそうでギリギリ入る物体」を設計・製作し、搬入する様子を一種の「演劇」として提示する #搬入プロジェクト
徐々にチームがひとつにまとまり、素晴らしき上演に。たった2時間のことですが、ドラマチックで濃密な時間でした。それにしても、オンタイムでびっくり。@xtechdesign pic.twitter.com/ITOVCJzI65— 京都芸術大学 (@kua_pr) July 22, 2022
▼▼▼▼▼お知らせ▼▼▼▼▼
クロステックデザインコース
芸術大学の1年生が取り組む「地方創生」プロジェクトー熊本県天草市から活動ライブ中継(+体験授業型選抜の体験談)
芸術教育の社会実装を掲げる京都芸術大学が取り組む「地域課題」。
どのような課題に向き合って、どんな活動をして、どんなアイディアを生み出し、それを実際にどのように形にして行くのか。
つい数ヶ月前まで高校生だった1年生3名が、熊本県天草市のプロジェクトの現場から、吉田先生と一緒にお届けします。
1年前「体験授業型選抜」を受験した彼らから、入試選抜の体験談と入学後の前期期間の学びも語ってもらいます。
【開催日程】8/8 (月) 17:00~18:00(オンラインで実施)
現在進行中の取り組みについて、先生と学生から生の声が聞くことが出来ます。
クロステックデザインコース1年生が現在どんなことに向き合っているいるのか、学生の活動を知るチャンスです!
少しでも気になるという方は、ぜひご参加下さい!
お申し込みは、こちらからお待ちしております!
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
\\\\ 事前要申し込み ////
8/27(土)・28(日)のオープンキャンパスは、大学の各コースの本格的な授業を体験できる今年度最後のチャンスです!
普段のオープンキャンパスとは異なり、本格的な授業を受講できるのがこの「体験授業」。
一足先に芸大生になったつもりで、コースの授業を体験することができます。
日時:8/27(土)10:00~16:30
8/28(日)10:00~16:30
<体験授業>
午前 10:20-12:00
午後 13:30-15:10
► 1日最大2コースまで受講可能。
► 同一日程で、同じコースの授業を受講することはできません。
クロステックデザインコースでは、「誰かを笑顔にするアイデアを生み出す方法」というテーマで授業を行ないます!
▲前回(6月)の体験授業型オープンキャンパスの様子
どんな授業なんだろう?と思うかもしれませんが、授業を受けた後から自分の周りにあるモノの見方がガラリと変わって、どんどん面白いアイディアが浮かんでくるかもしれません。
実際に先生方が授業の中でコースの学生にも話している内容をされたりするので、学生たちが受けている授業のような時間になるかと思います!
ぜひ参加して体験してみて下さい!
▼前回(6月)の体験授業型オープンキャンパスの様子はこちら
【6/5(日)体験授業オープンキャンパス】「〇〇 to earn」のアイディアを考えてみよう!
体験授業型オープンキャンパスに参加される方は、事前予約が必要です!
各コース定員を設けていますので、早めに予約することをおすすめします!
👀注目!👀
4~9月のいずれかのオープンキャンパスに参加すると、2023年度入学試験「体験授業型選抜Ⅰ期・Ⅱ期」の検定料が20,000円免除されます!(35,000円→15,000円で出願可能)
※受験生本人の来場が必要です。
オープンキャンパスに参加される方は、ぜひこちらも要チェックです!
➡8/27(土)・28(日)体験入学オープンキャンパスの詳細はこちらから!
クロステックデザインコースの最新カリキュラムや進路について紹介|先生によるコース紹介動画2022
クロステックデザインコース 在学生へのインタビュー
京都芸術大学クロステックデザインコース公式ページに、授業内容の詳細を掲載中!
ぜひそちらも覗いてみてくださいね!
クロステックデザインコースでの日々の授業風景、
イベント等はtwitterとInstagramで日々更新中です。
ぜひそちらもチェックしてみてください!
クロステックデザインコースTwitter(@xtechdesign)