2023.07.12

DOUBLE ANNUAL 2024 出展作家/アート・メディエーター最終選考結果発表

7月8日・9日に実施された2次選考の結果、以下のとおり「DOUBLE ANNUAL 2024」の出展作家およびアート・メディエーターが決定しました。今年も12月のプレヴュー展(ギャルリ・オーブ)、2月~の本展(国立新美術館)に向けて、DOUBLE ANNUALチームが始動します。ぜひ今後の活動にご注目ください。

DOUBLE ANNUAL 2024最終選考結果

作家 10組10名(順不同)

京都芸術大学
趙 彤陽(大学院 芸術専攻 映像メディア)修士2年
張 嘉原(大学院 芸術専攻 写真・映像)修士 1年
住谷文兵(美術工芸学科 写真・映像コース)2年
川口源太(環境デザイン学科)3年
山下龍二(tachiwo.design.lab) (大学院 建築・環境デザイン領域)修士 1年

東北芸術工科大学
横田勇吾(大学院 芸術文化専攻 複合芸術領域)修士2年
森田翔稀(美術科 洋画コース)4年
佐々木杜鞠(美術科 洋画コース)2年
木村晃子(美術科 洋画コース)4年
菊地那奈(大学院 芸術文化専攻 工芸領域)修士1年

アート・メディエーター 8名

京都芸術大学
TIAN YINGFAN(大学院 芸術専攻 グローバル・ゼミ)修士 1年
HUANG YUXI(大学院 芸術専攻 グローバル・ゼミ)修士 2年
荒木桃香(情報デザイン学科 クロステックデザインコース)4年生
島田芽依(アートプロデュース学科)3年生
山口楓生(文芸表現学科)3年生
清原緋蕗(美術工芸学科 油画コース)2年生

東北芸術工科大学
松本妃加(文化財保存修復学科)2年生
山根 唯(文化財保存修復学科)1年生

 

以上

応募者数  98組 121名
京都芸術大学 68組73名(作家個人50名、作家グループ5組10名、アート・メディエーター13名)
東北芸術工科大学 30組48名(作家個人21名、作家グループ7組25名、アート・メディエーター2名)

総評

今年も両校から多数の応募があり、DOUBLE ANNUALが2年目にして少しずつ浸透してきたことを実感できました。「問い合わせ中」という募集テーマは若干抽象性が高く、応答には高度な思考が必要ではないかと感じていたのですが、それでも糸口を見出し、自らの興味関心に引きつけて展示プランを組み立ててくれた人が多かったように思います。

東北芸術工科大学は、昨年応募してくれた人の多くが今年も再度チャレンジしてくれたことが嬉しかったですし、昨年からの変化や成長が見えて頼もしかったです。絵画や彫刻など手を動かして具体的なものをつくる人が多いのが芸工大の特徴だと感じていますが、それだけでなくプロジェクト型の作品やコンセプチュアルな活動の提案もあり、幅広さが出てきたのは印象的でした。京都芸術大学は、応募者の所属する学科が昨年よりも広がり、また今回の募集をきっかけにチームを結成して挑戦する方々も増えていました。新しいことにチャレンジする気運が高まっているのを感じ、私たちは嬉しく思いました。

今回は一次選考で 21 組、二次選考で 10組のアーティストを選出しました。選考においては、ポートフォリオの過去作品からは、応募者がどのようなことに興味をもちどんな実践を重ねてきたかを見ました。そして活動プランでは、応募者がこれまで取り組んできたものを前提としつつも、今回の「問い合わせ中」という募集テーマへの反応・掘り下げがどうなっているかを見ました。ポートフォリオや過去作品が魅力的な方は多かったのですが、今回の「問い合わせ中」というテーマへの呼応をあまり読み取ることができない提案は選出できませんでした。また、いかに思いが深くとも、作品を生み出す具体的な思考の弱い提案も選出しませんでした。前年度も書きましたが、まだ作品が出来ていない段階で応募する、今回のようなタイプのコンペティションでは、普段からどれくらい深く、また柔軟に考えをめぐらせているかが大事になってきます。そのような思考の体力は、毎日、作家としてどのようにものを捉え、考え、作りながら過ごしているかによって培われるものだと思います。今回選抜に漏れた方々のプランの中にも光るものがいくつもありました。ぜひ次の機会や、別のチャレンジの中でその良さを生かせるように、日々いろいろなことを感じ、考え、作り続けていってください。

展覧会の参加作家としては、京都芸術大学から5組、東北芸術工科大学から5組の計10組となりました。今年は似たような主題や提案がほとんどなくて、選出された10組の方向性はそれぞれ全く異なり多彩です。この幅広い作品プランをどのようにひとつの展覧会に昇華させることができるか、私たちキュレーターチームにとってもチャレンジングな状況で、非常に楽しみです。

また、今年はアシスタント・キュレーターという参加形態ではなく、マネジメント班とパブリシティ班の二種の業務に分けてアート・メディエーターを募集したところ、多くの応募をいただき、展覧会づくりを支える活動にも興味関心を抱く人が多数いることが実感できました。チームとしての適正規模も考慮し、8名を選出しました。作家10組に対して大所帯となりますが、多人数のチームだからこその広がりや奥行きを生み出していけたらと思います。

私たちの前には、両校の間に横たわる距離、展示会場の物理的な制約、時間や労力や資金の限界などが立ちはだかり、展示計画は必ずしもスムーズにはいかないでしょう。しかしその制約をバネに、一緒に面白い展覧会を作っていきましょう。山形と京都をつなぐ、たくさんのコミュニケーション:「問い合わせ」がクリエイティブなものになりますように。

DOUBLE ANNUAL 2024 ディレクター
金澤韻+服部浩之