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2021年12月22日
【染織コース】紅葉の山が虹色に見える訳は? 色彩の謎
皆さんこんにちは。通信染織コースの久田多恵です。12月となり紅葉もそろそろ終わりなのですが、今年は暖かいせいか美しい山々の景色を長く楽しめました。遠くに望む紅葉の山に虹がかかっているように見え、よくよく見ると虹ではなく色づいた木々が虹色に見せているようでした。いざ写真を撮ろうとしたら錦繍の頃はもう過ぎていました。
紅葉が徐々に枯れ葉色になっても、やはり赤味を帯びていることに変わりはありません。紅葉の山が虹色に見えるのは緑色から黄色、橙色、赤、紫へのグラデーションが見られるからでしょう。常緑の植物は緑色の深みを増し、落葉樹はそれぞれのペースで色づいていきます。
一方、新緑の山々が美しいのは萌え出した緑の明暗の幅が広いからかもしれません。白に近いやわらかな新芽、鮮烈な黄緑色、常緑樹も緑色を鮮やかに輝かせます。新芽にはやや赤味を帯びたものがあり、明暗の幅とともに色味の幅も広がります。
冬の木々は茶色になるかといえばそうでもなく、煙るような紫色を感じさせます。植物は何か赤味を感じさせる色味を持っているのかもしれません。
山の色に虹色を感じている頃、日本色研事業株式会社からカタログが送られてきました。テキストとして使用している『カラーコーディネーター入門 色彩』を出版している会社です。
色彩はあって当たり前のように思ってしまいますが、よく考えると不思議なものです。なぜ色があってなぜその色に見えるのか、ニュートンをはじめとする多くの科学者たちが研究を続けてきました。色を感じ取る目や脳の機能は精妙にできていて、全容を理解するのは簡単ではありません。送られてきたカタログには『色彩検定 合格への道』もありました。
色彩検定は公益社団法人色彩検定協会が実施する色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験です。1級から3級、UC級(色のユニバーサルデザイン)があります。造形作品制作のためには、資格は必要ないのですが色彩についての理解を深めるためにはこの資格の取得を目指すのもいいなあ、と思いました。
色彩を自在に扱うためには色に対する生まれ持ったセンスが必要なように思いますが、必ずしもそうとは限りません。色彩を扱うには理論的な知識が必要です。知識と訓練、経験があれば思い通りに色彩を扱うことができます。通信染織コースには色彩の理論を学ぶ授業があります。
知識と訓練、作品制作の過程での実践。ぜひ色彩の奥深い世界を体感し、自在に扱える喜びを得てください。
参考文献:『カラーコーディネーター入門 色彩』大井義雄 川崎秀昭 著 日本色研事業株式会社 発行
染織コース | 学科・コース紹介

京都芸術大学 通信教育部 染織研究室ブログ
研究室が在学生・卒業生向けに情報発信しているブログです。こちらでも授業の様子や展覧会の情報などが豊富です。
紅葉が徐々に枯れ葉色になっても、やはり赤味を帯びていることに変わりはありません。紅葉の山が虹色に見えるのは緑色から黄色、橙色、赤、紫へのグラデーションが見られるからでしょう。常緑の植物は緑色の深みを増し、落葉樹はそれぞれのペースで色づいていきます。
一方、新緑の山々が美しいのは萌え出した緑の明暗の幅が広いからかもしれません。白に近いやわらかな新芽、鮮烈な黄緑色、常緑樹も緑色を鮮やかに輝かせます。新芽にはやや赤味を帯びたものがあり、明暗の幅とともに色味の幅も広がります。
冬の木々は茶色になるかといえばそうでもなく、煙るような紫色を感じさせます。植物は何か赤味を感じさせる色味を持っているのかもしれません。
山の色に虹色を感じている頃、日本色研事業株式会社からカタログが送られてきました。テキストとして使用している『カラーコーディネーター入門 色彩』を出版している会社です。
色彩はあって当たり前のように思ってしまいますが、よく考えると不思議なものです。なぜ色があってなぜその色に見えるのか、ニュートンをはじめとする多くの科学者たちが研究を続けてきました。色を感じ取る目や脳の機能は精妙にできていて、全容を理解するのは簡単ではありません。送られてきたカタログには『色彩検定 合格への道』もありました。
色彩検定は公益社団法人色彩検定協会が実施する色に関する幅広い知識や技能を問う検定試験です。1級から3級、UC級(色のユニバーサルデザイン)があります。造形作品制作のためには、資格は必要ないのですが色彩についての理解を深めるためにはこの資格の取得を目指すのもいいなあ、と思いました。
色彩を自在に扱うためには色に対する生まれ持ったセンスが必要なように思いますが、必ずしもそうとは限りません。色彩を扱うには理論的な知識が必要です。知識と訓練、経験があれば思い通りに色彩を扱うことができます。通信染織コースには色彩の理論を学ぶ授業があります。
知識と訓練、作品制作の過程での実践。ぜひ色彩の奥深い世界を体感し、自在に扱える喜びを得てください。
参考文献:『カラーコーディネーター入門 色彩』大井義雄 川崎秀昭 著 日本色研事業株式会社 発行
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