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2023年01月23日
【歴史遺産コース】図書館も歴史遺産?!〈芸術文化情報センターと奈良本辰也記念文庫〉
皆さん、こんにちは!歴史遺産コース教員の加藤詩乃です。
今回は本学の芸術文化情報センター(大学図書館)と奈良本辰也記念文庫についてご紹介したいと思います。

図書館には必ずその図書館の歴史と特色があります。
例えば、公共の図書館であれば、その地域に関する資料を多く所蔵していますし、大学や研究施設に所属した図書館であれば、そこで対象としている学問分野に関わる資料が中心に集められています。
また、図書館の蔵書は、その時そこに何らかのかたちで関わっていた人々の足跡でもありますので、「この大学図書館には妙に浮世絵関係の本が多いなぁ」と思ったら、実は過去に浮世絵を専門とする先生が在籍していたなんてこともあります。
つまり図書館の蔵書がそのまま図書館の歴史を表していると言えるのです。
本学の芸術文化情報センターは芸術・美術関係の本が多いという特色があります。その点は「芸術大学」なのだから当たり前かもしれませんが、特に美術史関係の図書が大きなスペースを占めていて、展覧会図録の専用コーナーまであり、そのなかでも比較的古美術系のジャンルが充実しています。


これも実は本学が歩んできた歴史の一端を示しています。
本学の前身である京都芸術短期大学が開講したばかりの頃、造形芸術学科に「美学美術史コース」というものが存在していました。それが現在の通学部歴史遺産学科や通信教育部歴史遺産コースへと繋がっていくのですが、おそらく、その頃から集められた図書資料の蓄積がいまの「芸術・美術」の書架を築いてきたのでしょう。
ちなみに、もしお手に取られた本に「京都芸術短期大学」の蔵書印があれば、それは短大時代に購入された図書です。そんな出会いも楽しんでみてください。
さて、開架書庫の後方に小部屋のようなスペースがあることをご存じでしょうか?
この部屋に配架されているのは、「奈良本辰也記念文庫」といって、本学園の理事長を務められたこともある、奈良本辰也先生(1913~2001)の蔵書、約一万二千冊がご遺族から寄贈されたものです。

奈良本辰也先生は日本中世史、幕末史の研究に生涯精力を注いだ歴史学者であり、さまざまな論考、伝記、随筆から歴史小説まで数多くの著作を残されました。
そのなかでも、岩波新書の『吉田松陰』(岩波書店、1981年刊行)は、吉田松陰の生涯を歴史家としての自身の生き方に重ねながらみごとに描写したベストセラーとして知られています。奈良本氏の描く吉田松陰の人間像は本学の德山詳直・創設者にも大きな思想的影響を与えました。
「奈良本辰也記念文庫」のコーナーでは、奈良本先生の生前の書斎の再現や蔵書印が展示されおり、彼の研究・執筆活動の歴史に触れながら、実際にそのコレクションを手に取って読むことができます。

是非、瓜生山キャンパスにお越しの際には芸術文化情報センターへお立ち寄りいただき、図書を通して本学図書館の歴史を感じてみてください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止による入構制限に伴い、今現在(2023年1月)は一般公開しておりません。ご来館の際には、芸術文化情報センターHP(https://acic.kyoto-art.ac.jp/)の「利用案内」をご確認ください。
🔗歴史遺産コース|学科・コース紹介

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今回は本学の芸術文化情報センター(大学図書館)と奈良本辰也記念文庫についてご紹介したいと思います。

芸術文化情報センター
図書館には必ずその図書館の歴史と特色があります。
例えば、公共の図書館であれば、その地域に関する資料を多く所蔵していますし、大学や研究施設に所属した図書館であれば、そこで対象としている学問分野に関わる資料が中心に集められています。
また、図書館の蔵書は、その時そこに何らかのかたちで関わっていた人々の足跡でもありますので、「この大学図書館には妙に浮世絵関係の本が多いなぁ」と思ったら、実は過去に浮世絵を専門とする先生が在籍していたなんてこともあります。
つまり図書館の蔵書がそのまま図書館の歴史を表していると言えるのです。
本学の芸術文化情報センターは芸術・美術関係の本が多いという特色があります。その点は「芸術大学」なのだから当たり前かもしれませんが、特に美術史関係の図書が大きなスペースを占めていて、展覧会図録の専用コーナーまであり、そのなかでも比較的古美術系のジャンルが充実しています。

「芸術・美術」のコーナー

図録のコーナー
これも実は本学が歩んできた歴史の一端を示しています。
本学の前身である京都芸術短期大学が開講したばかりの頃、造形芸術学科に「美学美術史コース」というものが存在していました。それが現在の通学部歴史遺産学科や通信教育部歴史遺産コースへと繋がっていくのですが、おそらく、その頃から集められた図書資料の蓄積がいまの「芸術・美術」の書架を築いてきたのでしょう。
ちなみに、もしお手に取られた本に「京都芸術短期大学」の蔵書印があれば、それは短大時代に購入された図書です。そんな出会いも楽しんでみてください。
さて、開架書庫の後方に小部屋のようなスペースがあることをご存じでしょうか?
この部屋に配架されているのは、「奈良本辰也記念文庫」といって、本学園の理事長を務められたこともある、奈良本辰也先生(1913~2001)の蔵書、約一万二千冊がご遺族から寄贈されたものです。

奈良本辰也記念文庫
奈良本辰也先生は日本中世史、幕末史の研究に生涯精力を注いだ歴史学者であり、さまざまな論考、伝記、随筆から歴史小説まで数多くの著作を残されました。
そのなかでも、岩波新書の『吉田松陰』(岩波書店、1981年刊行)は、吉田松陰の生涯を歴史家としての自身の生き方に重ねながらみごとに描写したベストセラーとして知られています。奈良本氏の描く吉田松陰の人間像は本学の德山詳直・創設者にも大きな思想的影響を与えました。
「奈良本辰也記念文庫」のコーナーでは、奈良本先生の生前の書斎の再現や蔵書印が展示されおり、彼の研究・執筆活動の歴史に触れながら、実際にそのコレクションを手に取って読むことができます。

是非、瓜生山キャンパスにお越しの際には芸術文化情報センターへお立ち寄りいただき、図書を通して本学図書館の歴史を感じてみてください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止による入構制限に伴い、今現在(2023年1月)は一般公開しておりません。ご来館の際には、芸術文化情報センターHP(https://acic.kyoto-art.ac.jp/)の「利用案内」をご確認ください。
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