2022年12月8日
アクティビティ
2022年12月7(水)18:30より、文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界#16」をzoomにて開催いたしました。
芸術研究の世界#16
「「外地」における日本製洋菓子の広告戦略:子ども像を手がかりに」
講演者:前川志織(京都芸術大学芸術教育資格支援センター・専任講師)
日 時:2022年12月7日(水)18:30-20:00
参加者:28名(京都芸術大学教職員・学生)
*講演概要ほか詳細:https://www.kyoto-art.ac.jp/iphv/topics/5174/
【参加者感想(一部抜粋)】
*丹念に資料を調査されているご研究で、とても面白かったです。実例をたくさん紹介していただいた上に、分析もきちんとなされており、またQ&Aでは資料の所在まで教えてくださり、刺激になりました。
*広告とは?と言う問いから、講義に入っていただけたのが、とても良かったです。その後の聞き方が変わりました。
*15年戦争下の広告を見て興味深かった。森永キャラメルの広告が、中国や朝鮮、台湾でもあった事を初めて知った。
*15年戦争期における森永ミルクキャラメルの広告戦略で、当時の時代背景を少し知ることができた。子ども=お国のための未来の兵士という時代、子どもが鉄砲をもっている雑誌広告を国民が平気でながめていた時代があったということは忘れてはいけないと思った。本日もありがとうございました。
ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。
今後もzoom等を活用しながらセミナーや研究会などを開催する予定です。一般公開セミナー開催の際はこのホームページにてお知らせいたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください。
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【文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界」】
このセミナーの講師は、文部科学省科学研究費(通称:科研費)の研究代表者である、8名の本学教員です。科研費は、人文・社会科学から自然科学まで、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として国から支給される研究費で、厳正な審査を経て採択され、数年間、申請した研究計画に沿って研究に取り組み、その成果を公表します。オンラインセミナー「芸術研究の世界」では、本学の教員が現在取り組んでいる芸術研究について、その研究を発想した経緯や研究の面白さ、難しさなども含めて存分に語っていただきます。セミナーでの質疑を通して、参加者の皆さんとともに、芸術研究の奥行きと拡がりに触れる機会となることを願っています。
【今後の予定】 (タイトルは科研の採択課題です。講演内容は追ってご連絡します)
1月11日 宇佐美智之 中央アジア・オアシス地帯における都市の成立と展開:ザラフシャン川流域を中心として
2月1日 大西宏志 オーラル・ヒストリー 芸術運動としての広島国際アニメーションフェスティバル研究
3月1日 牛田あや美 日本統治下の漫画家・北宏二/金龍煥の懸隔
※日程は講師の都合等で変更の可能性があります
2022年12月7日
アクティビティ
日程終了しました
2023年1月20日(金)18:30より、文明哲学研究所 吉岡洋先生による新企画、「タイムトラベル美学#1」を開催いたします。
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新企画「タイムトラベル美学」
私たちが生活している場所の周囲には、遠い過去の出来事を知る手がかりが至る所に散りばめられています。けれども普段は気にかけず通り過ぎていることが少なくありません。けれども過去の出来事は、意外に現在の私たちの生活に大きな影響を与えているのです。この「タイムトラベル美学」では身近な史跡を取り上げつつ、歴史を過ぎ去ったデータと見るのではなく、昔の人々とおしゃべりしながら過去をエステティック(美学的)に、自分のこととして感じる機会を提供しようと思います。歴史の勉強は暗記だと思っている人がいるかもしれないが、歴史は憶えることよりも感じることの方が大切なのです。
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タイムトラベル美学#1
「672-996:壬申の乱、長徳の変」
講演者:吉岡洋(文明哲学研究所 教授)
日時:2023年1月20日(金)18:30-20:00
対象:京都芸術大学教職員、学生
【講演概要】
京都市営地下鉄東西線の「御陵(みささぎ)」駅は、その名前から陵墓であることがわかりますが、それが誰のお墓なのかを知って、訪れてみた人は多くないでしょう。これは7世紀後半、弟の大海人皇子と対立した中大兄皇子(天智天皇)の陵墓です。彼らの対立の背景となった当時の東アジア情勢や、壬申の乱について考えてみたいと思います。またそこからほど近い山科の西には、10世紀の終わりに花山天皇が出家された元慶寺というお寺があります。そこで花山天皇(法皇)に焦点を当てて、平安時代における藤原氏と皇統との関係について、その雰囲気が実感できるようにお話をしてみたいと思います。
【講師略歴】
吉岡洋(よしおか・ひろし)
京都芸術大学文明哲学研究所教授。京都大学文学部・同大学院修了(美学芸術学)。甲南大学、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)、京都大学文学部、こころの未来研究センター教授を経て現職。著書に『情報と生命』(新曜社、1993年)、『〈思想〉の現在形』(講談社、1997年)など。批評誌『Diatxt.』(ダイアテキスト)1~8号の編集、「京都ビエンナーレ2003」のディレクターをつとめた他、「SKIN-DIVE」展(1999)、「京都ビエンナーレ2003」、「大垣ビエンナーレ2006」などの展覧会を企画。映像インスタレーション作品「BEACON」プロジェクトチームメンバー。文化庁世界メディア芸術コンベンション(ICOMAG)座長(2011-2013)。美学会会長。日本学術会議哲学委員長。
日程 | 2023年1月20日 |
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時間 | 18:30 - 20:00 |
費用 | 無料 |
対象 | 京都芸術大学教職員、学生 |
申込方法 | 学内掲示板・学生専用サイト(通学・通信)をご確認ください |
主催 | 文明哲学研究所 |
2022年12月4日
出版・メディア情報
雑誌「モンキー」7巻3号(公益財団法人日本モンキーセンター発行)が刊行されました。文明哲学研究所が担当する連載「自然と芸術」第24回は、 吉川左紀子先生による「お地蔵さまと里山と芸術大学 」です。ぜひご一読ください。
*雑誌「モンキー」 (ご購入、定期購読もこちらのページからお申込みいただけます)
2022年11月28日
アクティビティ
日程終了しました
12月7日(水)18:30より、文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界#16」を開催いたします。
このセミナーは、一か月に一度実施します。セミナーの講師は、昨年度から引き続き、文部科学省科学研究費(通称:科研費)の研究代表者である8名の本学教員です。科研費は、人文・社会科学から自然科学まで、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として国から支給される研究費で、厳正な審査を経て採択され、数年間、申請した研究計画に沿って研究に取り組み、その成果を公表します。
オンラインセミナー「芸術研究の世界」では、本学の教員が現在取り組んでいる芸術研究について、その研究を発想した経緯や研究の面白さ、難しさなども含めて存分に語っていただきます。セミナーでの質疑を通して、参加者の皆さんとともに、芸術研究の奥行きと拡がりに触れる機会となることを願っています。
芸術研究の世界#16
「「外地」における日本製洋菓子の広告戦略:子ども像を手がかりに」
講演者:前川志織(京都芸術大学芸術教育資格支援センター・専任講師)
日 時:2022年12月7日(水)18:30-20:00
対 象:京都芸術大学教職員、学生
【講演概要】
科研費採択研究「戦間期日本の嗜好品広告における間メディア性」の目的は、視覚文化論の観点から、戦間期日本における広告表現、とくに嗜好品の一種である洋菓子の広告が、挿絵・漫画、写真・映画という隣接する大衆的な視覚メディアといかなる関係をもったかを考察することです。今回は、日本製洋菓子商品が、十五年戦争期の「外地」において、どのような広告戦略をとり、その広告がどのような「憧れの姿」を描いて発信したか、その過程でどのようなメディア間での連動が図られたかについて、特に子ども像に焦点をあてお話ししたいと思います。
【講師略歴】
前川志織(まえかわしおり)
日本近代美術史、広告デザイン史、ミュージアム研究。2006年同志社大学大学院文学研究科博士後期課程退学、2010年博士号(芸術学) 取得。メナード美術館学芸員、京都工芸繊維大学美術工芸資料館技術補佐員、国際日本文化研究センター特任助教を経て、現職。編著に『<キャラクター>の大衆文化 伝承・芸能・世界』(KADOKAWA、2022年、共著)など。企画展に「草の根のアール・ヌーヴォー―明治期の文芸雑誌と図案教育」(2019年、京都工芸繊維大学美術工芸資料館)など。
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【芸術研究の世界】 (タイトルは科研の採択課題です。講演内容は追ってご連絡します)
1月11日 宇佐美智之 中央アジア・オアシス地帯における都市の成立と展開:ザラフシャン川流域を中心として
2月1日 大西宏志 オーラル・ヒストリー 芸術運動としての広島国際アニメーションフェスティバル研究
3月1日 牛田あや美 日本統治下の漫画家・北宏二/金龍煥の懸隔
※日程は講師の都合等で変更の可能性があります
日程 | 2022年12月7日 |
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時間 | 18:30 - 20:00 |
費用 | 無料 |
対象 | 京都芸術大学教職員、学生 |
申込方法 | 学内掲示板・学生専用サイト(通学・通信)をご確認ください |
主催 | 文明哲学研究所 |
2022年11月24日
アクティビティ
日程終了しました
2022年12月19日(月)、2023年1月16日(月)23日(月)の3日間、学内教職員・学生対象のオンラインセミナー文哲研3days#5「エコロジーを思考するアート?」を開催します。
文哲研3days#5「エコロジーを思考するアート?」
講演者:大久保美紀(パリ第8大学講師、A I-AC, TEAMeD)
司会・ディスカッサント:吉岡洋(文明哲学研究所 教授)
【講演日程】
① 2022年12月19日(月) 18:00-19:30 「エコロジーとアート」
② 2023年1月16日(月) 18:00-19:30 「エコロジーと資本主義」
③ 2023年1月23日(月) 18:00-19:30 「科学、信仰、そしてアート」
【講演概要】
① 2022年12月19日(月) 18:00-19:30 「エコロジーとアート」
エコロジーとアートは、そもそも同時に語りうるのか。もちろん環境問題に関心を持つアーティストの活動やアートのエコロジカルな振る舞いについて言及し、それを批評することはできます。けれども私は、気候大変動や生態系破壊が今日世界の切迫した危機として語られる状況の中で、アートもまたエコロジーを語るべきだと自負する事態の自明性を、まず疑ってみたい。そのきっかけとして、私が2017年から続けてきた取り組みである〈ファルマコン〉(ギリシャ語で毒=薬を意味する)をテーマとした展覧会実践を紹介します。また、2018年から昨年まで「現代社会における〈毒〉の重要性」と題されたグループ研究に参加していたのですが、なぜ〈毒〉や〈ファルマコン〉が今日の芸術表現を考える上で重要な問題なのか、ものごとの両義性という観点から考えてみます。
*YouTube「展覧会ファルマコン」
https://www.youtube.com/channel/UCRKfdRRiMTnanfywsxhtNwQ/videos
② 2023年1月19日(月) 18:00-19:30 「エコロジーと資本主義」
9月に開催された日本記号学会のシンポジウムで「人新世を生きる芸術―「エコロジー」を語らねばならない時代に」という発表をしました。昨今のアートがこぞってエコロジー危機に言及する背景に産業的戦略―つまり、資本主義の圧力―があり、「人新世」という用語のPRは、科学が芸術(や文化)を道具として利用する手段なのだ、という批判的な考えです。2010年代には、ブリュノ・ラトゥールのZKMでの二つの展覧会をはじめ、気候変動の危機にかんして数多くの〈啓蒙的〉展覧会が開催され、フランスの精神学者であるフェリックス・ガタリが『三つのエコロジー』(1989)で示したような、エコロジーの包括的取り組みの重要性が叫ばれました。この内容を紹介しつつ、アートの取り組みをSDGs、資本主義とコミュニズム、アクティヴィストの活動との関係から考えたいと思います。
③ 2023年1月26日(月) 18:00-19:30 「科学、信仰、そしてアート」
コロナ禍の社会が「集うこと」を禁じ、集団礼拝や葬儀を蔑ろにする状況を目の当たりに「芸術は〈超越者〉に向けられる」ことを強く実感し、「捧げもの」に関する二つの展覧会を開催しました(2021, 2022)。〈超越者〉とは、〈あの世〉の〈神〉、死者やこれから生まれる者、あるいは信仰の対象となるもののことです。作曲家の三輪眞弘は、芸術(音楽)の本質を〈奉納〉とし、高度なテクノロジーが支配する世界を生きる私たちが信仰するのは、科学やテクノロジーを裏付ける純粋論理(数)であると述べ、「逆シミュレーション音楽」(コンピュータでシミュレーションできるアルゴリズムを人間の身体を通じて〈奉納〉する音楽)を実践しています。アートが本当の意味でエコロジーを思考し、それにとって有機的に振る舞うためには、テクノロジーの時代の信仰の問題をもう一度考えて見る必要がありそうです。このような考察を通じてこそ、私たちを苦しめる数々の〈生権力〉に抗う、真のエコロジー思想に至ることができます。
【講師略歴】
大久保 美紀(おおくぼ・みき)
1984 年札幌生まれ。京都大学 文学部卒業(美学美術史学専攻)、同大学院人間環境学研究科修士課程修了(文明論考座)。2009年よりフランスへ留学、パリ第8大学大学院修士過程修了・博士課程修了(2015)。博士論文のテーマは「メディア時代の自己表象」、博士課程在学時より同大学造形芸術学部で教える(2013-)。INSEEC Business School ParisやAUTOGRAFなどで日本語・日本文化を教授。専門は、美学、現代芸術論。2017年より医療とエコロジーの領域における芸術表現を模索し、キュレータとして活動。2021年、芸術による感化を目的とした任意団体art-sensibilisation(アートサンシビリザシオン)を設立、代表を務める。「ファルマコン」をテーマとしたシリーズ展を毎年開催している。主著に « Exposition de soi à l’époque mobile/liquide »(可動的/流動的時代の自己表象, Connaissances et Savoirs社, 2017)など。
日程 | 2022年12月19日 - 2023年1月26日 |
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時間 | 18:00 - 19:30 |
費用 | 無料 |
対象 | 京都芸術大学教職員、学生 |
申込方法 | 学内掲示板・学生専用サイト(通学・通信)をご確認ください |
主催 | 文明哲学研究所 |