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歴史遺産コース

2023年10月11日

【歴史遺産コース】史料講読ガイダンスのご紹介

『春日権現霊験記』第一軸 模写 明治3年(1870) 
国立国会図書館デジタルコレクション
春日明神の由来と霊験に関する五八編の物語をつづる。



みなさん、こんにちは。歴史遺産コース業務担当非常勤講師の岩田です。今回は、9月に開催しました「史料講読ガイダンス」をご紹介します。

本コースや本コースが属する芸術学科では、史料の読み方を学習するための科目を複数設置しています。史料の多くは漢文で書かれています。漢文と聞くと難しいイメージがありますが、過去の人々の考え方や過去の出来事を知るためには、どうしても当時の人々が記した史料を読む必要があります。特に、本コースでは、各時代の歴史に関する卒業論文を執筆する方が多くおられるので、みなさん、史料を読む力をつけるために奮闘されています。

「史料講読ガイダンス」はこれらの科目群とは別に年4回行っているもので、史料に慣れ親しんでもらうための入門講座のようなものです。いきなり史料読解関連の科目を受講するのは不安だ、敷居が高いという方、高校で漢文を習ったけれどもすっかり忘れているので学習したいという方、独学では調べ物の方法や読解のコツがよくわからないという方、いろいろな動機で参加されておられます。今年度はすべてズームで開催しております。

今回は、中世の史料を読むということで、鎌倉幕府が編纂した歴史書『吾妻鏡』と室町時代後期の公家(くげ)である三条西実隆(さんじょうにしさねたか)の書いた日記『実隆公記(さねたかこうき)』とを取り上げました。前者は鎌倉時代、後者は戦国時代の真っ只中なのですが、文化的なトピックが親しみやいすかなと思い、絵巻に関する記事をみなさんと読みました。

『吾妻鏡』では、①三代将軍源源実朝(さねとも)が平将門の合戦の様子を京都の絵師に描かせ、鎌倉に届いた絵巻を大切に保管する様子、②四代将軍九条頼経(よりつね)が同じように、平将門の合戦の様子を京都の絵師に描かせ、その絵巻の鑑賞会を行っている様子が記された記事を取り上げました。ともに13世紀前半の記事です。

『実隆公記』では、1309年に左大臣の西園寺公衡(さいおんじきんひら)が奈良の春日大社に奉納した絵巻『春日権現霊験記』を京都に取り寄せ、内裏で多くの公卿とともに鑑賞したという記事を取り上げました。霊験あらたかな絵巻を前に、みなさん、感涙したようです。こちらは15世紀末の記事です。

『春日権現霊験記』第二軸 模写 明治3年(1870) 
国立国会図書館デジタルコレクション



『吾妻鏡』でも『実隆公記』でも、絵巻の鑑賞会の時には、絵巻の文章が書かれた部分(詞書(ことばがき))を読み上げている様子がわかり、興味深いです。朗読会みたいですね。

今回は入門編なので、一文、一文、非常にゆっくりと進めました。史料の書き下しを掲載した本はいろいろと出ていますが、細かい文法の説明まではなかなか書いていないことも多いので、この文章の主語は省略されているとか、目的語が文章の先頭にきているとか、逐一説明を加えました。あと、史料を読む際におすすめの辞典類なども紹介しました。

学生さんの学習のサポートとして行われている史料講読ガイダンスをご紹介しました。ガイダンスを通じて、学生の皆さんが少しでも史料を読むことに関心を持ってくれると嬉しいです。みなさんも私たちと一緒に、史料を通じて過去の人々との会話にチャレンジしてみませんか?

『春日権現霊験記』第四軸 模写 明治3年(1870) 
国立国会図書館デジタルコレクション



 

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『源氏物語』や王朝文化と聞いてイメージするものは何でしょうか?「十二単」「和歌」「寝殿造」… 、さまざまなキーワードが思い起こされるかと思います。

今回の体験授業では、嫌いだった?!〈 暗記の日本史〉から一歩踏み出して、王朝文化が誕生する下地となる平安貴族たちの美意識や信仰についてお話ししたいと思います。また本学が所在する京都はまさに『源氏物語』の主たる舞台となった土地。いまに伝わる『源氏物語』ゆかりのかくれた史跡もあわせてご紹介できればと思います。

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