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【うにくえ後半】「面白さ」は文明の原動力。AIにはない予測不可能性

2025年10月1日

出版・メディア情報

前回の投稿の後編となるウェブメディア「うにくえ」。今回もコラムが掲載されましたのでお知らせいたします。

 

前半に引き続き、美学の視点から考えたAI時代における人間の価値はどこにあるのかを考えていきます。そして、「面白いこと」の意味はなにか?

 

こちらからご覧ください【「面白さ」は文明の原動力。AIにはない予測不可能性

 

 

うにくえ
この世界にわたしは一人しかいません。 顔も、性格も、好き嫌いも、大切なものも、まったく同じ人はいないはず。 なのに、 「もっと個性を出して」とか 「あなたらしさを見せて」なんて言われたかと思いきや、 「みんなと同じであること」を求められたり。 こせいって何なんだ…… 自分にはコセイがないんじゃないか…… そんなギモンをみなさんと一緒に考えたいと思って、 『うにくえ』はスタートしました。 さあ、個性をめぐる、ちょっとした冒険に出かけましょう。 あ、ちなみに『うにくえ』という名前。 海にいる、あのトゲトゲのやつとは関係ありません。 「Unique(唯一の)」をローマ字読みしたものなんですよ。 “個性的”でしょ?

「カントと現代アート」第7回 土曜の放課後2

第6回「カントと現代アート」

2025年9月27日

お知らせ

日程終了しました

9月27日(土)13:30より文哲研の共催セミナー「土曜の放課後2」の第7回目が開催されます。「土曜の放課後2」は全12回の連続セミナーとなっており、過去の哲学者や思想家に現代的なトピックを掛け合わせた講演を行っております。よろしければお申し込みの上、ご参加くださいませ。

 

 

第6回「カントと現代アート」

 

現代アートとは何でしょう。興味がないという人でも、漠然としたイメージは持っていると思います。そうでないと「興味がない」という反応すら起こらないでしょう。ましてや現代アートが「好き」あるいは「嫌い」という人は、もっとハッキリしたイメージを持っているでしょう。しかしここでは、興味がある/ない、好き/嫌いということはとりあえずカッコに入れて、そもそもなぜ「現代アート」のようなものがあるのか?という問題を考えることから始めてみたいと思います。

 

 現代アートがなぜあるのか?という問いは、より正確に言い換えれば、それはなぜ文化として成立しているのか?という問いです。興味がない、嫌いだという人でも、現代アートが文化として価値を認められている(芸術大学ではそれが教えられ、作品は美術館で展示され、市場で売買される)という事実は否定できません。この事実を作り出したのは、およそ19世紀後半以降、過去約150年間の歴史です。その期間に芸術の世界に生じた、モダニズムと前衛運動という出来事が、現代アートを産み出す直接の歴史的条件となっています。

 

 カント(1724-1804)は18世紀後半に活動した哲学者ですから、もちろんモダニズムも前衛も知りません。では彼の時代の「現代アート」──この言葉はもともと英語の”contemporary art”(同時代芸術)の訳ですから──はどうでしょう? 18世紀後半のアートは、ロココの美術やモーツァルトの音楽など、今の私たちにとっても馴染みのあるものですが、カントはそれらについてもよく知っていたという形跡がありません。嫌いだったわけではなく、たぶんあまり興味がなかったのだと思います。

 

 にもかかわらず、カントが1790年に出版した『判断力批判』という本で展開した美的判断についての考え方は、19世紀以降の芸術の変容について考える上でも、決定的に重要と考えられてきました。「批判(クリティーク)」という概念は、日本語では「批評」「評論」とも訳されますが、カントの「批判」は個々の作品や作家が良いとか悪いとか論じるものではなくて、そもそもそれが「なぜあるのか」つまり「芸術として成立するのか?」という条件を問うものです。つまりアートの内容ではなく形式に注目し、アート作品に限らず自然物も含めて、私たちが美的経験をするとき心の中にはそもそも何が起こっているのか?ということを考えました。

 

 こうした「カント美学」の観点から、私たちの時代の現代アートはどのように見えるのか、ということを考えてみたいと思います。
(吉岡 洋、哲学とアートのための12の対話 2025「土曜の放課後2」公式ページより引用)

 

 

※ 会場は、A会場(京都市立芸術大学 C棟3F 講義室7)です。
※ 今回は午後1時30分〜3時(受付開始:午後1時)の開催となります。

日程2025年9月27日
時間13:30 - 15:00
受付開始が13:00といつもより30分早まります
場所京都市立芸術大学 C棟3階「講義室7」(C-316)
費用講座参加費:1,000円/回(京都市立芸術大学、京都芸術大学の学生は参加費は無料です)、記録映像視聴:3,000円/10回(京都市立芸術大学、京都芸術大学の学生は無料です)
主催土曜の放課後・実行委員会 (植田憲司、吉冨真知子、谷本研、二瓶晃、由良泰人、大西宏志、安藤泰彦、小杉美穂子)
お問い合わせ公式ページ:https://yxy.kosugiando.art/
URLhttps://yxy.kosugiando.art/

【うにくえ前半】「AIが人間を代替する」は本当?フランケンシュタインから続く物語

2025年9月11日

出版・メディア情報

ウェブメディア「うにくえ」に吉岡洋先生のコラムが掲載されましたのでお知らせいたします。

 

AIは人間の生活を脅かす恐ろしいものなのか、あるいは誰よりも信頼できるものなのか、AIとは人間にとって何なのかを解説しています。今回はその前編となります。

 

【「AIが人間を代替する」は本当?フランケンシュタインから続く物語】

 

 

【うにくえ】
この世界にわたしは一人しかいません。 顔も、性格も、好き嫌いも、大切なものも、まったく同じ人はいないはず。 なのに、 「もっと個性を出して」とか 「あなたらしさを見せて」なんて言われたかと思いきや、 「みんなと同じであること」を求められたり。 こせいって何なんだ…… 自分にはコセイがないんじゃないか…… そんなギモンをみなさんと一緒に考えたいと思って、 『うにくえ』はスタートしました。 さあ、個性をめぐる、ちょっとした冒険に出かけましょう。 あ、ちなみに『うにくえ』という名前。 海にいる、あのトゲトゲのやつとは関係ありません。 「Unique(唯一の)」をローマ字読みしたものなんですよ。 “個性的”でしょ?

連載:自然と芸術「藍の學校・琉球篇を振り返る」雑誌モンキー10巻2号

2025年9月3日

お知らせ

雑誌「モンキー」10巻2号(公益財団法人日本モンキーセンター発行)が刊行されました。文明哲学研究所が担当する連載「自然と芸術」第35回は、梅崎由起子先生による「藍の學校・琉球篇を振り返る」です。デザイン工芸研究センターのプロジェクト「藍の學校」で産地である沖縄で琉球藍のフィールドワークを行いました。気になる方はぜひご一読ください。

 

雑誌「モンキー」 (ご購入、定期購読もこちらのページからお申込みいただけます)

 

雑誌モンキー2025年9月

 

 

【雑誌「モンキー」】
モンキーセンター創立翌年の1957年から、霊長類学の魅力を多くの方に伝えてきた雑誌「モンキー」。
一時休刊していましたが、2016年の創立60周年を記念し、装いも新たに再スタートしました。

 

【日本モンキーセンター】
公益財団法人日本モンキーセンターが運営する、世界屈指のサル類動物園です。
霊長類の飼育展示種数は、50種以上約700頭と世界最多!!
霊長類の特徴を活かした展示やガイド&イベント、キュレーターによる
博物館活動など、一味ちがった動物園をお楽しみください。

 

 

【藍の學校】

受け継ぐ、伝える、伝統文化を未来へ生かす
これからの作家、アートマネジメントを行う人材には『環境に配慮した持続可能な物作りの思考』が資質として不可欠です。工芸は長い年月をかけてその地域に最適化された歴史を持ち、環境に対する配慮や多様な生物との共存への試みの蓄積があります。それらを文化、技術、科学などさまざまな視点から改めて捉え直すことで『環境に配慮した持続可能なものづくりの思考』を抽出できると考えました。世界各地で文化を形成している「藍」を通して工芸の文化を再考し、日本の工芸から世界の工芸へと視点を移しながら現代社会に求められている新しい思考を見出します。

夏の香りがする庭~瓜生山の恵み~

2025年8月25日

お知らせ

また瓜生山荘の庭に夏にさわやかさを運ぶ実がなっていました。

 

 

 

 

 

おそらくこの柑橘系の実はカボスようです。よく見ると表面には独特の凹凸があり、秋に向けて成長を続ける若実ですね。その爽やかな香りとキリッとした酸味が、焼き魚や鍋料理など、様々な日本の食文化を彩ってきた身近な夏の恵みです。

 

通路の横にあるので、毎日その横を歩くたびに成長を観察できるのはちょっとした楽しみになっています。

 

文明哲学研究所の庭ということもあり、こうした自然の移ろいを眺めながら静かに思索するのも面白いかもしれませんね。

文明哲学研究所

2015年度以前