2021年11月1日
お知らせ
社団法人韓国漫画ウェブトゥン学会の秋国際学術大会(2021年10月15日開催)理論部門で、牛田あや美准教授がベストアカデミックアワードを受賞されました。
*10月15日開催 秋国際学術大会の様子(慶南ウェブトゥンキャンパス)
http://coweko.kr/bbs/board.php?bo_table=conference&wr_id=12
2021年10月26日
アクティビティ
日程終了しました
11月8日(月)15日(月)22日(月)の3日間、学内教職員・学生対象のオンラインセミナー文哲研3days#3「美学ー自然と文明を往来する思考」を開催します。
昨年度開催の3days#2「潜在するアート」に引き続き、吉岡洋先生(京都大学こころの未来研究センター特定教授)にたっぷり3日間、ご講演いただきます。
文哲研3days#3「美学ー自然と文明を往来する思考」
講演者:吉岡洋(京都大学こころの未来研究センター特定教授・文明哲学研究所客員教授)
【講演日程】
①2021年11月8日(月) 18:30-20:00 「山と森、ひるねするたぬき」
②2021年11月15日(月) 18:30-20:00 「性愛の力、春画からボノボまで」
③2021年11月22日(月) 18:30-20:00 「ファルマコン、両義性の思考」
【講演概要】
①2021年11月8日(月) 18:30-20:00 「山と森、ひるねするたぬき」
美学的な考え方とは、そもそもどういうものか。もちろん美学を近代思想(とりわけ19世紀ヨーロッパ)に発するものとして定義することはできます。けれどもぼくは、近代西洋思想に刺激を受けつつも、美学をより広く「自然と文明との間を往来する思考」として考えてみたい。そのきっかけとして山や森について、柳田国男の『山の人生』や川端康成の『山の音』を参照しながら考察したいと思います。また、最近動画を配信しているYouTubeのチャンネルは「ひるねのたぬき」というのですが、なぜぼくにとってたぬきは特別な存在なのか、自然と文明とを行き来する存在としてのたぬきという視点から考えてみます。
*YouTube「ひるねのたぬき」 https://www.youtube.com/user/hyshk1956
②2021年11月15日(月) 18:30-20:00 「性愛の力、春画からボノボまで」
フィンランドのアールト大学の美学者から頼まれて、性交や性器の表象が持つ意味についてのエッセイを最近書きました。例えば春画はポルノグラフィとは違うが、根本的には何が違うのか? といった話題です。これは元々、2019年にベオグラードで開催された国際美学会議で話したもので、まもなく『嫌悪の美学』(Aesthetics of Disgust)というタイトルの論集として出版されます。近代化に伴う身体表彰の変化、春画、現代のサブカルチャー、古代からの性器・性交崇拝、ボノボ(ピグミーチンパンジー)の性行動が持つ社会的機能などについて考えました。この内容を紹介しつつ、性の表象を自然と文明の往来という観点から考えたいと思います。
③2021年11月22日(月) 18:30-20:00 「ファルマコン、両義性の思考」
この4年間「現代社会における〈毒〉の重要性」という研究プロジェクトを行なってきました。〈毒〉といっても毒薬の研究ではなく、〈毒〉と〈薬〉とを同時に意味する「ファルマコン」という概念を手がかりに、文化や社会における様々な現象について考える試みです。この研究プロジェクトでは同時に、「ファルマコン」をテーマとした美術展も毎年開催してきました。そもそも自然と文明とは何らかの境界によって隔てられているわけではなく、文明は自然に抱擁されて存在しており、また文明の内部に自然は浸透しています。近代的・合理的な思考に縛られるとそうしたリアリティは見えなくなってしまいますが、「直感」を重視する美学はそれを重視し、善/悪、生/死のような二元的思考を越えた、両義性の思考へと私たちを促します。
【講師略歴】
吉岡 洋(よしおか・ひろし)
1956 年京都生まれ。京都大学 文学部哲学科卒業、同大学院博士後期課程単位取得満期退学(美学美術史学専攻)。甲南大学文学部教授、情報科学芸術大学院大学教授、京都大学大学院文学研究科教授等を経て、現在、京都大学こころの未来研究センター特定教授。専門は美学、現代思想、情報文化論。著書に『〈思想〉の現在形―複雑系・電脳 空間・アフォーダンス』(講談社、1997 年)、編著に『文学・ 芸術は何のためにあるのか?』(東信堂、2009 年)など。「京都ビエンナーレ 2003」「岐阜おおがきビエンナーレ 2006」総合ディレクター。批評誌『ダイアテキスト』(2000-2003年)編集長。映像インスタレーション作品「BEACON」(1999-2020)制作メンバー。美学会会長。日本学術会議会員。
日程 | 2021年11月8日 - 2021年11月22日 |
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時間 | 18:30 - 20:00 |
費用 | 無料 |
対象 | 京都芸術大学教職員、学生 |
申込方法 | 学内掲示板・学生専用サイト(通学・通信)をご確認ください |
主催 | 文明哲学研究所 |
2021年10月26日
ART meets SCIENCE
10月25日(月)18:30より、文哲研オンラインセミナーART meets SCIENCE#8 「美術技量の他分野への応用:美術解剖学から科学へ」をzoomにて開催いたしました。
ART meets SCIENCE#8 「美術技量の他分野への応用:美術解剖学から科学へ」
講師:原木 万紀子(埼玉県立大学 健康開発学科 健康行動科学専 准教授)
日時:2021年10月25日(月)18:30〜20:00
参加者:41名(京都芸術大学教職員・学生)
*講演概要ほか詳細:http://www.kyoto-art.ac.jp/iphv/topics/4780/
【参加者感想(一部抜粋)】
*芸術が科学の分野に生かされていることに驚きました。
*医療と芸術が結びついて患者の為に活用できるのは喜ばしいことです。本日は未知の世界の話で楽しかったです。ありがとうございました。
*専門のお話に加えて関連するアート情報もいろいろで、圧倒されました。これまでに病院でみていたリアルな絵にはこうした背景があるんだ、と理解しました。関連情報では4Dの食べられるフルーツが面白かったです。マックイーンの義足や長谷川愛さんの作品など以前にみて興味をもっていたものを、別の視点の解説をお聞きしつつ改めてみんなでみることができたことも楽しかったです。
*メディカルイラストレーションでは、生々しい写真では伝えられない、イラストが持っているひとに寄り添う優しさを感じました。
*裁判員裁判にも使われているとは驚きました。意外なところに芸術が使われていることにもっとほかにもあるのではないかと気になりました。
*医療系のイラストがあるのは知っていましたが、メディカルイラストレーションという専門分野、海外では大学で学ぶことができ、認められた技術であるということは知りませんでした。
「イラスト」というと少し軽いイメージが付きまとうと思うのですが、逆に「わかりやすく」することにはとても特化した技術だと思います。けれど先生が最後の方で少し言及されていた「技術を低くみられてはならない」という言葉から、やはりそれが現実なんだろうかとも思わされました。先生方のような研究が広く認知され、日本でも発展していくことを期待したいと思います。
ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。
対面での開催が難しい情勢ではありますが、今後もzoom等を活用しながらセミナーや研究会などを開催する予定です。一般公開セミナー開催の際はこのホームページにてお知らせいたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください。
2021年10月18日
出版・メディア情報
産経新聞オンライン版で、齋藤亜矢のインタビュー記事が公開されました。
この記事は、10月4日(月)・5日(火)・6日(水)の産経新聞夕刊『一聞百見』に掲載されたものです。
【百聞一見】 絵を描く心の起源探る(齋藤亜矢)
https://www.sankei.com/article/20211015-YAQPFAYTD5K5ZNCJSULMETG7QQ/
*会員登録(無料)をすると、全文お読みいただけます。
2021年10月12日
アクティビティ
日程終了しました
11月3日(水)18:30より、文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界#6 能とはいかなる演劇なのか ー世阿弥の『忠度』をめぐって」を開催します。
このセミナーは、一か月に一、二回の頻度で、実施します。
セミナーの講師は、文部科学省科学研究費(通称:科研費)の研究代表者である、11名の本学教員です。
科研費は、人文・社会科学から自然科学まで、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として国から支給される研究費で、厳正な審査を経て採択され、数年間、申請した研究計画に沿って研究に取り組み、その成果を公表します。
オンラインセミナー「芸術研究の世界」では、本学の教員が現在取り組んでいる芸術研究について、その研究を発想した経緯や研究の面白さ、難しさなども含めて存分に語っていただきます。セミナーでの質疑を通して、参加者の皆さんとともに、芸術研究の奥行きと拡がりに触れる機会となることを願っています。
芸術研究の世界#6
「能とはいかなる演劇なのか ー世阿弥の『忠度』をめぐって」
講演者:天野文雄(京都芸術大学舞台芸術センター 所長)
日時:2021年11月3日(水)18:30-20:00
対象:京都芸術大学教職員、学生
【講演概要】
一口に能楽研究といっても、その対象はまことに広大です。そもそも、能楽(能と狂言)は700年を超える歴史があり、そこには有名無名の無数の役者たちの活動があり、室町時代にかぎっても500曲ほどの能が制作され、上演の場や形式、観客、演出、さらには能楽観においても多くの変化がありました。また、能はテキスト(韻文の詩的な戯曲)、音楽(謡、笛、小鼓、大鼓、太鼓)、演技(舞、様式的所作)で構成される演劇(歌舞劇)ですが、これらにも曲ごとに時代による変化があります。
能楽研究の対象は以上のようなことがらについて、現代も含めた各時代ごとの実態や変化の把握ということになりますが、この講義では、このうちの作品をとりあげ、その解釈という点から、世阿弥作の『忠度』をめぐって、私の研究の一端を紹介してみます。
それをとおして、現在、ほとんど無条件に(盲目的に)評価されている感がある能の演劇としての特質を考え、ある時期からー少なくとも400年前からー欠落してしまっている能を観るさいの視点を提示したいと考えています。
【講師略歴】
天野文雄(あまの ふみお)
昭和21年、東京都生まれ。京都芸術大学舞台芸術センター所長。
早稲田大学第一法学部卒業後、国学院大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)、大阪大学名誉教授。専門は能楽研究。
著書に、『翁猿楽研究』(和泉書院、平成7年、第18回観世寿夫記念法政大学能楽賞)、『能に憑かれた権力者ー秀吉能楽愛好記』(平成9年、講談社選書メチエ)、『現代能楽講義』(平成16年、大阪大学出版会)、『世阿弥がいた場所ー能大成期における能と能役者の環境』(平成19年、ぺりかん社、日本演劇学会河竹賞)、『能苑逍遥〔上〕世阿弥を歩く』、『能苑逍遥〔中〕能という演劇を歩く』(平成21年大阪大学出版会)、『能苑逍遥〔下〕能の歴史を歩く』(平成22年、同) 『能楽名作選(上下)』(平成29年、角川書店)、『能楽手帖』(平成30年、角川ソフィア文庫)。共著、共編著に、『能を読む(1~4)』(平成26年、KADOKAWA)、『禅からみた日本中世の文化と社会』(ぺりかん社、平成28年)、『世阿弥を学び、世阿弥に学ぶ』(平成27年、大阪大学出版会)、『東アジア古典演劇の伝統と近代』(勉誠出版、平成31年)。また、国立能楽堂企画制作課、大槻文藏(観世流シテ方)、福王茂十郎(福王流ワキ方)、梅若実玄祥(観世流シテ方)と協同して、廃絶曲の復活上演や現行曲の見直し上演にも数多く参画。
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【今後の予定】 (タイトルは科研の採択課題です。講演内容は追ってご連絡します)
12月1日 河上眞理 〈美術建築〉の観点から見た明治期における家屋装飾の歴史的位置づけに関する研究
1月12日 町田香 『四親王家実録』を中心とした近世四親王家の生活環境に関する復元的研究
1月19日 齋藤亜矢 描画のプロセスにおける想像と創造の関わりの検証
2月2日 増渕麻里耶 希土類元素に着目した古代鉄製品の非破壊製作地推定法の開発
3月2日 森田都紀 日本の芸能「能」の演奏技法の伝承過程に関する歴史的研究‐能管を中心に‐
※日程は講師の都合等で変更の可能性があります
日程 | 2021年11月3日 |
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時間 | 18:30 - 20:00 |
費用 | 無料 |
対象 | 京都芸術大学教職員、学生 |
申込方法 | 学内掲示板・学生専用サイト(通学・通信)をご確認ください |
主催 | 文明哲学研究所 |