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2024年08月22日
【ランドスケープデザインコース】水辺の利用と新たな広場を考える

こんにちは。外苑キャンパスで業務担当非常勤講師をしている大嶋陽子です。
とても暑い8月です。30年前の東京の夏は32℃くらいだったというニュースを見て気候変動のすごさを感じています。快適に過ごせる空間デザインが必要とされていますが、ランドスケープデザインコースでは人と緑のかかわりや緑の役割を大切にしながら空間づくりをする手法や設計について段階的に学んでいきます。
今回は都市空間における緑のデザインを課題としたスク―リング「環境デザイン[ランドスケープデザイン]Ⅴ―4(設計6 都市公園)」についてお伝えします。講師は卒業生でもあり、現在は独立されランドスケープデザインの設計を行っている河野潤先生にご指導をいただきました。
周辺環境を知る
計画対象地は京都市内。白川の水辺を利用して新たな広場を計画します。まず周辺環境の情報を集めることからスタート。人の流れや利用、既存の建物の状況を確認します。地域に利用され人に愛される空間づくりをするためには昔の写真や資料を参考に歴史、文化的背景を知ることが重要です。地域が持つ特徴を新たな計画に取り込むことで馴染む、愛されるが空間が生まれてくるということを解説いただきました。


計画を練る
スクーリングを前にいくつかの計画案を検討します。学生の中には実際に現地に行き周辺環境を確認した人もいますが、河野先生の講義を聞いて新たな気づきや発想も生まれたようです。この段階では軸線の構成を確認してゾーニング(機能や用途で空間を分けること)を検討し、どのような視点で考えるか、空間のポテンシャルを最大限に活用できているかなどから人が集まったりくつろいで楽しむことができる空間のありかたについて深く考えていきます。また多くの公共施設や公園などで取り入れられている「P-PFI」制度を活用することも今回の課題の一つです。企業とパートナーシップを組んでカフェや遊び、宿泊などの収益施設を運営することも計画します。

建物の配置や大きさなどが適切か、緑のボリューム、水辺の利用の仕方、広場の快適性や利便性を検討します。もちろん話題性も必要。
スケッチやパース、着彩でイメージを伝える
計画は平面図や断面図の制作を基本としますが、雰囲気や利用価値をイメージさせるためにスケッチやパースを入れていきます。着彩することでよりリアルに伝わります。今回は水辺の利用がテーマなので、水と広場との関係性などを描く人が多くいました。図面だけでは伝わらない空間でできること、楽しさは絵による表現が大きいです。設計と同じくらい、場合によってはそれ以上の力を持っています。


プレゼンテーションと講評
制作に約1日半。考え抜いた先に見えてくる空間はどれも多くの工夫がありそれぞれの視点でみた快適な空間が生まれていました。
都市公園という公共性の高い空間を計画するには人と人と、人と地域のつながりがとても大事です。人を思うことがランドスケープデザインなのだと再確認する2日間でした。

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