- 2023年6月22日
- ニュース
2023年度の優秀学生賞・受賞者をご紹介します◎
こんにちは、文芸表現学科です!
本学には、研究・制作活動に秀でた優秀な学生を表彰する「優秀学生賞」という制度があります。
2023年度は全学科から64名が受賞され、6月16日(金)に「2023年度 優秀学生賞 表彰式」が執り行われました。
昨年度までは感染症対策のため代表者のみの出席でしたが、今年度は受賞者全員が表彰式に参加。文芸表現学科からは、出射優希さん、上村裕香さん、本名尚文さんの3名が受賞・列席されました。
▲写真右から、出射優希さん、上村裕香さん、本名尚文さん。
3名がこれまでどのような活動を行なってきたのか、受賞者コメント、担当教員コメントとともにご紹介いたします。
<出射優希さん(兵庫県立西宮北高等学校出身)>
2021年から「文芸表現学科の学生が、美術工芸学科の授業を取材しレポート記事を発信する」という取り組みが始まり、初期メンバーとしてお名前があがったのが当時2年生の出射さんでした。
取材記事は当ブログ内にて発信され、今日までに投稿された全50本のブログのうち、30本を担当されました。
▲記念すべき、出射さん初投稿の記事。(https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=130254)
▲活動が始まって1年経った頃に、初期メンバーの3人にインタビューも行いました。(https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=144052)
その取り組みが評価され、2022年6月に開催された美術工芸学科教員展『逸脱する声』では、美術工芸学科専任教員に作家インタビューを行う展示制作チームの一員としても活躍されたほか、2023年3月に開催された『京おどり』では、京都宮川町の芸舞妓さんへのインタビューと冊子デザインにも携わるなど、一歩ずつ活動の幅を広げてきました。
▲2022年6月『逸脱する声─京都芸術大学美術工芸学科専任教員展』。8名の作家インタビューを担当されました。(https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=147675)
▲2023年3月『第73回 京おどり in 春秋座』。インタビュー内容は会場内で冊子として無料配布され、連日多くの来場者が手に取りました。舞妓さんが故郷やお客さまとのやりとりに直筆の手紙を用いることから、冊子も便箋を連想させるようなデザインに。
たくさん経験を積んできたから、執筆が早いから、文章がうまいから、という理由だけでここまで活躍してきたわけではありません。
出射さん自身の持つ人柄や聞く姿勢、責任を持って慎重に丁寧にことばを綴る姿勢を見た人々の『出射優希さんだからお願いしたい』という気持ちが彼女をここまで動かしたのだろうと思います。
◎受賞のことば
“ある人の声から立ち上がる、ごく個人的な視点でみた世界を知りたいと思い、インタビュー・執筆を行ってきました。他者の言葉に耳を傾けるときには柔らかな存在としてその場に応じ、文字にまとめていくときには、到底まとめきれない部分の重みこそ大切にしたいと考えてきました。聞き手として鋭い切り口も深い洞察力ももっていませんが、受けとった声に対して、また、その声に心が動いた自分自身に対して、常に誠実であり続けたいと思います。”
<上村裕香さん(佐賀県立佐賀北高等学校出身)>
▲学科代表として、吉川学長より賞状を受け取られました。
2022年4月に小説「救われてんじゃねえよ」で、新潮社主催・第21回 女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。同年5月には、小説「なに食べたい?」で日本民主主義文学会主催・第19回 民主文学新人賞を史上最年少で受賞し、わずか半年後の2022年10月には小説「美華とミカ」を発表。
さらに今年の3月、4月には立て続けに小説2作を発表し、小説家、そして大学生という二足の草鞋を履く人生を歩み出しました。
▲『小説新潮 2022年5月号』掲載の小説「救われてんじゃねえよ」。(https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=144473)
▲『民主文学 2022年6月号』掲載の小説「なに食べたい?」。同誌2021年4月号には小説「偽物」も掲載されました。(https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=145734)
▲『小説新潮2022年11月号』掲載。R-18文学賞受賞後第一作目となる小説「美華とミカ」。(https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=155690)
▲『小説新潮2023年4月号』掲載の短編小説「カンガルーさん」。
本作品は東京都江戸川区が2021年に制定した『ともに生きるまちを目指す条例』より、取り組みに賛同した気鋭の作家10名による「共生社会のものがたり」中の一編。作品は江戸川区ホームページ「TOMONI」にて掲載されています。
【江戸川区HP「TOMONI」(https://tomoni-edogawa.tokyo/future/novel/)】
▲『小説新潮2023年5月号』掲載の小説「泣いてんじゃねえよ」。R-18文学賞大賞を受賞した小説「救われてんじゃねえよ」の続編。これまでの作家活動を裏付けるかのように、重量感の増した小説になっていることが印象的な一作。
▲第21回 女による女のためのR-18文学賞授賞式の様子。式典には、上村さんが敬愛する作家であり、審査員も務められた窪美澄さんも列席され初対面を果たしました。(https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=147114)
▲そんな窪美澄さんをお招きし、2022年12月には学内イベント『Storyville 創作の衝動 つづりつづける作家たち』を開催。新人作家として、デビューし、プロとして書くことについてじっくりお話しいただきました。(https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=158423)
イベントの様子は、学科YouTubeチャンネルにて独占公開しています。(https://www.kyoto-art.ac.jp/production/?p=162219)
作家と学生、社会と大学、双方からの期待を受け不安になることもあったかと思います。
けれども上村さんには、自分の立っている場所を客観的に俯瞰し、その状況すらもおもしろいものに変えてしまう強さがあります。
作家でありながらも学生である「いま」しか感じ取ることができないものを見つめ続け、いつまでも等身大の人であり続けてほしいと思います。
◎受賞のことば
“2年次より小説・脚本創作のゼミに所属。2年後期ゼミで執筆した小説「救われてんじゃねえよ」で2022年、第21回 女による女のためのR-18文学賞大賞(主催・新潮社)を受賞。同年、小説「何食べたい?」で第19回 民主文学新人賞(主催・日本民主主義文学会)を受賞。以降、文芸誌で作品を複数発表している。
22年11月には直木賞作家・窪美澄との対談イベントが学内で行われた。4年次の目標は初著を出すこと、卒業制作をちゃんと書いて卒業すること。”
<本名尚文さん(つくば開成学園高等学校上越学習センター出身)>
おそらく、文芸表現学科で一番小説を書いているのは本名くんなのではないでしょうか。
彼は「小説を書きたい」という明確な目標を持ってこの学科に入学し、その指針を曲げることなくここまで実直に進んできました。
▲本名くんの鞄にはいつもノートと万年筆、分厚い本、執筆中の小説の原稿用紙が入っています。
3年次に開催された学園祭内での作品展では、384ページにも及ぶ超大作を発表。上製本を自作するために製本授業を受講したりと、自分の糧になることに手を抜きません。
▲学生作品展展示作『悪意』。小説10篇、詩6篇を収録。
▲作品に寄せられたコメントをうれしそうに眺めている姿が印象的でした。
決して独りよがりに作品を書くわけではなく、「小説」そのものを大切に思うからこそ、他の作品へのリスペクトも人一倍強く、学科独自イベント「オンライン合評会」では、高校生・受験生を前に、下級生へ、ではなく、小説を書く者同士として話をしてくれます。
誰かが書いた作品に対して本名くんがなにかを発するとき、決まって「執筆おつかれさまでした」という言葉があります。その言葉を聞くたびに、書く楽しさだけではなく、しんどさや苦悩も知っている彼だからこそ、素直に発することができるんだなといつも感じます。
彼の一番書きたいものが、然るべき場所で輝くことを願っています。
◎受賞のことば
“今、この時代に。何を考え、何を書くべきなのか。日々を生きてゆく過程で、自分の中に生じた現実に対する問題意識を小説に落とし込む形で、思考実験を繰り返してきました。二回生のときに書いた小説がきっかけとなり、今は主に被害者意識を主題とした小説の執筆を行なっています。個人的な思考実験の「場」が、他の誰かにとっても価値のある問になるように。これからも考え、書き続けるつもりです。”
三者三様の活躍をしてきましたが、全員に共通していることは、みんな『書き続けている人たち』であるということです。
どんなときも書くという行為に真剣に向き合い、付き合ってきたからこその結果がここに現れました。
これからも無理せず、自分に正直に、ときには休憩しながら「書く」ということを楽しんでください。
受賞おめでとうございます!
(スタッフ・牧野)
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