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芸術教養学科

2025年03月28日

【芸術教養学科】ご卒業おめでとうございます


芸術教養学科 下村泰史


去る315日(土)、本学瓜生山キャンパスで、通信教育部と大学院の卒業式が開催されました。
13時から山上の講堂で執り行われた本式典では、本学の吉川左紀子学長と東北芸術工科大学の中山ダイスケ学長からスピーチがありました。
吉川先生からは、教員と学生が学びあうことについてのお話がありました。通学部生の映画に「お笑い芸人志望の若者の母親役」で出演したエピソードは大変印象的なものでした。中山先生からは卒業制作展の感想がありました。研究系も含め本当に丁寧にご覧になってくださったことが伝わってきました。

芸術教養学科の分科会は、全体式典の会場の隣、やはり山上のJ41階段教室で執り行われました。初めに早川先生からご挨拶いただき、ついで参集くださった卒業生ひとりひとりに、学科長より卒業証書を手渡しました。今年は世界中に散らばっている277人を送り出すこととなりましたが、この会場にはその約半数が押しかけてくださいました。
完全遠隔の本学科では、この卒業証書授与のときに初めてお会いする方も数多くいらっしゃいます。ひとりひとり目を合わせての証書授与では、あのレポートを書かれたのはこんな方だったのか、といった感慨もひとしおでした。

撮影:高橋保世



夕刻からの卒業パーティでは、多くの卒業生の方が話しかけて下さいました。その多くは、かつての演習課題やこの卒業研究レポートでの私が書いた添削講評文への感想でした。添削講評文をよく読んで次の学びに繋げてくださったことを知るのは、教員をやっていて最も嬉しい瞬間の一つだと思います。多くの学生がいるこの芸術教養学科で、添削講評文をひとつひとつのレポートに返すというのは、なかなかの労働なのですが、こういう時には、本当にやっていてよかったと心から思います。

今年の卒業研究レポートでは、人同士が関わり合う場を取り上げたものに、優秀なもの、印象的なものが多くあったように思いました。
新しいアイディアは常識を取り払った好奇心の追求から生まれてきます。しかし、それをデザイン思考によって社会の中で役立つ形に鍛え上げてためには、生きている人への理解が不可欠です。このところ、人を人と思わぬような言葉が、政治からSNSに至るまで、さまざまなところで飛び交っていますが、人と語りあい相互に理解を作っていくプロセスが、これからのデザインには一層求められていくと思います。そんなことを、スピーチでお話ししました。

今回の卒業研究レポートにも、そうした人対人への意識の高まりが感じられましたが、2025年度からは、本学科の教育プログラムにおいても、これまでの「時間」「空間」「編集」「コミュニティ」に、新たに「対話」という視点を加えることとなりました。学科の運営体制も新たなものとなります。
常にアップデートする、芸術教養学科にご期待ください!

芸術教養学科web卒業研究展
http://g.kyoto-art.ac.jp/

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