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WEBアステイオン:「ゾーンに入る」──アスリートの「ゾーン」と心理学の「フロー」の共通点とは?

2022年9月30日

出版・メディア情報

 WEBアステイオンに、齋藤亜矢のエッセイ「「ゾーンに入る」──アスリートの「ゾーン」と心理学の「フロー」の共通点とは?」が掲載されました。

 

WEBアステイオン「ゾーンに入る」──アスリートの「ゾーン」と心理学の「フロー」の共通点とは?

(アステイオン096(2022年5月26日発行)「からだの言葉で人間を理解する」より転載)

芸術研究の世界#14 「精神科患者の自己表現としての絵画」

2022年9月26日

アクティビティ

日程終了しました

 10月4日(火)18:30より、文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界#14」を開催いたします。

 

 このセミナーは、一か月に一度実施します。セミナーの講師は、昨年度から引き続き、文部科学省科学研究費(通称:科研費)の研究代表者である8名の本学教員です。科研費は、人文・社会科学から自然科学まで、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として国から支給される研究費で、厳正な審査を経て採択され、数年間、申請した研究計画に沿って研究に取り組み、その成果を公表します。

 オンラインセミナー「芸術研究の世界」では、本学の教員が現在取り組んでいる芸術研究について、その研究を発想した経緯や研究の面白さ、難しさなども含めて存分に語っていただきます。セミナーでの質疑を通して、参加者の皆さんとともに、芸術研究の奥行きと拡がりに触れる機会となることを願っています。

 

 

芸術研究の世界#14

「精神科患者の自己表現としての絵画」

講演者:藤澤三佳(京都芸術大学・芸術教養センター教授)

日 時:2022年10月4日(火)18:30-20:00

対 象:京都芸術大学教職員、学生

 

【講演概要】

 私は本学で、授業及び学生と共に展覧会をしながら、アート、心理、社会が交わる領域で、生きづらさを抱えた人々が自己表現によってどのように生きる意欲をよみがえらせているか、ということを考えてきました。また、展覧会等で、表現したものを共感してもらうことによって、「症状や弱さ」と感じられていたことも、つらいことではあるが、否定するのではなく肯定する気持ちに変化していることをみてきました。

 本講演では、八王子市近郊の平川病院外来作業療法科におけるメンバーの絵画表現について報告し、どのように生きる意欲を取り戻しているかを具体的に示したいと思います。

 

【講師略歴】

藤澤三佳(ふじさわ・みか)

1988 年京都大学文学研究科博士後期課程単位取得修了( 社会人間学)。1992年京都芸術短期大学、2000年から京都造形芸術大学(現京都芸術大学)。主著『生きづらさの自己表現 ~アート によってよみがえる「生」』晃洋書房(2014年)。また本学では、学生と共に、精神病院における造形活動等に関する展覧会をおこなう。主な企画展に「平川病院展」、「臨床のアート展」、「無心の画家たち:知的障害者更生施設みずのきアトリエの絵画」、「臨”生”のアート展」(ギャルリ・オーブ)。芸術推進研究機構理事。親の会そよかぜステーション世話人。

 

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【芸術研究の世界】 (タイトルは科研の採択課題です。講演内容は追ってご連絡します)

11月2日 戸坂明日香 「不気味の谷」を超える復顔法の研究

12月7日 前川志織 戦間期日本の嗜好品広告における間メディア性

1月11日 宇佐美智之 中央アジア・オアシス地帯における都市の成立と展開:ザラフシャン川流域を中心として

2月1日 大西宏志 オーラル・ヒストリー 芸術運動としての広島国際アニメーションフェスティバル研究

3月1日 牛田あや美 日本統治下の漫画家・北宏二/金龍煥の懸隔

※日程は講師の都合等で変更の可能性があります

日程2022年10月4日
時間18:30 - 20:00
費用無料
対象京都芸術大学教職員、学生
申込方法学内掲示板・学生専用サイト(通学・通信)をご確認ください
主催文明哲学研究所

『児童心理学・発達科学ハンドブック』

2022年9月13日

出版・メディア情報

 福村出版より刊行された『児童心理学・発達科学ハンドブック』(2022年9月1日出版,原題:Handbook Of Child Psychology And Developmental Science)で、第2巻21章「芸術の発達」の翻訳を齋藤亜矢が担当しました。

 

『児童心理学・発達科学ハンドブック』

https://www.fukumura.co.jp/book/b612437.html

芸術研究の世界#13「芸術するこころの科学2: ヒトはなぜ動物を描くのか」

2022年9月8日

アクティビティ

 2022年9月7(水)18:30より、文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界#13」をzoomにて開催いたしました。

 

芸術研究の世界#13

「芸術するこころの科学2: ヒトはなぜ動物を描くのか」

講演者:齋藤亜矢(文明哲学研究所/教授)

日 時:2022年9月7日(水)18:30-20:00

参加者:36名(京都芸術大学教職員・学生)

*講演概要ほか詳細:https://www.kyoto-art.ac.jp/iphv/topics/5086/

 

 

【参加者感想(一部抜粋)】 

*とても面白かったです!弥生人の絵が記号的に見えるのに比べ、旧石器時代のヨーロッパの洞窟壁画のリアリティの違いが不思議でした。一つには、前者は弥生式土器という平面的な支持体の上に描かれており、スキーマが浅めで、後者は暗闇の洞窟のデコボコの支持体に、松明の炎の揺らめきから触発された、あたかもそこに生きた動物がいるように見立てたことによるリアリティの差があるのかと想像しました。それにしても、ラスコーやショーヴェ洞窟にみられる動物の描写は、なぜあんなに生き生きと見えるのでしょう。試し描きもあるかも知れませんが、とても完成度が高いのが驚きです。比較して、ヒトが棒人間みたいなのは、やはり当時の生活の中での重要性の反映なのかと思いました。

 

*描かれている絵の中に生活が見えるところや、経験を伝えようとするところがこどもたちの絵もそうだなと思いました。齋藤先生が「だってこうしかみえないんだもん」と言われたのが印象的で、思いこむ力が表現につながっているたのかなと考えると、こどもたちがこれしかないと自分の思いを表現する姿につながるなあと興味深かったです。

 

*普段、あまり触れることのないテーマだったので、大変興味深く拝見させていただきました。旧石器時代のウマやバイソンと日本の弥生時代のシカやイノシシとの描写の違いに驚きました。この時代から既にものの形を単純化(フラットな描写)する文化があったのかと思いました。一見、描写技術の問題なのかとも思いましたが、そうではないとも感じました。

 

*お話の最後にあった「見立ての想像力」で絵を描くことを楽しんだり、壁の影や岩の形の偶然性に驚いたり、霊的なものを感じたりしたという感想にとても共感しました。旧石器時代の人々は飢えを凌ぐために緊張感のある中で娯楽として絵を描く余裕はなかったのかもしれませんが、動物から身を守るため、寒さを凌ぐために洞窟で過ごすことが多いと想像すると、手強い動物を壁に描いて自分が狩りをして英雄になった気分に浸るなど変身願望的なものもあったのでは、と想像すると楽しくなります。

 

 

***齋藤先生よりコメントをいただきました***

 

ご感想をお寄せいただき、ありがとうございます。
とてもはげみになります。
 
 弥生時代の絵は、土器や木の板、銅鐸の表面などに小さく描かれているので記号的に描かざるを得ないところもあったのだと思います。いっぽう旧石器時代の洞窟壁画に描かれた動物は、大きな絵も多く、実物だとさらにリアリティを感じます。逆に、あれだけ動物を写実的に描く技術を持ちながら人物は写実的に描こうとせず、描くとしても棒人間とか、動物の姿を模して描かれることが、謎めいていて、とてもおもしろいですね。もしかすると、絵に描くと魂を吸い取られると信じられていて、特定の人物とわかるような描写を避けたのではないか、などと妄想がふくらみます。
 
 また、動物によって描かれやすさが違うことについて、動物の気性、おいしさ、解体などの食べるまでの手間なども関連しているのではないか、などのご意見もいただきました。
狩猟採集生活をしていた当時の人々の視点に立って、いろいろな可能性を検討するとおもしろそうですね。(齋藤亜矢)

 

 

 

ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。

今後もzoom等を活用しながらセミナーや研究会などを開催する予定です。一般公開セミナー開催の際はこのホームページにてお知らせいたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください。

 

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【文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界」】

このセミナーの講師は、文部科学省科学研究費(通称:科研費)の研究代表者である、8名の本学教員です。科研費は、人文・社会科学から自然科学まで、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として国から支給される研究費で、厳正な審査を経て採択され、数年間、申請した研究計画に沿って研究に取り組み、その成果を公表します。オンラインセミナー「芸術研究の世界」では、本学の教員が現在取り組んでいる芸術研究について、その研究を発想した経緯や研究の面白さ、難しさなども含めて存分に語っていただきます。セミナーでの質疑を通して、参加者の皆さんとともに、芸術研究の奥行きと拡がりに触れる機会となることを願っています。

 

【今後の予定】 (タイトルは科研の採択課題です。講演内容は追ってご連絡します)

10月4日 藤澤三佳 生きづらさと社会的承認に関する社会学研究~多様な表現と他者からの共感を通して 

11月2日 戸坂明日香 「不気味の谷」を超える復顔法の研究

12月7日 前川志織 戦間期日本の嗜好品広告における間メディア性

1月11日 宇佐美智之 中央アジア・オアシス地帯における都市の成立と展開:ザラフシャン川流域を中心として

2月1日 大西宏志 オーラル・ヒストリー 芸術運動としての広島国際アニメーションフェスティバル研究

3月1日 牛田あや美 日本統治下の漫画家・北宏二/金龍煥の懸隔

※日程は講師の都合等で変更の可能性があります

芸術研究の世界#13「芸術するこころの科学2: ヒトはなぜ動物を描くのか」

2022年8月31日

アクティビティ

日程終了しました

 9月7日(水)18:30より、文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界#13」を開催いたします。

 

 このセミナーは、一か月に一度実施します。セミナーの講師は、昨年度から引き続き、文部科学省科学研究費(通称:科研費)の研究代表者である8名の本学教員です。科研費は、人文・社会科学から自然科学まで、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として国から支給される研究費で、厳正な審査を経て採択され、数年間、申請した研究計画に沿って研究に取り組み、その成果を公表します。

 オンラインセミナー「芸術研究の世界」では、本学の教員が現在取り組んでいる芸術研究について、その研究を発想した経緯や研究の面白さ、難しさなども含めて存分に語っていただきます。セミナーでの質疑を通して、参加者の皆さんとともに、芸術研究の奥行きと拡がりに触れる機会となることを願っています。

 

 

芸術研究の世界#13

「芸術するこころの科学2: ヒトはなぜ動物を描くのか」

講演者:齋藤亜矢(文明哲学研究所/教授)

日 時:2022年9月7日(水)18:30-20:00

対 象:京都芸術大学教職員、学生

 

【講演概要】

 進化の過程で芸術はなぜ生まれたのか。芸術するこころの基盤について研究しています。昨年度の「芸術研究の世界 #9」では、ヒトの子どもとチンパンジーを対象とした描画実験と物遊びの研究を手がかりに、見立ての想像力や言葉の獲得、道具の制作や使用、遊びが、芸術の起源に深く関わっているのではないかというお話をしました。さて、人類最古の絵とされる旧石器時代の洞窟壁画に描かれたモチーフのほとんどは動物です。むかしの人はなぜ動物ばかり描いたのか? 弥生人が描いた動物とは? 今回は動物を描くことについて考えてみたいと思います。
 
(昨年度のトーク)
芸術研究の世界#9 「芸術するこころの科学:進化の視点からのアプローチ」 
 
ART meets SCIENCE #6「絵画とリアリティ」
「写実的に描くのはなぜむずかしいのか」 
https://www.kyoto-art.ac.jp/iphv/topics/4784/
 

【講師略歴】

齋藤亜矢(さいとう・あや)
京都大学理学部卒、同大学院医学研究科修士課程修了、東京藝術大学美術研究科博士後期課程修了。博士(美術)。京都大学野生動物研究センター特任准教授(兼任)。著書に『ヒトはなぜ絵を描くのか:芸術認知科学への招待』『ルビンのツボ:芸術する体と心』(岩波書店)。共著に『進化でわかる人間行動の事典』(朝倉書店)、日本文藝家協会編『ベスト・エッセイ2020』(光村図書)など。連載に、京都新聞「現代のことば」、『月刊アート・コレクターズ』展覧会レビュー。

 

 

【芸術研究の世界】 (タイトルは科研の採択課題です。講演内容は追ってご連絡します)

10月4日 藤澤三佳 生きづらさと社会的承認に関する社会学研究~多様な表現と他者からの共感を通して 

11月2日 戸坂明日香 「不気味の谷」を超える復顔法の研究

12月7日 前川志織 戦間期日本の嗜好品広告における間メディア性

1月11日 宇佐美智之 中央アジア・オアシス地帯における都市の成立と展開:ザラフシャン川流域を中心として

2月1日 大西宏志 オーラル・ヒストリー 芸術運動としての広島国際アニメーションフェスティバル研究

3月1日 牛田あや美 日本統治下の漫画家・北宏二/金龍煥の懸隔

※日程は講師の都合等で変更の可能性があります

日程2022年9月7日
時間18:30 - 20:00
費用無料
対象京都芸術大学教職員、学生
申込方法学内掲示板・学生専用サイト(通学・通信)をご確認ください
主催文明哲学研究所
文明哲学研究所

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