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2019年09月20日
【洋画コース】洋画Ⅱ-2(人体油彩)スクーリング報告
「牛骨鉛筆」や「石膏木炭」などの基礎的なデッサンの授業に続いて受講するのが「人体油彩(F20号の油彩制作)」。この授業では、人そのものと直に向き合います。
生身の人を描くことの緊張感と表現の難易度は格別のものだったことでしょう。
実生活のうえで、絵画に限らず、すべての学問において興味の中心は人にあります。ここでの課題は、人が人を知ることの第一歩として、まずは量をもった人体構造が奥行きや光のある空間にどう在るのか、写実的な観察態度をもって正確なフォルムや豊かな色彩トーンを追究すること、併せて絵具遣いの実際にも手法の習熟を求めるというものです。
それでは2日間の学習を振り返っておきます。
[初日]
20分全12ポーズのうち、始めの2ポーズはクロッキーとし、10分毎4ポーズのバリエーションで場所を移動しながら、プロポーションやムーヴマンを捉えるウォーミングアップを行いました。
3ポーズ目からはポーズを固定し、場所決めやスケッチ、構図等のエスキースを経てキャンバスに形を取り始め、全体として昼一番から着彩に入ることができました。ただ時間的に慌てすぎた感は否めず、形や構図の吟味不足から後の修正に労を費やし、画面全体に絵具がのらないまま初日を終えた例も少なくありません。

油彩の画材説明は休憩時ほか、初心の方には教員が個別に説明を重ねました。最終ポーズ後は寸評会の場をもち、各自発表をしてもらいました。

[2日目]
授業開始と同時にポーズ開始。以降16時まで11ポーズ220分を行い、4時間足らずで一定の完結を目指しました。2日間という短い中、各自濃密な集中力を発揮し、それぞれなりに目標に届く到達を成し得たことは、うれしい成果として報告します。
気がかりは休憩時間を返上しての一日仕事となっていること。モデルさんに配慮して10分休憩のほか午前午後に20分休憩を挟みますので、そこはしっかり学生も休むべきです。皆さん筆を休めませんが、対象を見ずして何を描いているのか。その意味でも休憩時間に想像で描き進めないことを勧めます。
生身の人体と長く向き合えた学習は貴重だったと思います。ここでは1年次の基礎学習として、努めて科学的な観察再現を求めました。デフォルメや理想化をよしとせず、むろんキュビスムなどの抽象化、表現主義的な感情表現、アニメ的平面化も困ります。とはいえ、人が人を描く限り、なにがしの思いは生じるもので、それぞれの人間観や美意識は表現の加減にあらわれていたようです。この先年次を進めるなかでその個性が確信されることを楽しみに、引き続き観察眼を研きあげていってください。
(水口裕務)
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生身の人を描くことの緊張感と表現の難易度は格別のものだったことでしょう。
実生活のうえで、絵画に限らず、すべての学問において興味の中心は人にあります。ここでの課題は、人が人を知ることの第一歩として、まずは量をもった人体構造が奥行きや光のある空間にどう在るのか、写実的な観察態度をもって正確なフォルムや豊かな色彩トーンを追究すること、併せて絵具遣いの実際にも手法の習熟を求めるというものです。
それでは2日間の学習を振り返っておきます。
[初日]
20分全12ポーズのうち、始めの2ポーズはクロッキーとし、10分毎4ポーズのバリエーションで場所を移動しながら、プロポーションやムーヴマンを捉えるウォーミングアップを行いました。
3ポーズ目からはポーズを固定し、場所決めやスケッチ、構図等のエスキースを経てキャンバスに形を取り始め、全体として昼一番から着彩に入ることができました。ただ時間的に慌てすぎた感は否めず、形や構図の吟味不足から後の修正に労を費やし、画面全体に絵具がのらないまま初日を終えた例も少なくありません。

油彩の画材説明は休憩時ほか、初心の方には教員が個別に説明を重ねました。最終ポーズ後は寸評会の場をもち、各自発表をしてもらいました。

[2日目]
授業開始と同時にポーズ開始。以降16時まで11ポーズ220分を行い、4時間足らずで一定の完結を目指しました。2日間という短い中、各自濃密な集中力を発揮し、それぞれなりに目標に届く到達を成し得たことは、うれしい成果として報告します。
気がかりは休憩時間を返上しての一日仕事となっていること。モデルさんに配慮して10分休憩のほか午前午後に20分休憩を挟みますので、そこはしっかり学生も休むべきです。皆さん筆を休めませんが、対象を見ずして何を描いているのか。その意味でも休憩時間に想像で描き進めないことを勧めます。
生身の人体と長く向き合えた学習は貴重だったと思います。ここでは1年次の基礎学習として、努めて科学的な観察再現を求めました。デフォルメや理想化をよしとせず、むろんキュビスムなどの抽象化、表現主義的な感情表現、アニメ的平面化も困ります。とはいえ、人が人を描く限り、なにがしの思いは生じるもので、それぞれの人間観や美意識は表現の加減にあらわれていたようです。この先年次を進めるなかでその個性が確信されることを楽しみに、引き続き観察眼を研きあげていってください。
(水口裕務)
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