2022年11月24日
アクティビティ
日程終了しました
2022年12月19日(月)、2023年1月16日(月)23日(月)の3日間、学内教職員・学生対象のオンラインセミナー文哲研3days#5「エコロジーを思考するアート?」を開催します。
文哲研3days#5「エコロジーを思考するアート?」
講演者:大久保美紀(パリ第8大学講師、A I-AC, TEAMeD)
司会・ディスカッサント:吉岡洋(文明哲学研究所 教授)
【講演日程】
① 2022年12月19日(月) 18:00-19:30 「エコロジーとアート」
② 2023年1月16日(月) 18:00-19:30 「エコロジーと資本主義」
③ 2023年1月23日(月) 18:00-19:30 「科学、信仰、そしてアート」
【講演概要】
① 2022年12月19日(月) 18:00-19:30 「エコロジーとアート」
エコロジーとアートは、そもそも同時に語りうるのか。もちろん環境問題に関心を持つアーティストの活動やアートのエコロジカルな振る舞いについて言及し、それを批評することはできます。けれども私は、気候大変動や生態系破壊が今日世界の切迫した危機として語られる状況の中で、アートもまたエコロジーを語るべきだと自負する事態の自明性を、まず疑ってみたい。そのきっかけとして、私が2017年から続けてきた取り組みである〈ファルマコン〉(ギリシャ語で毒=薬を意味する)をテーマとした展覧会実践を紹介します。また、2018年から昨年まで「現代社会における〈毒〉の重要性」と題されたグループ研究に参加していたのですが、なぜ〈毒〉や〈ファルマコン〉が今日の芸術表現を考える上で重要な問題なのか、ものごとの両義性という観点から考えてみます。
*YouTube「展覧会ファルマコン」
https://www.youtube.com/channel/UCRKfdRRiMTnanfywsxhtNwQ/videos
② 2023年1月19日(月) 18:00-19:30 「エコロジーと資本主義」
9月に開催された日本記号学会のシンポジウムで「人新世を生きる芸術―「エコロジー」を語らねばならない時代に」という発表をしました。昨今のアートがこぞってエコロジー危機に言及する背景に産業的戦略―つまり、資本主義の圧力―があり、「人新世」という用語のPRは、科学が芸術(や文化)を道具として利用する手段なのだ、という批判的な考えです。2010年代には、ブリュノ・ラトゥールのZKMでの二つの展覧会をはじめ、気候変動の危機にかんして数多くの〈啓蒙的〉展覧会が開催され、フランスの精神学者であるフェリックス・ガタリが『三つのエコロジー』(1989)で示したような、エコロジーの包括的取り組みの重要性が叫ばれました。この内容を紹介しつつ、アートの取り組みをSDGs、資本主義とコミュニズム、アクティヴィストの活動との関係から考えたいと思います。
③ 2023年1月26日(月) 18:00-19:30 「科学、信仰、そしてアート」
コロナ禍の社会が「集うこと」を禁じ、集団礼拝や葬儀を蔑ろにする状況を目の当たりに「芸術は〈超越者〉に向けられる」ことを強く実感し、「捧げもの」に関する二つの展覧会を開催しました(2021, 2022)。〈超越者〉とは、〈あの世〉の〈神〉、死者やこれから生まれる者、あるいは信仰の対象となるもののことです。作曲家の三輪眞弘は、芸術(音楽)の本質を〈奉納〉とし、高度なテクノロジーが支配する世界を生きる私たちが信仰するのは、科学やテクノロジーを裏付ける純粋論理(数)であると述べ、「逆シミュレーション音楽」(コンピュータでシミュレーションできるアルゴリズムを人間の身体を通じて〈奉納〉する音楽)を実践しています。アートが本当の意味でエコロジーを思考し、それにとって有機的に振る舞うためには、テクノロジーの時代の信仰の問題をもう一度考えて見る必要がありそうです。このような考察を通じてこそ、私たちを苦しめる数々の〈生権力〉に抗う、真のエコロジー思想に至ることができます。
【講師略歴】
大久保 美紀(おおくぼ・みき)
1984 年札幌生まれ。京都大学 文学部卒業(美学美術史学専攻)、同大学院人間環境学研究科修士課程修了(文明論考座)。2009年よりフランスへ留学、パリ第8大学大学院修士過程修了・博士課程修了(2015)。博士論文のテーマは「メディア時代の自己表象」、博士課程在学時より同大学造形芸術学部で教える(2013-)。INSEEC Business School ParisやAUTOGRAFなどで日本語・日本文化を教授。専門は、美学、現代芸術論。2017年より医療とエコロジーの領域における芸術表現を模索し、キュレータとして活動。2021年、芸術による感化を目的とした任意団体art-sensibilisation(アートサンシビリザシオン)を設立、代表を務める。「ファルマコン」をテーマとしたシリーズ展を毎年開催している。主著に « Exposition de soi à l’époque mobile/liquide »(可動的/流動的時代の自己表象, Connaissances et Savoirs社, 2017)など。
日程 | 2022年12月19日 - 2023年1月26日 |
---|---|
時間 | 18:00 - 19:30 |
費用 | 無料 |
対象 | 京都芸術大学教職員、学生 |
申込方法 | 学内掲示板・学生専用サイト(通学・通信)をご確認ください |
主催 | 文明哲学研究所 |
2022年11月20日
ART meets SCIENCE
2022年11月18日
出版・メディア情報
2022年11月16日
ART meets SCIENCE
2022年11月15(火)18:30より、文哲研オンラインセミナーART meets SCIENCE#10「木を見て森も見る」をzoomにて開催いたしました。
ART meets SCIENCE#10
「木を見て森も見る」
講師:湯本貴和(京都大学名誉教授/京都芸術大学文明哲学研究所客員教授)
日時:2022年11月15日(火)18:30-20:00
参加者:72名(京都芸術大学教職員・学生)
*講演概要ほか詳細:https://www.kyoto-art.ac.jp/iphv/topics/5135/
【参加者感想(一部抜粋)】
*「木を見て森も見る」というテーマをとっても新鮮でした。近所にはアカマツ林の多い森林公園があり、それらは様々な時代背景や人や動物の個の関わりから森林や花が今に残っていることをわずかに知ることができました。特に花の形や色にも科学的な根拠があることを私は知らず、誤解していましたので、今後、観察する上で大変勉強になりました。
*絵からもその時代の森や木の生態を知れるというのが面白いなと思いました。
*安藤忠雄氏の、瀬戸内でのどんぐり活動とリンクして面白かったです。以前に地元の山林を探索したので、今後も引き続き調査してみます。
*森の姿が歴史と共に変わっていくのを知り大変興味を惹かれました。また、里山を守ることが生物の多様性を守ることになると言うことを改めて感じ、自分には何ができるのか考えさせられました。
ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。
今後もzoom等を活用しながらセミナーや研究会などを開催する予定です。一般公開セミナー開催の際はこのホームページにてお知らせいたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください。
——————————————————–
—–ART meets SCIENCEとは
「心を深く成長させるには、芸術の科学を学ぶこと、科学の芸術を学ぶこと、感覚を磨いて物の見方を身につけること。どんなものにもつながりがあるはずです」
ART meets SCIENCE (AMS)は、レオナルド・ダ・ヴィンチのこの言葉にならい、アートやデザイン、表現を志す学生の刺激になりそうな「おもしろい」人をさまざまな分野からお呼びして、お話をうかがう企画です。
2022年11月4日
出版・メディア情報
日程終了しました
日程 | 2022年10月22日 - 2023年3月31日 |
---|---|
場所 | 瑞鳳殿資料館 |
費用 | 要観覧入場券 |
URL | 瑞鳳殿 |