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芸術教養学科

2023年12月11日

【芸術教養学科】芸術教養学科は設立10周年を迎えました

芸術教養学科10周年記念イベントの集合写真



今回は、芸術教養学科学科長の下村がお届けします。
去る11月18日(土)、本学ギャルリ・オーブにて、芸術教養学科設立10周年を記念するイベントが開催されました。
その詳細については、『瓜生通信』のこちらの記事「新たな10年へ向けて - 芸術教養学科10周年イベントレポート」をご覧いただければと思いますが、日本全国はもとより海外からも、150名を超える在学生・卒業生の参加があり、大変にぎやかであたたかい会となりました。この10年のすべての年代の在学生・卒業生が来てくださったのも大変嬉しいことでした。

 

10周年記念イベント式次第



この日のプログラムは、上に示すとおりです。実際にどんなお話が出てくるかは、実は当日までわからなかったのですが、最初の吉川学長のお話、石神通信教育部長のお話から、在学生・卒業生の近況報告に至るまで、学びを通した人の繋がりが一貫した主題になっていました。

これを読んでいる、あるていど芸術教養学科をご存知の方は、意外の念を持たれるかもしれません。なぜなら、この学科は、「完全遠隔」を売り物にしており、学生同士が場を共有し顔を合わせて学ぶスクーリングは存在しないからです。きわめて多くの顔の見えない学生たちに、上から一律な教材が与えられ、効率重視の定型化した添削講評が行われる、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないかと思います。実際、そうした教育システムで完全遠隔教育を試みている教育機関はあるかもしれません。
ただ、私がここで力説したいのは、芸術教養学科の学びのしくみは、決してそのようなものではない、ということです。

芸術教養学科はその設立当初より、完全遠隔の教育手法に、学内SNSを用いた「ピア・ラーニング」を埋め込んできました。学生たちが、自発的に学びあい高め合う素地を用意したのです。ここから、評価済み・単位修得済みのレポートを提示しあい、その書き方の工夫や視点の設定などについて学びあう「レポ見せ」の会が生まれてきました。また、卒業研究に向けて切磋琢磨しあうグループも生まれ、その中には卒業後も続いているものもあると、会場で聞きました。地域ごとの学習会も自主的に組織され、運営されています。
こうした「学び合い」の自然な創発は、芸術教養学科が意識的に取り組んできた、重要なテーマなのです。そしてそうした場で生まれ培われた学友同士の繋がりが、さきのイベントではっきりと可視化されたのだと思います。

通信教育、その中でも完全遠隔での学びを求める人の中には、煩わしい人間関係に悩まされずに学習に取り組むことができるという点に魅力を感じる方も多いと思います。もちろん、そうした学び方も可能です。しかし、学友との取り組みによって、その学びをより深く高いものにしていくことは可能なのです。この二つをどのように組み合わせるのかには、学ぶ者の数だけ選択肢があるのだと思います。

話は変わりますが、ローリング・ストーンズのミック・ジャガー氏とキース・リチャーズ氏は、それぞれ他にない個性を持った最高のボーカリストとギタリストですが、彼らは幼少時からの友人でした。そして少年時代に古いブルース音楽を一緒に夢中になって聴き込んで学ぶという経験をしています。
また、60〜70年代にザ・バンドというバンドがありましたが、彼らはピンク色に塗られた家屋で生活を共にしながら、アメリカの音楽史を変えるようなレコードを作ってしまいました。
何が言いたいのかというと、顔の見えるコミュニティで、平均とか標準偏差とか偉い人に褒められることとかを忘れて、一緒に夢中になってなにかやっているうちに、何かとんでもない高みまで行ってしまう、ということが、結構あるということなのです。切磋琢磨することで、何かワープしてしまう、ということがあるのです。

そして、芸術教養学科には、そういう生き生きとした学びがあるのです。

芸術教養学科は、完全遠隔による大学教育の先駆けとして、この10年を夢中で走り抜けてきました。そして、この「ピア・ラーニング」が伝統になりつつあることが、先のイベントでは見えてきたように思います。
これからの10年でも、この部分を大切に育てていくことになると思います。是非ご体験ください。

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