コミュニケーション
デザイン領域
Communication Design Field
社会課題を、
戦略とデザインで解決する。
どんなに美しいデザインも、どんなに魅力的な映像も、どんなに心地よい空間も、そこに、社会に生きる人々とのつながりがなければ、価値を生み出すことはできません。大量消費社会が終焉を迎え、生活者はより賢く慎重にモノや体験を選ぶ時代。私たちクリエイターは、ただ何かを創るだけでなく、その先にある環境や社会を考えることを余儀なくされています。本領域では、グラフィックデザイン、映像デザイン、空間デザイン3つの専門領域を軸に、「社会課題」を見つけ、具体的な「戦略とデザイン」で未来にイノベーションを起こす人材を育成します。
本領域の特長
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ビジネスにクリエイティブの
専門性を付加し、
新たな戦略へと結びつける -
グローバルにそして
サスティナブルに、現代社会の
課題を発見する -
第一線で活躍する
プロフェッショナルのアドバイスで、
企画・表現力を高める
領域長メッセージ
大量情報時代、
社会に機能しないデザインは、
ゴミになる。
デジタル化が加速し情報過多社会の中、人々に新しい価値を生み出す「コミュニケーションデザイン」のニーズは近年、高まっています。一方で、生活者や社会のニーズをしっかりと捉え、ライフスタイル、ビジネス、環境にイノベーションを起こしているデザインは少なく、消費されたデザインは、すぐ目の前でゴミとなっていくのが現状です。人々の多様性や、サスティナブルな生活が、注目を集める中、デザインの改革が今、求められています。
大谷 義智
クリエイティブディレクター、コミュニケーションデザイナーとして、広告会社においてコンセプトの抽出から企画、実制作までを担当。生活者とブランドのあたらしい絆創りを創造。カンヌ国際広告祭、アジア太平洋広告祭、ACC審査員など、国内外で審査員を歴任。
教員一覧
水口 克夫
グラフィックデザイン分野
アートディレクター。株式会社Hotchkiss代表。金沢美術工芸大学名誉客員教授。企業のブランディングにとどまらず、デザインの力で地域社会の活性化や、人材の育成に尽力。2021年からクリエイティブな思考を鍛錬する「Schola-hotchkiss」を主宰。国内外の受賞歴多数。
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藤井 将之
空間デザイン分野
環境デザイナー。株式会社藤井環境デザイン代表。日本デザイン団体協議会【D-8】デザイン保護委員長。
公共空間を中心としたサイン計画・ランドスケープ・プロダクト・内装・FFEほか、各地の広告物・サインガイドラインなどの空間デザインや都市計画に携わる。人と自然や地域、文化・伝統との調和を心掛け、デザインの力でより豊かな生活・社会をつくることを目指す。各種デザイン賞受賞多数。
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吉江 善太
映像デザイン分野
映像ディレクター。(有)吉江事務所代表。国内外のTVCM、Web、ショートフィルム、MV等映像全般の企画、ディレクション500本以上を手がける。主に企業を中心としたクライアントの活動に付加価値をもたらす映像のデザインに携わってきた。
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分野紹介
グラフィックデザイン分野
理想の社会を思い描き、
それを実現するための課題を見出し、
グラフィックデザインで解決する
こんな方におすすめ
Web、雑誌広告、ポスター、パッケージ、ロゴ等のデザイン制作に携わっている方。
映像デザイン分野
課題を映像の力で解決する。
その思考法と実践的制作の技術を学ぶ。
こんな方におすすめ
映像による広報、広告をお考えの企業、団体の方。映像制作者および映像制作を志望する方。
空間デザイン分野
人々の行動変容を促すデザインで、
コミュニケーション創出や社会に必要な場を提案する
こんな方におすすめ
公共施設、商業施設、建築業界やインテリア業界、ディスプレイ業界の方。
カリキュラム
まず、分野特論科目でコミュニケーションデザインの背景と手法を学び、社会と生活者の関係の中に、課題(ミッション)を抽出し考察、ターゲットインサイトとブランドプロポジションを創出します。演習科目では、コミュニケーションデザイン戦略のもと、各自が自身の領域の中でアイディアをかたちにし、コミュニケーションデザイン戦略を作品として発表します。さらに研究科目では、社会共有性、アイディア力、実現可能性などを軸にコミュニケーションデザイン戦略を考案し、作品として発表します。
社会課題の発見方法と コミュニケーション デザイン手法を学ぶ 分野特論 |
特論Ⅰ 「コミュニケーションの過去から未来」 |
急速なメディアの変化によって生み出された、コミュニケーションデザインの考え方。その歴史的背景を紐解きながらコミュニケーションモデルの変革、ソーシャルグッド思考のムーブメントなど、コミュニケーションの時代背景を学ぶ。 |
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特論Ⅱ 「コミュニケーションのデザイン手法」 |
コミュニケーションデザイン戦略はどのように生み出されるのか、コンセンサスブリーフ、インサイト、プロポジションなどの抽出方法や、世界のコミュニケーションデザイン事例を探りながら、優れたアイディアにたどり着く方法論を学ぶ。 | |
特論Ⅲ 「社会を見つめるデザインの視点」 |
それぞれの専門領域において、デザインがどう社会や生活者とつながっているのか、コミュニケーションデザイン戦略や表現がどのように創られているのか、各分野の担当教員が、様々な制作現場における事例と体験談を講義、課題をもとに思考を磨く。
グラフィックデザイン分野
デザインの歴史、近年のグッドデザイン賞の潮流、デザインすることの意味について学ぶ。 映像デザイン分野
コミュニケーションデザインにおける映像の価値、時代ともに変わり続ける映像コンテンツについて学ぶ。 空間デザイン分野
人々の行動変容を促す空間デザインの変革を様々な角度から理解し、コミュニケーション創出のための場づくりについて学ぶ。 |
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特論Ⅳ 「社会に機能するデザインのカタチ」 |
各分野の担当教員が、課題(ミッション)の見つけ方やアプローチ、コミュニケーションデザインにおけるストーリーの作り方など、誰をも魅了するアイディアを生み出すまでの、実践的な考え方と手法を講義、課題をもとに表現力を身につける。
グラフィックデザイン分野
多様な視点を身に付け、ブランドや生活者のストーリーを伝えるためのデザインを可視化する。 映像デザイン分野
映像の新しい考え方、創り方を考え、実践し、社会を変える映像の話法を身につける。 空間デザイン分野
自然と人の共存というテーマで空間デザインを考え、未成熟な空間領域を対象としたデザイン提案を行う力をつける。 |
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各自の専門領域を軸に、 実践的な企画構想力を身につける 演習 |
演習A1 「自身の課題を見つける個人ワーク」 |
各分野、個人ワークで社会問題等をリサーチし、自身の表現テーマやコンセプトを固めることを目的とする。 |
演習A2 「仲間と課題を共有するグループワーク」 |
分野をまたぎ、グループワークで国内外のコミュニケーションデザインをリサーチ・レポートし、アイディア力を養う。 | |
演習B1 「自身の課題をカタチにする個人ワーク」 |
コンセンサスブリーフをもとに、各個人の専門分野で、自身の課題とテーマを具体的な表現に落とし込み表現していく。 | |
演習B2 「社会と課題をつなぐグループワーク」 |
プレゼンテーションに向け、コミュニケーションデザインとそれぞれの分野表現をまとめ、制作し、グループで発表する。 | |
未来への創造的価値を 最終成果として研究する 研究 |
社会と生活者の関係の中に、課題(ミッション)を抽出し考察、ターゲットインサイトとブランドプロポジションを創出し、コミュニケーションデザイン戦略のもと、各自が自身の領域の中でアイディアをかたちにしていきます。学内でのプレゼンテーション、学会での発表、各デザインコンペへの参加を目標とする。 |
修士制作
本領域で学んだことを社会に表明することを目的とし、学生の自主的制作意欲を応援します。
全分野「ケーススタディ・ボード(A3・1枚)」「ケーススタディ・ビデオ(動画60秒)」「研究制作ノート」を必須とし、プレゼンテーション(約15分)を行います。
学会、広告賞、ビエンナーレ等、コンペティションに参加することを念頭に修士制作に取り組みます。
学び方
「分野特論」科目
オンデマンド動画教材を視聴、初回提出をした後、中間講評を受け、ブラッシュアップしたものを最終提出します。
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01
動画・テキスト等による
知識学習 -
02
初回提出
(レポート・作品等) -
03
リアルタイム配信(Zoom)
または録画による全体講評
(中間講評) -
04
最終成果に集約
「演習」「研究」科目
リアルタイムでのオンライン授業(週末1日×年間6~8回)と各自の研究・制作を並行して進めます。授業では、講義、グループワークやグループ単位でのディスカッション、作品指導などを通じて、演習および研究ゼミにおける持続的な創作・制作についての学びを高めていきます。
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01
スクーリング(Zoom)
研究・制作の発表やディスカッション、グループワーク -
02
課題提出、Web指導など報告書や研究記録を提出、
教員からのコメント指導
年間のスケジュールモデル
(月) | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 | |
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1年次 |
芸術文化論特論Ⅰ、Ⅱ(2単位) | 初回提出/中間講評/最終提出 | 初回提出/中間講評/最終提出 | ||||||||||
制作行為原論V(2単位) | 初回提出/中間講評/最終提出 | ||||||||||||
コミュニケーションデザイン特論I(2単位) | 初回提出/中間講評/最終提出 | ||||||||||||
コミュニケーションデザイン特論Ⅱ(2単位) | 初回提出/中間講評/最終提出 | ||||||||||||
コミュニケーションデザイン特論Ⅲ(2単位) | 初回提出/中間講評/最終提出 | ||||||||||||
コミュニケーションデザイン特論Ⅳ(2単位) | 初回提出/中間講評/最終提出 | ||||||||||||
コミュニケーションデザイン演習(8単位) | 1日間 | 1日間 | 1日間 | 1日間 | 1日間 | ||||||||
2年次 |
コミュニケーションデザイン研究(8単位) | 1日間 | 1日間 | 1日間 | 1日間 | 1日間 | 1日間 | 1日間 |
開講期は現時点(2023年10月現在)の予定のため、変更となる場合があります。
説明会情報
2024年10月19日(土)13:30~15:00
コミュニケーションデザイン領域 説明会(オンライン)
コミュニケーションデザイン領域のカリキュラム・学び方について教員が解説します。
参加者はカメラ・マイク不要の視聴型説明会です。質疑応答コーナーでは、チャット機能で質問・相談ができます。
説明会の内容
- 領域教員によるカリキュラム説明
- 出願案内
- 質疑応答
教員インタビュー
未経験の方も大学で基礎から学び、最短4年で修士取得できます。
大学、短期大学、専門学校等をすでに卒業している方は、京都芸術大学通信教育部(大学)に3年次編入学ができるため、最短2年間で専門分野の基礎を身に付けられます。大学入学から大学院修了まで、最短4年間で学ぶことができます。
また、通信教育部卒業生は大学院入学時に入学金10万円が免除されます。
コミュニケーションデザイン領域へ入学するために基礎から学びたい方は、デザイン科各コース(下記、関連リンク参照)がおすすめです。
関連リンク
よくあるご質問
- 入学時に必要なデザインスキルは?
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グラフィックデザイン分野
- 思考を整理し、コミュニケーションする力(口下手でも構いません)。
- アイデアを磨き、形にする力。
映像デザイン分野
- 社会課題について考える力、リテラシー。それらのメッセージを映像という形にして訴える力、デザイン力。
- 海外の公共広告やNetflix等の配信などで視聴可能なドキュメンタリー作品などを見ておくと良いでしょう。
- 簡単な動画を作成する撮影、編集能力(Power director、premier等)。
空間デザイン分野
- 考えたことを言語化し、形として表現できる力。
- 平面図、立面図を読み取り、かつ自らのアイデアを平面図として図示できる力。
- 3Dソフトもしくはパース画、スケッチ等で、自らのアイデアを相手に伝えられる力。
- 使用するパソコンの指定はありますか?
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グラフィックデザイン分野
指定はありません。
映像デザイン分野
Apple社(Mac)が望ましいですが、Windowsでも問題ありません。
空間デザイン分野
指定はありません。
- デザインソフトの使用経験は必要ですか?
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以下の操作経験があることを推奨しています。
グラフィックデザイン分野
Adobe Illustrator & Photoshop
映像デザイン分野
Adobe Illustrator & Photoshop 、 Adobe Premiere Pro
空間デザイン分野
Adobe Illustrator & Photoshop 、 3D Modeling Soft(SketchUp・Vectorworks・Fusion・Blenderなど自由)
大学院ではデザインソフトに関する指導は行いませんので、使用経験がない場合は、学部からの進学をおすすめします。
- コミュニケーションデザイン領域 映像デザイン分野と写真・映像領域はどのような違いがあるのでしょうか?
-
コミュニケーションデザイン領域 映像デザイン分野
すでに映像デザインの経験があり、企業や自治体等でPR映像等の制作により社会課題を解決することを目指す方におすすめです。
写真・映像領域
ビジネスでのプレゼンテーション動画よりも、芸術表現としての映像を研究・制作したい方におすすめです。