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2025年08月21日
【映像コース】動画がぐっと見やすくなる!初心者必見の撮影テクニック!!
こんにちは、映像コースの冨士川です。
最近は、スマホで撮った動画をそのまま共有するのではなく、CapCutやPremiere Rushといった編集アプリで仕上げてから、YouTubeやTikTok、Instagramに投稿する人が増えていますね。
でも、「せっかく時間をかけて編集したのに、なぜか見づらい…」「思ったような仕上がりにならない…」そんな経験はありませんか?
実はその原因、編集の腕前よりも撮影にあることが少なくありません。
もちろん編集テクニックは大切ですが、編集はあくまで素材があってこそ。その素材の良し悪しは、撮影時のちょっとした“映像のルール”で大きく変わります。
今回はその中でも、初心者でも覚えるだけで映像が劇的に見やすくなる基本ルール「イマジナリーライン」について紹介します。
たったこれだけを意識するだけで、あなたの動画は驚くほどスムーズで見やすい映像に生まれ変わります!

「イマジナリーライン」とは、シーンの中で登場人物や被写体同士を結ぶ“見えない線”のことです。
例えば、二人が向かい合って会話している場面なら、その二人を一直線で結んだ線がイマジナリーラインです(図1)。また、人や車が移動しているシーンでは、その進行方向に沿って引かれる線もイマジナリーラインです(図2)。
映像の基本として、この仮想の線の両側にカメラを配置しない(両側から撮影しない)というルールがあります。つまり、最初に決めた側(イマジナリーラインの片側180度以内)からしか撮影しないというものです。これは「180度ルール」とも呼ばれ、カットをつないだときに被写体の位置関係を自然に保つための方法です。
図3のように、2人の人物の間に引いたイマジナリーラインの手前側(赤いエリア)から撮影を始めたとします。

この場合、赤いエリア内に配置したカメラAやカメラBで撮影した映像(図4、図5)は、編集でつないでも人物の位置関係が崩れず、画面上では常に2人がしっかり向き合って見えます。

ところが、イマジナリーラインを越えて反対側にあるカメラAとカメラCの映像をつないでしまうと二人は向き合って見えません(図6、図7)。

さらにカメラBとカメラCの映像をつないでしまうと人物の左右位置が入れ替わったように見えてしまいます(図8、図9)。その結果、視聴者は「さっきまで右にいた人が急に左に!?」と、映像に不自然さや混乱が生じてしまうのです。

このように、イマジナリーラインを守って撮影すると、カットを切り替えても被写体の位置関係が崩れず、映像全体に一貫性が生まれます。特に会話シーンでは、常にAさんは画面の左側、Bさんは右側に位置し続けるため、切り替わった瞬間も「誰がどこにいるのか」が直感的に分かります。
その結果、視聴者は映像内での位置関係に迷わされることなく、内容や表情、会話そのものに集中できるのです。逆に、このラインを意識せずに撮影すると、カットごとに人物の左右が入れ替わってしまい、観客は毎回「えっと、この人はどっち側にいたっけ?」と頭の中で位置関係を整理し直す羽目になります。これは映像体験の集中を妨げ、不必要な違和感や混乱を与えてしまう原因になります。
つまり、イマジナリーラインは映像のわかりやすさ・見やすさを支える重要なルールなのです。この基本を押さえておくだけで、動画の見やすさが格段にアップするわけです。
イマジナリーラインを意識して撮影するためのポイントは次の3つです。
1.頭の中でラインを引いてから撮影する
まず、被写体となる人物同士を結ぶ見えない直線(イマジナリーライン)を頭の中で思い描きましょう。そして撮影中は、必ずその線の片側のエリア内からカメラを向けるように意識します。これは、会話シーンだけでなく、被写体の移動を撮影するときにも有効です。被写体の進行方向に沿ってイマジナリーラインを引き、常にその線を越えない側から撮影すれば、画面上で被写体は一貫して同じ方向に進み続けます。これによって、カットをつないでも被写体の動きが自然に見え、観る人が迷わず映像を追えるようになります。
2.カメラ位置を変えるときはワンステップ置く
物語の途中で反対側から撮影したい場合は、いきなり反対側の映像に切り替えないようにします。視聴者がカメラ位置の変化を自然に理解できるように、位置関係や状況がわかる引き画(ワイドショット)を挟みましょう。被写体だけでなく、背景や周囲の状況が見えるカットを入れることで、視聴者は空間の把握がしやすくなります。もしくは、移動ショットを使ってカメラがイマジナリーラインを越える様子そのものを映す、あるいはイマジナリーライン上に置いたカットを間に入れる方法を使います。こうした映像を挟むことで、「カメラの位置が変わる」という情報が視聴者に伝わり、次のカットを違和感なく受け入れられるようになります。
3.意図的に破るのは上級者になってから
上級者になると、あえてイマジナリーラインを越えることでシーンに緊張感を与えたり、物語の転換を演出したりします。しかし、これは演出意図が明確な場合にのみ効果を発揮する高度なテクニックです。初心者のうちは基本を忠実に守ることをおすすめします。その方が不要な違和感を避け、安定して見やすい動画に仕上がります。
映像の世界には数多くのルールやテクニックがありますが、その中でもイマジナリーラインを意識するかどうかで、動画の見やすさは格段にアップします。
今回紹介したポイントを踏まえて撮影すれば、初心者の動画でもぐっと見やすくなります。みなさんが、動画を撮影するときは、ぜひこの「イマジナリーライン」を意識してみてください。きっと完成動画を見返したときに「少しの工夫でこんなに見やすくなる!」と実感できるはずです。
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最近は、スマホで撮った動画をそのまま共有するのではなく、CapCutやPremiere Rushといった編集アプリで仕上げてから、YouTubeやTikTok、Instagramに投稿する人が増えていますね。
でも、「せっかく時間をかけて編集したのに、なぜか見づらい…」「思ったような仕上がりにならない…」そんな経験はありませんか?
実はその原因、編集の腕前よりも撮影にあることが少なくありません。
もちろん編集テクニックは大切ですが、編集はあくまで素材があってこそ。その素材の良し悪しは、撮影時のちょっとした“映像のルール”で大きく変わります。
今回はその中でも、初心者でも覚えるだけで映像が劇的に見やすくなる基本ルール「イマジナリーライン」について紹介します。
たったこれだけを意識するだけで、あなたの動画は驚くほどスムーズで見やすい映像に生まれ変わります!
イマジナリーラインとは?

左:図1(会話時のイマジナリーライン) 右:図2(移動時のイマジナリー)
「イマジナリーライン」とは、シーンの中で登場人物や被写体同士を結ぶ“見えない線”のことです。
例えば、二人が向かい合って会話している場面なら、その二人を一直線で結んだ線がイマジナリーラインです(図1)。また、人や車が移動しているシーンでは、その進行方向に沿って引かれる線もイマジナリーラインです(図2)。
映像の基本として、この仮想の線の両側にカメラを配置しない(両側から撮影しない)というルールがあります。つまり、最初に決めた側(イマジナリーラインの片側180度以内)からしか撮影しないというものです。これは「180度ルール」とも呼ばれ、カットをつないだときに被写体の位置関係を自然に保つための方法です。
図3のように、2人の人物の間に引いたイマジナリーラインの手前側(赤いエリア)から撮影を始めたとします。

図3
この場合、赤いエリア内に配置したカメラAやカメラBで撮影した映像(図4、図5)は、編集でつないでも人物の位置関係が崩れず、画面上では常に2人がしっかり向き合って見えます。

左:図4(カメラAの撮影映像) 右:図5(カメラBの撮影映像)
ところが、イマジナリーラインを越えて反対側にあるカメラAとカメラCの映像をつないでしまうと二人は向き合って見えません(図6、図7)。

左:図6(カメラAの撮影映像) 右:図7(カメラCの撮影映像)
さらにカメラBとカメラCの映像をつないでしまうと人物の左右位置が入れ替わったように見えてしまいます(図8、図9)。その結果、視聴者は「さっきまで右にいた人が急に左に!?」と、映像に不自然さや混乱が生じてしまうのです。

左:図8(カメラBの撮影映像) 右:図9(カメラCの撮影映像)
イマジナリーラインを守ると見やすくなる!
このように、イマジナリーラインを守って撮影すると、カットを切り替えても被写体の位置関係が崩れず、映像全体に一貫性が生まれます。特に会話シーンでは、常にAさんは画面の左側、Bさんは右側に位置し続けるため、切り替わった瞬間も「誰がどこにいるのか」が直感的に分かります。
その結果、視聴者は映像内での位置関係に迷わされることなく、内容や表情、会話そのものに集中できるのです。逆に、このラインを意識せずに撮影すると、カットごとに人物の左右が入れ替わってしまい、観客は毎回「えっと、この人はどっち側にいたっけ?」と頭の中で位置関係を整理し直す羽目になります。これは映像体験の集中を妨げ、不必要な違和感や混乱を与えてしまう原因になります。
つまり、イマジナリーラインは映像のわかりやすさ・見やすさを支える重要なルールなのです。この基本を押さえておくだけで、動画の見やすさが格段にアップするわけです。
撮影時のアドバイス
イマジナリーラインを意識して撮影するためのポイントは次の3つです。
1.頭の中でラインを引いてから撮影する
まず、被写体となる人物同士を結ぶ見えない直線(イマジナリーライン)を頭の中で思い描きましょう。そして撮影中は、必ずその線の片側のエリア内からカメラを向けるように意識します。これは、会話シーンだけでなく、被写体の移動を撮影するときにも有効です。被写体の進行方向に沿ってイマジナリーラインを引き、常にその線を越えない側から撮影すれば、画面上で被写体は一貫して同じ方向に進み続けます。これによって、カットをつないでも被写体の動きが自然に見え、観る人が迷わず映像を追えるようになります。
2.カメラ位置を変えるときはワンステップ置く
物語の途中で反対側から撮影したい場合は、いきなり反対側の映像に切り替えないようにします。視聴者がカメラ位置の変化を自然に理解できるように、位置関係や状況がわかる引き画(ワイドショット)を挟みましょう。被写体だけでなく、背景や周囲の状況が見えるカットを入れることで、視聴者は空間の把握がしやすくなります。もしくは、移動ショットを使ってカメラがイマジナリーラインを越える様子そのものを映す、あるいはイマジナリーライン上に置いたカットを間に入れる方法を使います。こうした映像を挟むことで、「カメラの位置が変わる」という情報が視聴者に伝わり、次のカットを違和感なく受け入れられるようになります。
3.意図的に破るのは上級者になってから
上級者になると、あえてイマジナリーラインを越えることでシーンに緊張感を与えたり、物語の転換を演出したりします。しかし、これは演出意図が明確な場合にのみ効果を発揮する高度なテクニックです。初心者のうちは基本を忠実に守ることをおすすめします。その方が不要な違和感を避け、安定して見やすい動画に仕上がります。
まとめ
映像の世界には数多くのルールやテクニックがありますが、その中でもイマジナリーラインを意識するかどうかで、動画の見やすさは格段にアップします。
今回紹介したポイントを踏まえて撮影すれば、初心者の動画でもぐっと見やすくなります。みなさんが、動画を撮影するときは、ぜひこの「イマジナリーライン」を意識してみてください。きっと完成動画を見返したときに「少しの工夫でこんなに見やすくなる!」と実感できるはずです。
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