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芸術研究の世界#12「写真が生み出す『現実』と『自己』——セルフィ研究に至るまで」

2022年7月25日

アクティビティ

日程終了しました

 8月3日(水)18:30より、文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界#12」を開催いたします。

 

 このセミナーは、一か月に一度実施します。セミナーの講師は、昨年度から引き続き、文部科学省科学研究費(通称:科研費)の研究代表者である8名の本学教員です。科研費は、人文・社会科学から自然科学まで、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として国から支給される研究費で、厳正な審査を経て採択され、数年間、申請した研究計画に沿って研究に取り組み、その成果を公表します。

 オンラインセミナー「芸術研究の世界」では、本学の教員が現在取り組んでいる芸術研究について、その研究を発想した経緯や研究の面白さ、難しさなども含めて存分に語っていただきます。セミナーでの質疑を通して、参加者の皆さんとともに、芸術研究の奥行きと拡がりに触れる機会となることを願っています。

 

 

芸術研究の世界#12

「写真が生み出す『現実』と『自己』——セルフィ研究に至るまで」

講演者:江本紫織(通信教育部芸術学部リベラルアーツセンター 専任講師)

日 時:2022年8月3日(水)18:30-20:00

対 象:京都芸術大学教職員、学生

 

【講演概要】

私たちは日々、写真を撮ること、見ることを繰り返しています。しかし、写真やカメラを通してどのような経験をしているのか?と改めて問われると、明確に答えることは難しいのではないでしょうか。この問いに答えるために取り組んできたのが「写真を見ることによって意識される『現実』の性質」についての研究であり、現在行っている「セルフィ(自撮り)における『自己』とは何か」を問う科研費研究課題です。

本講演では現在の研究課題に至るまでの経緯とセルフィに関する研究の概要についてお話しします。

 

【講師略歴】

江本紫織(えもと・しおり)

2018年、九州大学大学院人文科学府博士後期課程単位修得退学。博士(文学)。西南学院大学国際文化学部非常勤講師、九州大学大学院人文科学研究院助教などを経て、2022年4月より現職。写真に関する理論的研究を中心に、ARの虚構性と藝術体験の関係についての研究にも取り組む。

近年の論考に「フォトリアルとはなにか——リヒターから遡行する」『ユリイカ(特集=ゲルハルト・リヒター)』青土社、2022年6月号、「「なりたい自分」はスマホの中——視覚イメージのリアリティ(連載)」『ミネルヴァ通信「究」』ミネルヴァ書房、2021年5月〜(連載中)。

 

【芸術研究の世界】 (タイトルは科研の採択課題です。講演内容は追ってご連絡します)

9月7日 齋藤亜矢 描画のプロセスにおける想像と創造の関わりの検証

10月4日 藤澤三佳 生きづらさと社会的承認に関する社会学研究~多様な表現と他者からの共感を通して 

11月2日 戸坂明日香 「不気味の谷」を超える復顔法の研究

12月7日 前川志織 戦間期日本の嗜好品広告における間メディア性

1月11日 宇佐美智之 中央アジア・オアシス地帯における都市の成立と展開:ザラフシャン川流域を中心として

2月1日 大西宏志 オーラル・ヒストリー 芸術運動としての広島国際アニメーションフェスティバル研究

3月1日 牛田あや美 日本統治下の漫画家・北宏二/金龍煥の懸隔

※日程は講師の都合等で変更の可能性があります

日程2022年8月3日
時間18:30 - 20:00
費用無料
対象京都芸術大学教職員、学生
申込方法学内掲示板・学生専用サイト(通学・通信)をご確認ください
主催文明哲学研究所

芸術研究の世界 特別講演

2022年7月7日

アクティビティ

 2022年7月6日(水)18:30より、文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界 特別講演」をzoomにて開催いたしました。

 

芸術研究の世界 特別講演

「芸術とお金の密かな関係」

講演者:吉岡洋(文明哲学研究所 教授)

日 時:2022年7月6日(水)18:30-20:00

参加者:175名(京都芸術大学教職員・学生)

*講演概要ほか詳細:https://www.kyoto-art.ac.jp/iphv/topics/5040/

 

 

【参加者感想(一部抜粋)】 

*美術作品が資本主義の商品とは別のところにあるということを理解しました。一方で工芸品は道具の側面も持っており、制作技術や労働・修練にかけた時間がある程度価値に反映するものとも感じました。

*自分を安売りしない、というのはどの分野にも通じるものだと大変勇気づけられました。

*今まであまり考えたことのなかった発想で、新しい観点としてこれからの学習にも生活してゆく上でも非常に参考になりました。

*芸術の世界もプロスポーツとして活躍する選手たち同様にマネジメント(第三者による)が必要なのかもしれないということを感じました。また、日本人の美徳(遠慮することなど)の良さは守りつつも時には、それではダメであるということを学ぶ機会となりました。

*哲学的であり、身近でありました。元々、役に立つから〇〇する、反対に役に立たなそうだから〇〇しない…という考え方は好きではありませんでした。他人からは無駄と思われる諸々の自分の趣味(?)の世界、学びの世界を肯定していただけたようで、嬉しかったです。

*「集中と選択は危険」と仰っていましたが、本当にそうだと思います。私も一つのことを極めたいという気持ちがありながらも、やりたいことが多すぎるタイプなのですが、関係ないように思えても、いつかは何かにまとまっていくと思っていろいろやってみています。「役に立つかどうか」は判断するためではなくおどしの言葉、というのも納得しました。

*「清貧」とか、ヴェニスの商人のシャイロックとか、ぼんやりと考えていたことを言語化していただいてスッキリしました。

*「お金」を出発点に語られる様々な価値についてのお話、大変興味深かったです。特に予測できないようなものが生み出されるために必要な環境については、価値の発見や享受のために必要なものとも重なるように感じ、その難しさについて考えさせられました。

 

 

ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。

今後もzoom等を活用しながらセミナーや研究会などを開催する予定です。一般公開セミナー開催の際はこのホームページにてお知らせいたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください。

 

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【文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界」】

このセミナーの講師は、文部科学省科学研究費(通称:科研費)の研究代表者である、8名の本学教員です。科研費は、人文・社会科学から自然科学まで、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として国から支給される研究費で、厳正な審査を経て採択され、数年間、申請した研究計画に沿って研究に取り組み、その成果を公表します。オンラインセミナー「芸術研究の世界」では、本学の教員が現在取り組んでいる芸術研究について、その研究を発想した経緯や研究の面白さ、難しさなども含めて存分に語っていただきます。セミナーでの質疑を通して、参加者の皆さんとともに、芸術研究の奥行きと拡がりに触れる機会となることを願っています。

 

【今後の予定】 (タイトルは科研の採択課題です。講演内容は追ってご連絡します)

8月3日 江本紫織 経験における撮影の位置付け-セルフィにおける「自己」の性質と作用関係の点から

9月7日 齋藤亜矢 描画のプロセスにおける想像と創造の関わりの検証

10月4日 藤澤三佳 生きづらさと社会的承認に関する社会学研究~多様な表現と他者からの共感を通して 

11月2日 戸坂明日香 「不気味の谷」を超える復顔法の研究

12月7日 前川志織 戦間期日本の嗜好品広告における間メディア性

1月11日 宇佐美智之 中央アジア・オアシス地帯における都市の成立と展開:ザラフシャン川流域を中心として

2月1日 大西宏志 オーラル・ヒストリー 芸術運動としての広島国際アニメーションフェスティバル研究

3月1日 牛田あや美 日本統治下の漫画家・北宏二/金龍煥の懸隔

※日程は講師の都合等で変更の可能性があります

芸術研究の世界 特別講演

2022年6月30日

アクティビティ

日程終了しました

 7月6日(水)18:30より、2022年度文哲研オンラインセミナー「芸術研究の世界」特別講演を開催いたします。

 

 このセミナーは、一か月に一度実施します。セミナーの講師は、昨年度から引き続き、文部科学省科学研究費(通称:科研費)の研究代表者である8名の本学教員です。科研費は、人文・社会科学から自然科学まで、あらゆる分野の優れた研究を発展させることを目的として国から支給される研究費で、厳正な審査を経て採択され、数年間、申請した研究計画に沿って研究に取り組み、その成果を公表します。

 オンラインセミナー「芸術研究の世界」では、本学の教員が現在取り組んでいる芸術研究について、その研究を発想した経緯や研究の面白さ、難しさなども含めて存分に語っていただきます。セミナーでの質疑を通して、参加者の皆さんとともに、芸術研究の奥行きと拡がりに触れる機会となることを願っています。

 

 

芸術研究の世界 特別講演

「芸術とお金の密かな関係」

講演者:吉岡洋(文明哲学研究所 教授)

日 時:2021年7月6日(水)18:30-20:00

対 象:京都芸術大学教職員、学生

 

【講演概要】

芸術はお金儲けではない、と普通思われています。芸術家はしばしば極度に貧乏だったり、逆に非常識な浪費をする人もいますが、いずれにせよお金に無頓着であることは、その人が芸術家としてより「ピュア」である証拠のように受け取られます。芸術作品は、誰も認めなければ一文の値打ちもないただのゴミですが、多くの人が高く評価する作品は、信じられないような高額で売り買いされたりします。近代文学の中では、お金持ちや資本家はしばしば悪役として登場し、そこではお金儲けや資本主義自体が「悪」であるかのように扱われてきました。しかしこのように、芸術活動とお金儲けが互いに鋭く相反するもののように考えられていることは、逆に両者の間には強い繋がりが隠れているということを示しているのかもしれません。そのことを、様々な実例に即して考えてみたいと思います。

 

【講師略歴】

吉岡洋(よしおか・ひろし)

京都芸術大学文明哲学研究所教授。京都大学文学部・同大学院修了(美学芸術学)。甲南大学、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)、京都大学文学部、こころの未来研究センター教授を経て現職。著書に『情報と生命』(新曜社、1993年)、『〈思想〉の現在形』(講談社、1997年)など。批評誌『Diatxt.』(ダイアテキスト)1~8号の編集、「京都ビエンナーレ2003」のディレクターをつとめた他、「SKIN-DIVE」展(1999)、「京都ビエンナーレ2003」、「大垣ビエンナーレ2006」などの展覧会を企画。映像インスタレーション作品「BEACON」プロジェクトチームメンバー。文化庁世界メディア芸術コンベンション(ICOMAG)座長(2011-2013)。美学会会長。日本学術会議哲学委員長。

 

【芸術研究の世界】 (タイトルは科研の採択課題です。講演内容は追ってご連絡します)

8月3日 江本紫織 経験における撮影の位置付け-セルフィにおける「自己」の性質と作用関係の点から

9月7日 齋藤亜矢 描画のプロセスにおける想像と創造の関わりの検証

10月4日 藤澤三佳 生きづらさと社会的承認に関する社会学研究~多様な表現と他者からの共感を通して 

11月2日 戸坂明日香 「不気味の谷」を超える復顔法の研究

12月7日 前川志織 戦間期日本の嗜好品広告における間メディア性

1月11日 宇佐美智之 中央アジア・オアシス地帯における都市の成立と展開:ザラフシャン川流域を中心として

2月1日 大西宏志 オーラル・ヒストリー 芸術運動としての広島国際アニメーションフェスティバル研究

3月1日 牛田あや美 日本統治下の漫画家・北宏二/金龍煥の懸隔

※日程は講師の都合等で変更の可能性があります

 

日程2022年7月6日
時間18:30 - 20:00
費用無料
対象京都芸術大学教職員、学生
申込方法学内掲示板・学生専用サイト(通学・通信)をご確認ください
主催文明哲学研究所

英語名称が変更になりました

2022年6月10日

その他

 文明哲学研究所の英語名称が「Institute for Philosophy and Science of Art(IPSA)」へ変更となりました。

今後とも、文明哲学研究所をどうぞよろしくお願い申し上げます。

科研費:ニュースレター『出ゆーらしあ』

2022年6月6日

出版・メディア情報

 科研費 新学術領域研究「出ユーラシアの総合的人類史学」のニュースレター『出ゆーらしあ』に、齋藤亜矢が寄稿しました。

 

*『出ゆーらしあ』はwebサイトよりお読みいただけます。

http://out-of-eurasia.jp/newsletter/index.html

 

文明哲学研究所

2015年度以前