2021.06.25

KUA ANNUAL 2022 選考結果発表

6月18日・19日に実施された2次選考の結果、以下のとおり「KUA ANNUAL 2022」の出展作家およびアシスタント・キュレーターが決定しました。今年も12月のプレヴュー展(ギャルリ・オーブ)、2月の本展(東京都美術館)に向けて、KUA ANNUALチームが始動します。ぜひ今後の活動にご注目ください。

 

KUA ANNUAL 2022 最終選考結果

作家 15組18名(順不同)
松田ハル(大学院 グローバル・ゼミ)
太田恵以(大学院 グローバル・ゼミ)
大澤巴瑠(大学院 美術工芸領域)
長田綾美(大学院 美術工芸領域)
岩橋優花(大学院 美術工芸領域)
向珮瑜(大学院 美術工芸領域)
Alma Schanzer(大学院 博士課程芸術専攻)
O LAMLAM(美術工芸学科 日本画コース)
高尾岳央(美術工芸学科 油画コース)
柴田眞緒(美術工芸学科 油画コース)
高橋順平(美術工芸学科 油画コース)
吉田千晴(美術工芸学科 総合造形コース)
戸田樹(美術工芸学科 総合造形コース)
大野裕和(美術工芸学科 総合造形コース)
東九条耕す計画ただいも(グループ/情報デザイン学科1名、美術工芸学科3名)

アシスタント・キュレーター 5名
清田菜央(大学院 グローバル・ゼミ)
Zhao Yuehan(大学院 グローバル・ゼミ)
阿部リサ(アートプロデュース学科)
渋谷茉央(アートプロデュース学科)
勝見紗耶(アートプロデュース学科)

以上

 

応募者数 87組106名
アシスタント・キュレーター 11名
作家(個人出展) 68名
作家(グループ出展) 8組27名

1次選考通過者 31組43名
アシスタント・キュレーター 6名
作家(個人出展) 23名
作家(グループ出展) 2組(14名)

総評 

服部浩之(KUA ANNUAL 2022 ディレクター)

まず何よりも、たくさんのご応募をいただきありがとうございました。様々な学科や専攻の幅広い学生さんからの応募があったこと、大変嬉しく思いました。応募してくれた一人一人とお会いしてお話したいところですが、限られた状況でそれは叶わないため、総評というかたちでコメントをいたします。

アシスタント・キュレーターには10名を超える応募があり、一次選考では2本の短いエッセイを書いてもらいました。エッセイでは、現代美術や展覧会に関する知識や経験だけでなく、どのような考えかたを持っているかの価値観やモチベーションを読み取ろうと試みました。二次の面談は短い時間ですがその人のキャラクターを掴みたいと思いました。なぜならこの展覧会は、これから新たな作品を制作するアーティストと一緒に作り上げるものだからです。
応募者には、すでにキュレーションの経験を持つ即戦力となる人やアートマネジメントを専門的に学ぶ人から、経験はないけれど展覧会づくりに挑戦してみたいという人まで様々でした。KUA ANNUALは、ゼロからキュレーションを学ぶための場所というより、限られた時間で密度の高い展覧会を実現しなければならないため、今回のアシスタント・キュレーターの選考においては、ある程度この展覧会に参加する(キュレーションやアートマネジメントなどに対する)目標や野望が明確な学生をメンバーに選出いたしました。

アーティストについては、80組近い応募がありました。みなさんの作品や活動の幅は広く、とても刺激的でした。活動プランとポートフォリオの2種類の書類のみによる一次選考は非常に困難でした。一次選考では、活動プランにおいては「C|接触と選択」というテーマをどのように考えたかについての各作家の応答の仕方に重点を置いて検討しました。明らかにテーマに応答していない人は、たとえポートフォリオが素晴らしくても展覧会を一緒につくるのは難しいと感じ、選出できませんでした。活動プランを理解したうえでポートフォリオを拝見し、これまでどのような活動をしてきたのかを知り、今回の展覧会における可能性を捉えようと試み、25名の方を二次選考に選出しました。
面談では、実際に作家と対面し作品を直接見せていただくことで、ポートフォリオや活動プランからは見えない圧倒的な情報量を得ることができました。短い時間でしたが、面談できた人の作品や活動に関してはかなり理解が進んだと思います。作品を丁寧に紹介してくれる人、活動プランについて話してくれる人、その場でパフォーマンスを実践する人など、多彩な表現があり、大変刺激に富む時間でした。面談では、実際にどんな人なのだろうかということを見ているだけでなく、制作に関する考え方や進め方、アートや表現活動とどのように向き合っているのかを捉えようと試みました。そのうえで、各作家の個別の活動のオリジナリティや未知の可能性、そして新しいチャレンジをしていることを最も重要視し、同時に展覧会としての完成像を想像しつつ全体のバランスなども検討し、最終的に15名を選出しました。
KUA ANNUAL 2022に参加するみなさんは、全員がこれから新たな作品を作り始めることになると思います。そのためどんな展覧会になるかは僕にとってもまだまだかなり未知です。ぜひよい展覧会が実現できるように、楽しみつつ踏ん張っていきましょう。また、今回は残念ながら選ばれなかった人も、各々の今後に向けてこの展覧会がどのようなものになるか注目してもらえると嬉しいです。