2021.09.22

【文哲研】芸術研究の世界#5 開催のお知らせ

10月6日(水)18:30より、文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界#5 謎のマンガ家-戦中の人気挿絵家・北宏二と韓国マンガの父・金龍煥-」を開催します。
このセミナーは、一か月に一、二回の頻度で、実施します。
セミナーの講師は、文部科学省科学研究費(通称:科研費)の研究代表者である、11名の本学教員です。
科研費は、人文・社会科学から自然科学まで、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として国から支給される研究費で、
厳正な審査を経て採択され、数年間、申請した研究計画に沿って研究に取り組み、その成果を公表します。

オンラインセミナー「芸術研究の世界」では、本学の教員が現在取り組んでいる芸術研究について、
その研究を発想した経緯や研究の面白さ、難しさなども含めて存分に語っていただきます。
セミナーでの質疑を通して、参加者の皆さんとともに、芸術研究の奥行きと拡がりに触れる機会となることを願っています。

芸術研究の世界#5 「謎のマンガ家-戦中の人気挿絵家・北宏二と韓国マンガの父・金龍煥-」」
講演者:牛田あや美(文明哲学研究所 准教授)

日時:2021年10月6日(水)18:30-20:00
対象:京都芸術大学教職員、学生
費用:無料
申込み:https://forms.gle/TCzq6G3iCTHzQKZeA

*お申込み受付け後、自動返信メールにてzoom ID、パスコードをお知らせいたします
*この講演は、テキスト化、youtube等での映像公開をする場合がございます
*講演の撮影・録音・録画・ダウンロード、リンクの拡散等はなさらないようお願いいたします

【講演概要】
北宏二というマンガ家を知っていますか。
彼は絵画を学びに戦前の日本へと留学にきました。そして当時の大人気少年誌『日本少年』『少年倶楽部』で挿絵を描いていました。
戦後は朝鮮で初めての職業マンガ家として活躍し、多くの新聞、雑誌で連載を持っていました。
朝鮮戦争を挟みこの謎のマンガ家は韓国、北朝鮮の新聞や雑誌でも描いていました。
1959年、アメリカ軍が発刊していた雑誌『自由の友』が日本で印刷されていたことから日本に戻ってきます。
日本に戻ってからも筆の力は衰えず、戦前に活躍していた『少年クラブ』に戻り、最終刊の最期のページを飾りました。また『週刊少年マガジン』にも描いています。
戦前戦後における国交のない時代の越境した活躍を中心に、ベールに包まれた謎のマンガ家の作品を繙きます。

【講師略歴】
牛田あや美(うしだ・あやみ)
トロント大学留学を経て、2006年日本大学大学院芸術学研究科芸術専攻博士後期課程修了。博士(芸術学)。
日本大学芸術学部オープン・リサーチ・センター整備事業ポスト・ドクター、日本大学芸術学部非常勤講師を経て、現職。
単著に『ATG映画+新宿 都市空間の映画たち!』(2007年D文学研究会)、共著に『横溝正史研究2-特集・ビジュアライズ横溝正史ミステリー』(2010年戎光祥出版)
『아시아 영화의 오늘 – 아시아 영화 미학과 산업 – (アジア映画の今-アジア映画美学と産業)』(2012年한울아카데미(ハヌルアカデミ))
『メディア文化論』(2013年ナカニシヤ出版)『メディア活用能力とコミュニケーション』(2016年大学図書出版)他。

【今後の予定】 (タイトルは科研の採択課題です。講演内容は追ってご連絡します)
11月3日 天野文雄 アジアの舞台芸術創造における国際的な「ラボラトリー機能」の実践的研究
12月1日 河上眞理  〈美術建築〉の観点から見た明治期における家屋装飾の歴史的位置づけに関する研究
1月12日 町田香  『四親王家実録』を中心とした近世四親王家の生活環境に関する復元的研究
1月19日 齋藤亜矢 描画のプロセスにおける想像と創造の関わりの検証
2月2日 増渕麻里耶 希土類元素に着目した古代鉄製品の非破壊製作地推定法の開発
3月2日 森田都紀 日本の芸能「能」の演奏技法の伝承過程に関する歴史的研究‐能管を中心に‐

※日程は講師の都合等で変更の可能性があります