- 2023年12月6日
- 日常風景
【ソーシャルデザイン論】ゲスト講師:杉田 真理子さん
こんにちは。
クロステックデザインコースです!
石川先生の授業「ソーシャルデザイン論」では、3週にわたってゲスト講師の方をお迎えします。
「ソーシャルデザイン」とは文字通り、社会(ソーシャル)をデザインすること。社会全体に関わる様々な課題を解決し、よりよい社会を構築することであるとされています。
デザインする対象は、モノやコトだけではなく、“社会”であること。
その“社会”とは、教育、福祉、災害、産業など社会全体のことでもありますが、それらを形成しているのは生活している個人、つまりわたし達一人ひとりのことでもあります。
自分だけでは考えられない地球規模な課題についても、まずは「自分ごと」として受け止め考え始めることで、そこにある課題をどのように解決していくかというプロセスと思考力を、この授業では学んでいきます。
今年「ソーシャルデザイン論」の最初のゲストとして、都市体験のデザインスタジオ「for Cities」を手がける、杉田 真理子さんをゲスト講師としてお迎えし、特別講義をしていただきました。
杉田さんは建築と都市デザインの分野で、リサーチやキュレーション、執筆や編集、場のプロデュースなど国内外で幅広く、都市デザイナーとして活動をされています。5年前に拠点を京都に移し、年間の半分はは海外でリサーチや活動し、最近では多拠点にまつわる書籍にも執筆されています。
今回は、過去に行った様々なプロジェクトや今後の活動についてお話していただきました。
▲いただいた「for Cities」のステッカーもかわいい!
「for Cities」は東京と京都に拠点をもつデザインスタジオ。
都市“体験”のデザインスタジオとして、エクスペリエンスデザイン(体験デザイン)を中心に、都市における空間やその街に住む人たちがどんな体験・日常を過ごすのかということを考え、ハード面とソフト面を横断しながらデザインを行っています。
スタジオを立ち上げ当初は、コロナ禍であり、ネットワークを再定義のため、まずはオンラインプラットフォームとなる「for Cities」を始めました。
ここでは世界中の建築や都市にまつわる人たちが登録をし、都市デザインの手法やアイデアがポートフォリオのように見ることができます。現在、半年ほどの海外での活動はこの「for Cities」でのつながりから派生したものです。
口コミでどんどん広がっていき、英語で作られたサイトでもあるため海外からの登録者も非常に多いそうです。気になる方はこちらを一度覗いてみて下さい!
➡➡➡ for Cities
「for Cities」のサイトで作られたコミュニティから、Urbanist Schoolという一つのプロジェクトが始まりました。
現在、世の中は多様化し、課題はより複雑に絡み合うようになってきています。これからの都市の未来を考えていくためにも、様々に広がる分野を横断的に捉え、活動する「アーバニスト(Urbanist)=都市の暮らしを創造していく人」を育てる学びの場として展開されています。
Urbanist School #1 Tokyo Rhythm Analysis のワークショップ で使用されたスタディキット。
このスタディキットを持って街を歩きながら、都市に介入していくためのノウハウを誰でも学ぶことができるというもの。このようなまちづくりに関わるための学びのツールキットなども開発されています。
このワークショップでは、街の音のリズム、その種類や採集方法を学び、使ったフィールドワークでは実際に街のリズムを採集します。
めくっていくと、これを持って街へ飛び出したくなるような作りのキットになっていました!
他にも、今年ベトナム・ホーチミンで実施した、Urbanist Camp in ホーチミンについてもご紹介いただきました。
国内外から参加者を募り、約30名程でホーチミンに1ヶ月滞在し、フィールドリサーチから現地のクリエイティブスタジオやデザイナー・アーティストと繋がり、最後の1週間で展覧会を行うプロジェクトです。
まずは街を歩き、ホーチミンにあるエブリデイ・マテリアル(街の日常に広がる素材)をリサーチからリストアップ、その街特有のオブジェクトをひたすらかき集めます。最終的には地元のクリエイターたちとともに、展覧会会場を設計アウトプットを行いました。
https://youtu.be/a1GSbCfkq30?si=L8-0wRvT6f3PwFd1
“都市デザイン”と聞くと、ここに駅を作ります・こんな建物を作りますというようなものを想像するかもしれませんが、杉田さんの活動は主に、“場”を編集していくようなことだと言います。
生まれが宮城県・仙台の杉田さんにとって、東日本の震災には大きく影響を受けたそうです。
震災後、伊東豊雄さんなど世界的にも有名な建築家が中心となって被災地に建てた「みんなの家」。有名な建築家が作った建物であるのにどこか素朴な印象を受けた杉田さんはそこに注目してみました。
建築があることで何かが成立するだけではなく、そこにあるものと関わり合う人たちがいてコミュニティが生まれ、“場”というものが作られていくということに気づき、杉田さんにとってこのことが今の活動の原風景になったと話してくださいました。
都市やコミュニティを考えていく際に、今、既にあるものを起点に、それを読み替えたり/作り替えたり/集めて異なる意味を作ったり/繋げて新しい関係性を作ったり/都市というフィールドで新しい視点を提供するということを杉田さんは大切にしています。
都市と人、モノと人、コミュニティと自然など、
そこに広がっているものや見落としてしまうようなことにも気づき注目してみることで、どのような体験を生み出すことができるのか考える。さらに、そこに関わる様々な人によって新たなコトや人が交錯しつつ、最後に何かしらアウトプットをつくり提供する。それがまた世界のどこかと繋がって、、、と自身の活動を、“場”を編集していくようなことだと話した杉田さんの活動はとても興味深いものでした。
他にも、杉田さんが独立した際の話やクライアントワークとして生計を立てていること、一般社団法人のことなどについて、学生からの質問にも答えてお話しいただきました。
これからどんなことをやっていこうか考えている学生たちにとっても、非常に刺激的な時間でしたね。
また授業の様子をご紹介します!
お知らせ
高校2・1年生のための
これから自分はどんな進路に進んでいこうか探していたり、悩んでいる方。
高校2・1年生の方向けに体験入学オープンキャンパスを開催します!
体験授業:クロステックデザインコースの開催日 日
12/17(日)14:00〜15:40 各コース体験授業
12/23(土)14:00〜15:40 各コース体験授業
どちらの日程も、「人を笑顔にする企画を考える ―〇〇のためのお菓子の商品企画をしよう―」というテーマで体験授業を行います。
クロステックデザインコースってどんなコースだろう、何をしているんだろう、
何も調べていないけど行ってみようかな、という方でも大歓迎!
各コース体験授業は、事前予約制・先着順です!お早めにお申し込みください!
午前中からは大学全体説明やキャンパス見学ツアーもあります。
大学の中を実際に歩いてみて、自分が大学生になったつもりで、ぜひ参加してみてくださいね。
皆さまのお越しをお待ちしております~
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クロステックデザインコース 在学生へのインタビュー
京都芸術大学クロステックデザインコース公式ページに、授業内容の詳細を掲載中!
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