2011.03.30

川村毅+浅田彰!パゾリーニを語る。映画「テオレマ」上映会開催!

舞台『豚小屋』公演関連企画

21世紀のパゾリーニのために
-映画『テオレマ』上映&トーク-

川村毅(京都造形芸術大学舞台芸術学科学科長)+ 浅田彰(京都造形芸術大学大学院長)
日時:4/20(水)18:00開場、18:10スタート
※トーク終了後、映像上映いたします。
会場:映像ホール(人間館B1階)
主催:京都造形芸術大学舞台芸術研究センター
料金:無料(要事前申込み)
予約方法:下記に[1、氏名 2、人数 3、連絡先(電話番号・メールアドレス)]をお知らせください。メールでのお申し込みの際には件名を【「豚小屋」関連企画予約】としてください。
予約・お問合せ:京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター
tel.075-791-9437 fax.075-791-9438
mail.k-pac@kuad.kyoto-art.ac.jp
21世紀のパゾリーニのために
20世紀を生きた彼は、〈過去の力〉と詩に書いた。それはノスタルジーに過ぎないとして同時代の作家達は批判したが、そんな批判彼は十分予想できていただろう、その力をいかにして現在に有効なビジョンとして作動できるかが彼にとっては重要であり、その死は思考と試行の格闘の末の戦死と呼ぶにふさわしい。
21世紀、パゾリーニが記述した〈過去の力〉は未来の力へと連動する。資本主義システムの綻びが随所に露呈してきた今、パゾリーニは召還される。
しかし、彼は英雄的思想家ではなく、巨匠的映画監督でもない。そのようにして召還されるならば、それらは文字通り、単なる過去の力、ノスタルジーと机上の学習でしかない。
彼は、大いなる矛盾だ。矛盾を生き、矛盾を描き、矛盾を残した。
その矛盾のマグマが今でもあちらこちらでボーボー燃えている。
「21世紀のパゾリーニのために」という意味は、その矛盾を召還することであり、可能な限り私たちが、この世紀のパゾリーニになってしまおうという怖ろしい試みでもある。
まだ余震の止まない三月下旬の東京にて   川村 毅
Teorema 
1968年イタリア作品 94分 
監督・脚本 ピエル・パオロ・パゾリーニ 
撮影 ジョゼッペ・ルッツォリーニ 
音楽 エンニオ・モリコーネ
製作 マノロ・ボロニーニ
キャスト ルチア・シルヴァーナ・マンガーノ、テレンス・スタンプ他
ピエル・パオロ・パゾリーニ P.P.Pasolini
1922年イタリア・ボローニャで、ファシスト軍人の父と元教師の母の長男として生まれる。22歳で処女詩集「カザルサ詩集」を自費出版。終戦前に弟グイードがパルチザンの内紛により20歳で死亡。カザルサで教師になるが、共産党に入党、地域のリーダーとして活躍する。しかし政敵から「ホモセクシュアルが未成年を堕落させている」と密告され、共産党から除名される。極貧の中で詩作・小説執筆を続け、1956年フェデリコ・フェリーニ監督より「カリビアの夜」共同脚本の依頼を受けたのをきっかけに、次々と映画作品を発表、国際的評価を得る。1975年「ソドムの市」撮影直後、ローマ郊外の海岸で他殺体で発見されたが、事件の真相は未だ不明。