2021.06.30

【文哲研】芸術研究の世界#1『不気味の谷』を超える復顔法の研究  開催のお知らせ

7月7日(水)18:30より、文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界」第1回を開催します。

このセミナーは、一か月に一、二回の頻度で実施します。
セミナーの講師は、文部科学省科学研究費(通称:科研費)の研究代表者である、11名の本学教員です。
科研費は、人文・社会科学から自然科学まで、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として国から支給される研究費で、
厳正な審査を経て採択され、数年間、申請した研究計画に沿って研究に取り組み、その成果を公表します。

オンラインセミナー「芸術研究の世界」では、本学の教員が現在取り組んでいる芸術研究について、その研究を発想した経緯や研究の面白さ、難しさなども含めて存分に語っていただきます。
セミナーでの質疑を通して、参加者の皆さんとともに、芸術研究の奥行きと拡がりに触れる機会となることを願っています。

芸術研究の世界#1
「『不気味の谷』を超える復顔法の研究」
講演者:戸坂明日香(文明哲学研究所/准教授)

日時:2021年7月7日(水)18:30-20:00

対象:京都芸術大学教職員、学生

費用:無料

申込み:https://forms.gle/wqwYPs9U49LfjAh76

*お申込み受付け後、自動返信メールにてzoom ID、パスコードをお知らせいたします

*この講演は、テキスト化、youtube等での映像公開をする場合がございます

【講演概要】
人間の頭蓋骨を元に生前の顔を復元することを「復顔」と言います。
私は本学に勤務するまでの間は研究者ではなく、復顔師として復顔制作に携わってきました。
これまでは骨の写真を元に生前の顔を描く「描画法」や、頭蓋骨の模型に直接粘土を張り付けていく「粘土法」を中心に行ってきましたが、今年度よりコンピューターを用いた復顔法の研究に着手しています。

本講演では私がこの研究に至るまでの経緯やこれまでの復顔作品、前職と復顔との関りなどを踏まえながら自身の研究内容についてお話したいと思います。

【講師略歴】
戸坂明日香(とさか・あすか)
2012年東京藝術大学大学院博士後期課程を修了。
「日本人女性の三次元復顔法-寛永寺谷中徳川霊園墓所出土大奥女性の復顔-」で博士号(美術)を取得。
日本科学未来館(科学コミュニケーター)、株式会社A-Lab(アンドロイドデザイナー)の勤務経験を経て、2020年7月より本学の文明哲学研究所に勤務。
これまでに古代人から現代人を対象とした復顔像や復元画を制作し博物館や科学館などで展示している。

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【今後の予定】 (タイトルは科研の採択課題です。講演内容は追ってご連絡します)

7月7日 戸坂明日香 「不気味の谷」を超える復顔法の研究
8月4日 三上美和 近代日本画の歴史的展開の究明ー日本画家荒井寛方の生涯と作品を手掛かりに
9月1日 上村博 芸術活動における「地方色」の受容と創出
10月6日 牛田あや美 日本統治下の漫画家・北宏二/金龍煥の懸隔
11月3日 天野文雄 アジアの舞台芸術創造における国際的な「ラボラトリー機能」の実践的研究
12月1日 河上眞理 〈美術建築〉の観点から見た明治期における家屋装飾の歴史的位置づけに関する研究
1月12日 町田香 『四親王家実録』を中心とした近世四親王家の生活環境に関する復元的研究
1月19日 齋藤亜矢 描画のプロセスにおける想像と創造の関わりの検証
2月2日 増渕麻里耶 希土類元素に着目した古代鉄製品の非破壊製作地推定法の開発
3月2日 森田都紀 日本の芸能「能」の演奏技法の伝承過程に関する歴史的研究‐能管を中心に‐

※日程は講師の都合等で変更の可能性があります。