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2025年10月24日
【映像コース】 ■「学ぶ」という痛み、そして「わたし」をつくるもの ■11月2日トークイベント開催!
こんにちは、映像コース研究室の鮫島です。風が日に日に涼しくなり、ぐっと秋めいて参りました、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
本コースは通信教育部ということもあり、普段は仕事や家事や育児や介護など、何かしらの「労働」をしながら学ぼうと検討されている方も少なからずおられるのではと思い、私が大学卒業後に、仕事をしながら夜間の専門学校に通っていたときのことをすこしお話しさせていただきます。
1979年生まれでいわゆる就職氷河期ということもあり、就職活動に苦労していた大学4年生の秋頃、写真を撮るという「表現」に出会い、卒業後はこれまで学んだことのない写真と映像を学ぶべく(ちなみに大学は経済学部でした)、夜間の専門学校に進学することにしました。昼間は新聞社の記者クラブの学生アルバイトや出版社の編集部で働き、月-金の週5日、19-21時のあいだ、2年間みっちりと授業を受けました。
その授業は今思えば、われらが映像コースにも共通する部分がありました。多ジャンルの講師陣から学ぶことや、基礎としてデッサンをしたり(本学にも共通科目にデッサンがあります)、映像の編集技術を学んだり(本コースも映像演習II-2 技術を知る[編集・サウンド]という科目があります)、短編を撮ったり(本コースも映像を提出する課題がいくつかあります)など、様々な授業がありました。

労働しながら学ぶというのは、正直なかなかハードでした。労働では誰かに必要とされるもの、社会の需要があるものを生み出すという、相対的な価値の創出が求められるのに対し、学びは自分が足りない知識を補う、もしくは自分の内面と向き合って作品を生み出すという、絶対的ともいえるものを創出することが求められます。対極ともいえるその営みを、自分ひとりの心身でこなすのは決して容易なことではく、課題提出や作品の制作に追われ、よくヘロヘロになっていた記憶があります。何かを学ぶときは、かならずいくばくかの時間を要し、時として痛みを伴います。
ですが、学ぶ上で出会った人やものごとは、かけがえのないものでした。映像や写真についての学びを通じて、それまで知ることがなかった概念にふれ、課題を通じてその概念を自分なりに体得していくことで、世界とのかかわりかたがどこか変わった気がします。たとえば、言葉で「この夕焼けきれいだね」と伝えるかのように、夕焼けの美しさを映像で誰かに伝えるためには、どんな画(え)を作ればいいか。どうすれば自分の心が動くさまを、他者と共有することができるのか──。
それはそのまま、本コースのはじめに受講する「映像基礎1 映像思考概論1」での「観察」「発見」「想像」「共有」という「映像思考」の学びのプロセスにもつながります。本コースで「映像思考」の思考回路を学び、映像に関するさまざまな領域を学ぶことで、自分、他者、世界とのあらたな関わり方を体得することは、今後どのような人生を歩もうとも、きっと学生のみなさんの血と骨となる、かけがえのないものになると私は思います。そして、学生のときは「これ何の役に立つんだろう……」と思っていたことが、十年後にふと新たな見地をポンと見せてくれたりするので、学びとは、奥が深いものだとも思います。
何かを学び、自分と世界の輪郭をあらためてなぞることは、苦しくもゆたかな営みだと思います。みなさんと学びを通じてふれ合えることを、映像コースにてお待ちしています。

映像コース スペシャルトークイベント
続きまして、本学の学園祭「大瓜生山祭」で開催する映像コースのイベントのご案内をさせていただきます。
映像コース スペシャルトークイベント
藤井亮監督 登壇「映像制作を語る!」
日時:2025年11月2日(日) 13:00-14:00
会場:京都芸術大学 瓜生山キャンパス 人間館4階
無料/どなたでもご参加いただけます
映像コースの講師であり、NHK特撮ドラマ「TAROMAN」や「石田三成CM」など、考え抜かれた「くだらないアイデア」でつくられた、遊び心あふれるコンテンツを生み出す映像作家・藤井亮先生のトークイベントです。
今夏より公開の映画「大長編 タローマン 万博大爆発」をはじめ、これまで手掛けた数々の映像作品の企画を発想したその思考と、制作手法についてうかがいます。
また、11月1、2日に同キャンパスで「大瓜生山祭」では、有志による「ステージ企画」など、その他さまざまなプログラムを開催予定です。こちらのサイトで詳細をチェックして、ぜひ足をお運びくださいね。
2日のイベントは、研究室の教員も参加します。私もおりますので、みなさまにお会いできることを楽しみにしております!!!
映像コース| 学科・コース紹介
大学パンフレット資料請求はこちらから
「学ぶ」という痛み、そして「わたし」をつくるもの
本コースは通信教育部ということもあり、普段は仕事や家事や育児や介護など、何かしらの「労働」をしながら学ぼうと検討されている方も少なからずおられるのではと思い、私が大学卒業後に、仕事をしながら夜間の専門学校に通っていたときのことをすこしお話しさせていただきます。
1979年生まれでいわゆる就職氷河期ということもあり、就職活動に苦労していた大学4年生の秋頃、写真を撮るという「表現」に出会い、卒業後はこれまで学んだことのない写真と映像を学ぶべく(ちなみに大学は経済学部でした)、夜間の専門学校に進学することにしました。昼間は新聞社の記者クラブの学生アルバイトや出版社の編集部で働き、月-金の週5日、19-21時のあいだ、2年間みっちりと授業を受けました。
その授業は今思えば、われらが映像コースにも共通する部分がありました。多ジャンルの講師陣から学ぶことや、基礎としてデッサンをしたり(本学にも共通科目にデッサンがあります)、映像の編集技術を学んだり(本コースも映像演習II-2 技術を知る[編集・サウンド]という科目があります)、短編を撮ったり(本コースも映像を提出する課題がいくつかあります)など、様々な授業がありました。

専門学校のデッサンの課題で自画像を描き、それをポジフィルムに撮影したものを、提出から20年後の2022年に譲り受けました。通っていた学科は2010年に募集停止となりましたが、当時の先生が保管していてくれました。なぜ私は手を口に当てているのか、ナゾです……。
労働しながら学ぶというのは、正直なかなかハードでした。労働では誰かに必要とされるもの、社会の需要があるものを生み出すという、相対的な価値の創出が求められるのに対し、学びは自分が足りない知識を補う、もしくは自分の内面と向き合って作品を生み出すという、絶対的ともいえるものを創出することが求められます。対極ともいえるその営みを、自分ひとりの心身でこなすのは決して容易なことではく、課題提出や作品の制作に追われ、よくヘロヘロになっていた記憶があります。何かを学ぶときは、かならずいくばくかの時間を要し、時として痛みを伴います。
ですが、学ぶ上で出会った人やものごとは、かけがえのないものでした。映像や写真についての学びを通じて、それまで知ることがなかった概念にふれ、課題を通じてその概念を自分なりに体得していくことで、世界とのかかわりかたがどこか変わった気がします。たとえば、言葉で「この夕焼けきれいだね」と伝えるかのように、夕焼けの美しさを映像で誰かに伝えるためには、どんな画(え)を作ればいいか。どうすれば自分の心が動くさまを、他者と共有することができるのか──。
それはそのまま、本コースのはじめに受講する「映像基礎1 映像思考概論1」での「観察」「発見」「想像」「共有」という「映像思考」の学びのプロセスにもつながります。本コースで「映像思考」の思考回路を学び、映像に関するさまざまな領域を学ぶことで、自分、他者、世界とのあらたな関わり方を体得することは、今後どのような人生を歩もうとも、きっと学生のみなさんの血と骨となる、かけがえのないものになると私は思います。そして、学生のときは「これ何の役に立つんだろう……」と思っていたことが、十年後にふと新たな見地をポンと見せてくれたりするので、学びとは、奥が深いものだとも思います。
何かを学び、自分と世界の輪郭をあらためてなぞることは、苦しくもゆたかな営みだと思います。みなさんと学びを通じてふれ合えることを、映像コースにてお待ちしています。

京都・鴨川からの夕焼け。空も鴨川もいつもたくさんの表情を見せてくれます。
映像コース スペシャルトークイベント
藤井亮監督 登壇「映像制作を語る!」
続きまして、本学の学園祭「大瓜生山祭」で開催する映像コースのイベントのご案内をさせていただきます。
映像コース スペシャルトークイベント
藤井亮監督 登壇「映像制作を語る!」
日時:2025年11月2日(日) 13:00-14:00
会場:京都芸術大学 瓜生山キャンパス 人間館4階
無料/どなたでもご参加いただけます
映像コースの講師であり、NHK特撮ドラマ「TAROMAN」や「石田三成CM」など、考え抜かれた「くだらないアイデア」でつくられた、遊び心あふれるコンテンツを生み出す映像作家・藤井亮先生のトークイベントです。
今夏より公開の映画「大長編 タローマン 万博大爆発」をはじめ、これまで手掛けた数々の映像作品の企画を発想したその思考と、制作手法についてうかがいます。
また、11月1、2日に同キャンパスで「大瓜生山祭」では、有志による「ステージ企画」など、その他さまざまなプログラムを開催予定です。こちらのサイトで詳細をチェックして、ぜひ足をお運びくださいね。
2日のイベントは、研究室の教員も参加します。私もおりますので、みなさまにお会いできることを楽しみにしております!!!映像コース| 学科・コース紹介
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