2023.07.04

【ICA京都 展覧会のお知らせ】特別研究員 川松康徳氏 成果展、トークイベントのご案内

大学院附置機関 ICA京都 特別研究員 川松康徳氏の成果展、トークイベントを開催いたします!

この展覧会は、ICA京都の特別研究員である川松康徳が、京都でのリサーチ活動をベースに制作した作品による成果報告となる展覧会です。

川松は近年アイデンティティに葛藤を抱える人々との協働をベースとした作品を手掛けてきました。主に海外での滞在制作において、移民あるいはマイノリティと言われる人々へのインタビューを通じて、語られた記憶で展開されるイメージや記号、ジェスチャーやメタファーを追跡し、新しい物語を描いていきます。それは記憶によるアイデンティティの分有可能性を模索するとともに「他者の中に開かれる自己」を目指すものです。

2022年からは、そのポスト・ドキュメンタリー的方法と並行して、シミュレーテッド・ドキュメンタリーと自ら称する方法を実践しています。そこでは少し歪な架空の世界を設定し、その中で起こる様々な事象を、研究者や専門家と対話を行いながら、主人公の意識の流れを記述する物語と、そこで登場する事物と物語のテキストによるインスタレーションが展開されます。

今回の「36/サブロー」では、多様性が維持される社会を想定しながら、多様であるために生み出される新しい制度としての食育、そしてその素材となるプロテイン:大豆の植生をモチーフに、食育によって作られた多様な身体に紐づけられたアイデンティティは、身体が一種の制度となって規定され、存在が誘導されていく物語が展開されます。そこでマイノリティとなった36が、どのように制度から逃走し、主体的な身体を取り戻そうとするのかが描かれます。

「36(サブロー)」の物語を、ぜひ展覧会場にてご体感ください!

ICA京都 特別研究員 川松康徳氏 成果展
「36/サブロー」 

◉展覧会
「36/サブロー」
会期:2023年7月5日(水)-9日(日)13:00-19:00
開催場所:人間館1階 ラウンジ

◉トークイベント 
「協働:ポスト・ドキュメンタリーの苦難/80’sの私と、36ができるまで」
開催日:2023年7月8日(土) 14:00-15:00(予定)
開催場所:人間館地下1階 映像ホール
聞き手:安河内 宏法 (京都芸術センター・プログラムディレクター)
入場 :無料 
事前申し込み:Google フォームからお申込みください。