- 2022年12月23日
- 日常風景
【ソーシャルデザイン論】ゲスト講師:安澤 太郎さん
こんにちは。
クロステックデザインコースです!
石川先生の授業「ソーシャルデザイン論」では3週にわたってゲスト講師の方をお迎えしております。
●前回の特別講義の様子●
1回目:【ソーシャルデザイン論】ゲスト講師:USHIO CHOCOLATL 中村 真也さん
ラストの第3回目は、安澤 太郎さんをゲスト講師としてお迎えし、特別講義をしていただきました。
これまでの活動と、現在どんなことに取り組んでいるのか、特別講義の中でお話しいただきました!
安澤さんは、長野県木曽郡木祖村にて2006年から開催された野外音楽フェス「TAICOCLUB (タイコクラブ)」の立ち上げメンバーとして13年間にわたり携わりました。
TAICOCLUBでは、サカナクションやスチャダラパーなどの国内アーティストに限らず海外からも著名なアーティストが多く参加し、1万人も動員するほどの本格的なフェスまでに成長しました。
実際にお客さんを入れたフェスの様子が、映画『モテキ』のシーンの一部として登場するなど、音楽に限らず様々なカルチャーへ影響を与えてきました。
そんなTAICOCLUBを最初に立ち上げた時のエピソードなども話して下さいました。
他の取り組みとしても、「SOUND TRIP」という京都にあるいくつかのお寺に常設しているプロジェクトにも関わっています。このプロジェクトは、様々なアーティストがその地で拾った音や関わりのある音を使い、そこでしか聴くことができない音楽を体験することができるというもの。
また、ホテルの建設予定前の建物内でのアート作品の展示「TACKING CITY NIHONBASHI」や、ピューロランドにて一夜限り開催した「Pink sensation」、映画『戦慄せしめよ』など、様々なプロジェクトやイベントにも安澤さんは携わってきました。
様々なことを取り組んできた安澤さんの現在は、
「作り手を支援する」 「文化を思考する」 「作品を制作する」
という3つの軸を起点に様々なことに関わっているそうです。
まず、「作り手を支援する」という軸。
MONOW(モノー)という、千葉県北部にある広大な場所を借りて、アーティストやクリエイター、何か広い場所を使いたい人たちをサポートする場所を作っています。(2023年春ごろにオープン予定)
これまで安澤さんが行ってきた音楽フェスは、設営なども含めて数日間のうちに、作っては壊してを繰り返すもの。
何かしら積みあがっていくものもあるが、場所を持っていないからこそ場所に還元できていない、土地に文化が根付いていないのではないかと思うようになったと言います。
「長い間、積み上げていくものをつくりたい。そういうものが作りやすい環境をつくりたい。」という思いが、この「MONOW」を始めるきっかけになったそうです。
安澤さん自身がこの場で何かつくるというよりは、そこに様々なアーティストに入ってもらい、自由に作ってもらう。または、街や企業からこうしていきたいということを聞き一緒に考え、協力しながら、収益を上げ、その収益の一部を還元しつつ、人が楽しく過ごしたり、自由に表現できる場・環境を構築しようとしています。
MONOWでは、アーティストが制作したものを常設としてその場所にどんどん蓄積していき、今後はアーティスト・イン・レジデンスも兼ねた仕組みも作っていく予定だそうです。
場所を使いたい人、これからスタートしたい人などの作り手を支援する仕組みをつくる。何かやりたい人が集まって、何度も繰り返し来てもらえるような場所をつくろうとしています。
外から来た人たちが何か新しいことをするだけではなく、元々いた周りの企業や街の人たちを巻き込みながら新たな街づくりの形となり得るかもしれませんね。
次に「文化を思考する」という2つ目の軸。
「Cultars(カルタス)」という一般社団法人を立ち上げ、こちらはまだスタートしたばかり。
あなたが思う「文化」とは何ですか、と問われると、みんなそれぞれが思い描く「文化」は違うでしょう。
そもそも「文化」とは何か、どういうものなのか、もう少し考えてみようというところからスタートしているそうです。
なぜ文化を考えることが今後大事になってくるかというと、これからの世の中はどんどん最新技術やテクノロジーが発展していき、様々なものが自動化され、さらに便利な世の中になると予想されます。
そうなると近い将来、人が働く部分というのは今よりももっと限られてくるという未来になるかと思います。
「文化」についてそれがどういうものなのか、物事がある根っこの部分から考える人がいなければ、世の中に新しいものはなかなか出てこないし、新しいことはできないだろうと安澤さんは言います。
そこで「Cultars(カルタス)」はまず、「企業がそうした文化をつくっているのではないか」という仮説を立て、様々な企業にリサーチやインタビューなどを行っています。
会社でいくら売り上げたという数字で個人や会社全体が評価されるだけではなく、どういった活動をして文化に貢献しているのか、芸術的視点からどう評価していくかという仕組みをつくり、世の中に新たに投げかけようとしています。
そして、最後3つ目の軸として、「作品を制作する」。
安澤さんは他のアーティストの活動をサポートもしているそうです。
前回、ゲスト講師で来られた片野 晃輔さんも関わっていた「セカイは微生物に満ちている」展で、別アーティストの作品の手伝いもしていたそうです。
安澤さんが行ってきたこれまでのこと・現在活動されていることについて、様々なところでディレクターなどもしている石川先生にとっても、活動や考え方、立ち回りなどを踏まえて安澤さんに非常に近いものを感じるそうです。
これまでのキャリアや現在取り組んでいることから、クロステックデザインコースが目指すひとつとして安澤さんのような人がモデルであると、石川先生は言います。
クロステックデザインコースの学生としても、卒業後には裏方に徹する人もいれば、作品を作る・アートに関わる人・自身が何かしらプレイヤーとして活躍する人、または企画やビジネスの方面に携わっていく人もいるかもしれません。
そのどれかに偏っていくというよりも、クロステックデザインコースの授業や取り組みを通して、今後色んな人の立場を考えることができるような人、様々な取り組みができるようなバランスの良さも今後世の中で生きていく上では必要になるだろうと思います。
「最初からこの3つの軸を意識して動いていたわけではなく、様々なことをやっていく中で、現在のこのような軸になっていった。「TAICOCLUB 」を終えて、「MONOW」が動き始めた後、文化を思考するということを考え始めて動いてみた。そしたら、作品を作ってみないかと声を掛けられるようになった。
手を動かして、自分で行動を起こしていると、けっこう周りから色んな話をくれたりする。
何かをやる時にはどれかに限定しなくてもいい。どう続けていくかも考えながらやりたいことを探してみて。」
と安澤さんはこの授業を受講している主に1年生たちへ向けて、今後のためを思ったお話を沢山して下さいました。
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「ソーシャルデザイン論」では3回にわたってゲスト講師をお迎えして、特別講義をしていただきました。
それぞれのバックグラウンドやものの見方、これまでの歩み方のお話を沢山聞くことができました。
それぞれのゲスト講師のお話にもあったように、学生たちにとって日々目の前に取り組んでいることが、今後の自分の進んでいく道を作っていくこともあるだろうと思います。それがいつかこの社会をデザインしていくことに繋がっていくかもしれませんね。
また随時、他の授業の様子もご紹介いたします!
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