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イラストレーションコース

2025年09月05日

【イラストレーションコース】沓名美和さん・Rellaさんが”17個の悩み”に本音で回答!


イラストレーションコースでは7月5日に沓名美和さんとRellaさんの対談&視聴者参加型セッション「イラストレーターになるために、美大教育は必要か」を開催しました。

対談では美大教育の必要性やAIの普及とイラストレーターの今後などについて語り、イラストレーターを目指す方、イラスト制作が上手くなりたい方にはとても学びになる内容でした。

対談の後は参加者からの質問にプロ目線で答えていただきました。
「イラストレーターになる正解のルートを教えてください」
「美大に行くなら有名校がいいですか?」
「Rellaさんのような絵を描くには何を経験したらいいですか?」

など、イラストを上達したい方、イラストレーターになりたい方などからたくさん質問をいただきました!

今回は当日回答した質問と回答をすべて紹介しますので、ぜひプロからの回答をご覧ください。

>>対談が気になる方はこちらからご覧ください

美大と美大予備校の違いはなんですか?




(沓名美和)
まず美術予備校は基本的に美大に受かるための教育をしています。

なので、どちらかと言ったらデッサンとか基礎科目というようなところがメインなんですけど、これは美大の基礎とは違います。 美大の基礎科目はいろんなジャンルを横断して勉強したりとか。例えば全然関係ない陶芸とか、人体デッサンとか人体構造っていうところまでいろいろ学ぶことができるんですけど。ですので、美術予備校っていうのは、その美大を受けるための予備校なのでどう合格するかというところに特化しているように思います。

(Rella)
私からの補足なんですけど、予備校にいる間は簡単なテーマとかお題について、どう絵で返答するかをその訓練する場所だと思ってるんです。

私は中国出身なのでテストの項目は日本とは違うかもしれませんが、デッサン、クロッキー、あとは色彩、 この3項目でテストを行います。その時に私は色彩が弱いなと思ったんです。

大学に入ってからの1年目の基礎項目は、先ほど沓名さんも触れましたが、立体造形、陶芸であったり、木工だったり。あとは色彩理論。ひたすら絵の具をかき混ぜて理想的な色を作り出す作業だったり。あとは美術史とか、イラストに評論・コメントを付ける授業もありました。これは、「色彩でテーマを表現する」といった課題でクラスのメンバーで感想、評論をするといったものです。

基本的に1年2年目は、先生からちょっとぼんやりしたお題を出されて、「あなたはどのように表現したいですか?」という問いに対して答え続けるのが美大のスタイルなんです。

※上記は沓名さん・Rellaさんの経験された美大教育です。イラストレーションコースでの具体的な学びについては、こちらをご参照ください。

Rellaさんはどんな勉強や書籍を読みましたか?




(Rella)
実はこの質問を事前に拝見して、結構尖った返答になってしまうんじゃないかと思いました。正直に回答すると、私は勉強のジャンルの書籍を読むのが好きではありません。

10数年前から色々な方に「どのような本がおすすめですか」と何回も聞かれてきましたが、私の回答は「おすすめしません」。

そもそも本の情報量は少ないんです。「あなたは視覚的な作品を対象にその理解や作業をするのにテキストを読んでいるのか」と思っているんです。

私としてはどちらかというと図録のほうが使い道が広いと思います。視覚的な情報がそのまま入っていますので、効率がいいんじゃないかなと思います。

ファッション専攻にいたとき、先生から一番言われたのが「お店に行ってください。買わなくてもいいから、実際に目にして触ってください。あと店員さんの目を気にしないでください」と(笑)。「高い店行きましょう、買わなくていいからね」と。

本の話に戻りますが、美術史は使えますけど、他のものは実用性が低めだと思います。

(沓名美和)
実際に展覧会にいったりして絵を観たりしますか?

(Rella)
もちろんです。学生の頃から美術館、展覧会、展示会に行くのが趣味でした。塾の先生からは「普通の勉強の本というより、昔の名画を見てほしい」と教わりました。そのタイミングで、西洋画家のモネが一番好きになりました。それ以来モネの絵が入っている展示会はできるだけ全部行っています。

やはり実物の情報量が段違いなんです。本よりも全然上です。

(沓名美和)
全く違いますよね、色もタッチも。

(Rella)
まず実物、展示会やお店に展示されているもの。次に図録、作家さんの画集もそうですね。3番目くらいに勉強とか技法の本なんじゃないかと思いますね。ですので、皆さん展示会にぜひ行ってみてください。楽しいですよ。

どうしたらRellaさんのようなライティング表現ができますか?




(Rella)
皆さんがライティング表現と言っているものは、実はデッサンなんです。デッサンの基礎がしっかり出来ていると光っているように見えます。明暗の表現というのは構造を表しているので、何かのブラシやその色を使っているというわけではなく、デッサンをやるべきです。

そしてデッサンの練習方法というと描くということで、参考にしているものは実在している様々なものです。

ただ、正直なところ生来に依るところもあります。私は色彩感覚が弱かった分、明暗に敏感でした。人によってどうしても長所短所がありますので、誰かのようになりたいといっても完全に同一になれないことは前提としてあると思います。

ただし、絵の全ての基礎であるデッサンは絶対にやるべきです。

上達するには独学ではなく集中して学んだほうが良いですか?




(Rella)
これは社会人の方ということで、おそらく時間を作るのが相当難しいんじゃないかなと思います。

ご質問の通りになりますが、集中的に体系的に学んだ方が絶対良いと思います。ただ、時間があまり取れない状況なので、できる範囲で体系的に教えていただける先生にお話を聞いたほうがいいんじゃないかと思います。

もちろん、上達のアドバイスで本質的なことでいうと「時間を使ってください」となります。絵は、枚数というか時間を一定数以上使わないと伸びません。

私は高校生のときは2年生の頃から週末が休みではなかったというか、半日ぐらい、確か日曜の朝だけ休みましたね。あとはずっと絵を描いていました。上手くなりたくて、人よりもずっと時間を使いました。

(沓名美和)
それぐらい上手くなりたかったんですね。

(Rella)
というか、学校から強制的にこの時間に来てくださいと言われて否応がなしに……。

日本の方と状況が異なるかもしれませんが、中国の美大志望の学生は高校1年生後半から、休憩時間がほとんどなくなっちゃうんじゃないかなくらいに絵に集中させられます。高校3年生の前半になると、一般の授業はなくなりずっと絵を描いていました。

イラストのクオリティに貢献した学びの経験はありますか?




(Rella)
これはちょっとずるい答え方をしてしまうかもしれませんが、「生きている全ての時間」だと思います。

最初はみんな旅行や何かの展示会で刺激を受けて「こんな絵を描きました」、という経験があるかと思います。でもこれは短い時間、スパンで見ていると思います。10年間くらいで見ていくと「あのときあそこに行ったな」「あのときあれを見てたな」と振り返ると、自分の人生そのものになっている……。

たしかに特にSNSで発言するときは、芸術的に刺激を受けたイベントではあるんですが、それ以外にも意外と刺激を受けていることが多いので、今まで生きてきて好きだったこと、ジャンルを問わずに振り返ってみるのがいいんじゃないかと思うんです。私は絵を描いていないときも絵の養分になったなと思うことがよくあります。

(沓名美和)
生活全部が学びになるということですね。

イラストレーターになるには画力+膨大なフォロワーが必須ですか?




(Rella)
こちらの方は現実、リアルを見ている方だと思います。率直に言うと「なれない時代」ではないと思います。質問者の方が書かれているように、SNSフォロワー数に関係なく仕事を獲得して活動されている方がいるのは事実です。

(沓名美和)
では、SNSのフォロワー数ではなく、画力についてはどうでしょう?

(Rella)
さすがにイラストレーターは絵で勝負していますので、絵=実力となる部分はあると思います。イラストレーターですから、絵が上手くなると評価されるのは当たり前なところがあります。ただ、このSNSフォロワーと画力を両方掛け合わせる必要はないんじゃないでしょうか。

(沓名美和)
やはり絵で勝負している世界ですから、画力は重要ですよね。ただSNSのフォロワー数には、そんなに左右されないよということですね。

(Rella)
ひとつの要素にすぎないんじゃないかと思います。

美大に行くなら有名な大学のほうが良いですか?




(Rella)
確認しておきたいところとして、「あなたの行きたい専攻がその美大で強い専攻ですか?」というところですね。

有名な美大のメリットというと有名だからこそ、いろんな方が来てくれます。講演会とか講義とか、業界で活躍されている人のお話しがきける、みたいなところが有名美大の良いところだと思うんです。

あとその有名美大をでると、同級生という人脈も強いと思います。でも一番大事なのは、その専攻はちゃんとあなたに、あなたが望んでる教育をしてくれますかっていうことかな、と。

ちょっと日本の美大のバランスがわかっていない上での発言ですが、ある専攻がそこで本当に強いのか事前にリサーチをしたほうがよいと思います。このリサーチのスキルも大事ですよね。

(沓名美和)
私は一度オープンキャンパスに行った方がいいんじゃないかなと思います。実際に先生と話したり、学校の雰囲気と自分が合うかどうかは大事。たしかに生き残るのがただでさえ難しい業界であるから、「有名大学を出た」という「名を取る」人達もいるんですよね。それでも生き残れるか不確定ななかで、自分がしっかりどこで学べるか、真剣に向き合ってこの学校に通いたいなって思えるか、なんですよね。一度ぜひリサーチしてみてください。

時間や健康など自己管理で心がけていることはなんですか?




(Rella)
こちらはちょっと申し訳ないお話を率直に申し上げますと、ひきこもりになります。

少しご説明させていただくと、イラストはどうしても長時間の作業になります。しかも1人でやるしかないんです。どうしてもパソコンの前でしか作業ができませんから座りっぱなしになります。だからこそ、時間管理と健康管理、社会との関わりを大事にしましょうというお話になると思います。

具体的には生活リズムをできるだけ維持することです。イラストレーターは深夜になるとテンションが上がって、結構筆が乗って、ついつい夜更かししちゃうとか、2徹しちゃうといったことがあります。私はそれで20代前半に身体を壊しちゃったので、今はかなり気をつけています。

健康管理でおすすめしているのが、散歩をすることです。1日20分でも1時間でも時間の長さは関係なく、外に出て色々なものを見て歩きながらイラストのことを考えてもいいので……。散歩はぜひ頑張ってみましょうという感じです。

社会との関わりについては、先ほど美大の話でも触れたんですけど、イラストは1人での作業になりますから、どうしてもコミュニケーションが減っていきます。美大とか塾時代の同級生とか、そういう仲間との交流を心がけて維持するのは大事だと思います。

今はDiscordなどでみんな作業通話とかをやる人が増えています。そういうのはちょっと積極的にもしくは定期的に行った方がいいのではないかなと思いますね。

私も本当に気がつくと1週間誰ともしゃべらない生活になりますから……。大きな締め切り直前のときは必然的にそうなりますので、だからこそ、このような心構えをしっかり持っておきましょうという感じです。

(沓名美和)
すごいアドバイスになります(笑)。

(Rella)
どうしても避けられないイベントです(笑)。

絵の改善ポイントがわからず自分の絵が嫌いになりはじめています……




(Rella)
この方はすでにどこに問題があるのかわかってらっしゃるんじゃないかなと思うんです。ご指摘のとおり、知識不足が一番大きいと思います。

その悪循環に陥り、それで自分の絵柄が嫌になると仰っていますが、別にあなたの絵柄が悪いっていうわけではないですからね。 安直すぎるかもしれませんが、自己嫌悪になるのを止めましょう、といいますか……。

まずはその違和感がどこから来ているのか、そのための知識を学ぶべきだと思います。絵に満足できてない、感情的になって嫌になるという流れなので、ちょっと一度理性的に分析していきましょう。ずっと感情的に見ていくとどんどん嫌になっちゃいますから。

(沓名美和)
私は他の人に見てもらうといいと思う。

(Rella)
そうです。専門の方にしっかり見てもらって客観的にアドバイスしてもらうのが一番だと思います。

(沓名美和)
今だと自分のイラストに対してアドバイスする専門の人もいますよね。それを受け持つサービスもありますし、添削もあるんですよね。

(Rella)
私たちは若い頃は特に色々勘違いをしています。そこで嫌になってもしょうがないところはあります。これからどんどん客観視していって、その「嫌」という感情から脱却できるようになると思うんですね。

(沓名美和)
ぜひ、描き続けていって脱却できるところまでいっていただければなと思います。

イラストを描く際の”組み立て”方法を教えてください




(Rella)
実はこれは事前にいただいた質問なのですが、ちょっと答え方に困惑するというか……。組み立て方とはどういうことなのかな、と。

私はおそらくこの質問者の方と異なるイラストの作り方をしているのかもしれないという結論に行き着きました。

私の絵を描く過程を例えると、種を植えて、木の幹ができてだんだん枝葉が増えて成長していくという感じなんです。

途中で何かテーマや意味付けを足したりはしません。最初からこの目標に向けてやっていく形なので、組み立て式ではないんじゃないかと自己分析をしてみました。

ご自身でもおっしゃってるようにあとから意味付けを足そうとして結果破綻してしまっているのではないかと思います。ですので、最初からこのテーマで描きましょうという方向に一度切り替えて完走してみるのがいいんじゃないでしょうか。

そして、「絵に感動する」という点については先ほど展覧会にもよく行くという話をしましたが、私は「絵が生まれた理由」を知るときに感動することが多いなと思いました。

私もどちらかというとたくさんの良いイラストを見てきて目が肥えてしまい、イラストに対して心が動くことが少なくなってきたかもしれません。ですが、どういう経緯でこの絵が生まれてきたのかそれを知ると感動します。

この質問者の方へのご回答としては「どういう経緯でこのアイデアを描きたくなったのか」を知った上で見ると感動する、でしょうか。

(沓名美和)
Rellaさんは、その美術館とかに行って、作品の横の解説は読みますか?

(Rella)
めっちゃ読みますね。絵本体よりこちらのほうが見ているかもしれません。イラストが出来た背景にとても興味があります。

落第し落ち込んでいるためどう対処すべきかアドバイスをください




(Rella)
正直なところ、すごく共感できるといいますか……。私は中国の美大を受験をしましたが、中国の美大の市場といいますと、日本の東京藝大が2つあるみたいな感じなんですね。

私は両方の芸大受験に参加しましたが、ひとつは上位に食い込みましたが、もうひとつは完全に落ちました。実は落ちた方が一番行きたい大学で、すごく落ち込んでいました。

望んだ通りにいかないというか、それが試験だなと思うんです。通っていた塾でも、先生からそんなに見込まれてない学生が合格したこともあって、みんな驚いていました。試験は必ずその場で実力が100%出せる場ではなくて、運が結構な比率を占めているのはあると思うんですよね。

どう対処すべきかという点については、おそらく質問者の方はもしかしたら浪人する流れになるかもしれませんが、どういう影響で落ちてしまったのかを今一度見直して、次回再発しないように練ったり、家族や同級生の方から話を聞いてメンタルを安定化するところが第1のステップなんじゃないかと思います。

それで持ち直して、来年も挑戦されていくことになったとして、ちなみに美大に入学したときはみんな「あなたは何年かかりましたか?」「二浪です」「三浪です」と言い合ったりします。一発合格の人が本当に珍しいくらいです。そこまで気にすることはないと思います。

(沓名美和)
はい。 私も多摩美3浪ですけど、この話は本当です(笑)。3年目は全部の大学はほとんど受かりましたが、実は浪人した人のほうがアート業界では長く続くと言われています。

(Rella)
これはもしかして人生で一番大きな失敗だと感じているかもしれません。ただこの失敗はあなたを強くしますよ。

(沓名美和)
そうね、この失敗を糧に色々乗り越えていくことができるかもしれないので、ある種の良い経験かもなのかもしれません。

(Rella)
あなたがここからどう自分の心持ちを、この試練をポジティブに変えていこうかなっていうことで、 ぜひ頑張りましょう。

Xでの評価が得られず執着してる私へ脱却のアドバイスをください




(Rella)
人間には三大欲求があると思いますが、今だと多分承認欲求が第四の欲求になっているんじゃないかと思います。嫌な気持ちになることはないと思うんです。

ご飯食べてもいずれお腹が空きます。承認欲求を一度満足させてもあとでまた求めてしまいます。またお腹が減るのと同じ。

この仕組みは変わらないと思っているので、一度これは自分の欲求だと認めるところからはじめてはどうでしょうか。「なんでご飯いっぱい食べても5時間後にまたお腹減るの?」って普通に考えたことがあります。たぶんそれと同じなんです。

質問者の方は「脱却する」という言葉を使っていますから、この欲求を捨てるか、満たしていくか、このふたつしか選択肢がないと思います。脱却した人は……いると思うんですけどかなり少ないんじゃないんですかね。向き合って満たし方をもうちょっと見つめ直すというのが一番いいんじゃないかと思いますね。

Xが性に合わないと仰っているのでちょっとアプローチの仕方を変えてみたり、人との交流の仕方もオンラインではなくてオフラインの交流会に参加してみたりと他のつなぎ方も試してみてもいいんじゃないかと思います。

取りあえず承認欲求はみんなありますからね! そんな理由で自分を嫌わないでくださいね。

イラストレーターになる”正解のルート”を教えてください




(沓名美和)
みんなバラバラですよね。

(Rella)
確かにバラバラです。そもそも絵に正解がないからこんな界隈になっているというのもあると思いますね。

(沓名美和)
イラストは個人の表現の世界じゃないですか。だから、みんなバラバラでみんな素晴らしい。

(Rella)
確かに正解があると安心しますよね。正解がないとずっとモヤモヤしていて落ち着かないというか、快適とは言えない環境にいる。でも、これはもうこの界隈の特徴で避けられないんじゃないかなと思うんですよね。ですので、そのモヤモヤと一緒に共に生きていきましょう。

(沓名美和)
ある意味、このご質問の正解、成功例のひとつがRellaさんなわけで。Rellaさんの辿ってきた道を自分に置き換えてみて合っているのか正解を探していくのが一番なんじゃないかなということですね。

(Rella)
ただ、正解という言い方だと答えがひとつしかないように思えますので、「好きなスタイル」に言い換えるのが良いかも知れません。

質問者の方は正解が欲しいと思われていますが、もしかすると心のなかで正解に近い人だと思っている人はすでにいらっしゃったりして。それが誰なのか、どういう感じなのか自分と対話しながら見つけてみてもいいんじゃないでしょうか。

モチベーションはどうやって管理していますか?



(Rella)
これは、皆そうなんじゃないかと思うんですよね。絵描き界隈で著名な方とお話ししたときにも挙がる話題ですが、みんな「締め切りの1週間前じゃないとやる気出ない」と言います。

これ毎回この話をするたびにマネージャーやクライアントの方から冷たい目で見られますけど、プロのイラストレーターだとしても同じなんですよね……。

私が最近個人的に試しているやり方ですと、音声通話をつなげて話しながら仕事をしていくと「自分が作業してる」という意識がちょっと薄まるんですね。「自分が今話してるんでついでに作業してるだけ」「作業はしていません、人と話しながら何か描いているだけ」と自分をだましているんです(笑)。

(沓名美和)
一生懸命モチベーションを上げている(笑)。

(Rella)
私にとって、一番モチベーションが高くいられるのはテーマを考えているときなんです。今年はこのテーマでいこうかな、これとこれを組み合わせたら面白いんじゃないかなとか、すごくテンションが上がるんですけど、いざ実行すると面倒くさいなとなって……何も進まない日は結構あります。

でもそろそろ危ないとなったときは、友人に「ちょっと音声通話に付き合って、それで私が仕事していることを忘れさせて!」と(笑)。

あくまで個人的なやり方ですが、他の方だとガムを噛みながらとか、飲み物を用意しながらとか、音楽を聴きながら、とかありますね。

人によって異なると思うんですけど、これは自分との対話なんですよね。今何故逃げているのか、自分に聞いてみる。なんか思わず部屋の片付けとかしちゃいますからね。何が自分にとって逃避行動なのか気付いたとき、今私逃げていた、と。私また部屋の片付けをしてた!と。逃げちゃだめだ、そして友人に音声通話付き合ってください、という。

そのタイミングで自分が逃げているのか気づきはじめると、そこから注意力を逸らしたり、気を紛らせるような何かを自分で見つけるしかないですね。

美大に通わずRellaさんのようなイラストを描くにはどんな経験が必要ですか?




(Rella)
これは、経験というよりは、最初は基礎を学ばないといけないですよね。例えば日本語を学ぶために、ひらがなを知らずに日本語を勉強するのが無理なのと同様ですよね。ですから、ある程度の基礎は学んだ方がいいと思うんですよね。

最初からトレースとか模倣とかやりながら学ぶのも道のひとつなんですが、実はそれって効率が悪くて、あとで振り返ると時間を無駄にしてしまったなと思う可能性が結構高いと思います。

最初だけでもちょっと専門の先生方に習う、そういう授業に1回コストをかけて通ってみた方が良いと思うんですよね。残りは絵に打ち込んだ時間によります。質問者の方がどれくらい絵に時間を空けられるかです。

私は結構上達が早い方だと言われましたが、それでも結構な時間を打ち込みました。そもそも子供のころから他の趣味がなくて、運動も苦手で、苦手な科目も結構ありました。さらにゲームも下手なんですよ。どんなゲームも上手くできないから、趣味は絵を描くことでした。ですから、子どものころから他人に比べて絵と向き合う時間が長かったというのもあります。

もう最初から「絵をどうやって上達させるか」ということを専門の先生からある程度教え込まれて、そこから自分の好きなように好きな方面に、時間をいっぱい詰め込んでいくのが良いと思うんですよね。

(沓名美和)
今は結構、オフラインで実際に会うだけではなく、オンラインでも授業がありますからね。

(Rella)
そうですよね、ただし専門家のお話は聞いたほうがいいと思いますね。私と同等のイラストを描くという目標において100%を求めると正直難しいと思いますが、正しい道を進んでいくと6割、8割は全然いけると思います。

(沓名美和)
はい、がんばってみてください。

知名度を上げるにはSNSをどう運用すれば良いですか?




(Rella)
会社勤めのイラストレーターさん、みんなこの悩みを抱えていますよね。確かに仕事で疲れて、趣味の絵を描く気力も残っていないケースも結構あると思いますね。

そうですね、仕事とのバランスをちょっと見直す必要があるんじゃないかと思うんですね。仕事はもちろん頑張らないといけないと思うんですけど、趣味というか自分のためにもうちょっと時間を作るべきではないかなという、そんな境目に来ているんじゃないかなと。

知名度を上げたい場合は、あんまりこの言い方は好きじゃないんですけど、流行っているジャンルのファンアートを描いたほうが一番手っ取り早いですね。私はあんまり推奨したくないのですが、これが手っ取り早いのは認めざるを得ません。

私は正直なところ、本当は自分の好きなジャンルの好きな絵を描いてほしいと思っています。その道こそが将来の自分が気持ちよく歩ける道ですから。

知名度を上げるには絵柄を統一したイラストを投稿したほうがいい?




(Rella)
これは……私も似たような時期がありました。今から10年くらい前なので、最近私のことを知った方はご存じないかもしれませんが……。10代の頃、絵柄がしょっちゅう変わっていたので、ネットでは複数人が同じ名義を使っているんじゃないかと疑われたことがあります。

今でもクライアントにイラストの使い方を聞いて、「明るい方がいいですか、それとも暗い方が良いですか?」と聞いています。現在の私の作風は暗いイラストで光が強めのものと、透明水彩のような、透明感強めで明るいイラストの2種類に分かれています。

あとはアニメ塗りと厚塗りも迷っている時期もありました。結局私が取った選択肢は「全て描く」でした。そうしたら、成り行きでそれらの絵柄が段々融合してきたんです。自分のなかでそれなりの折り合いというか、中間に落ち着くイメージが見つかったんです。

私はもう複数人だと疑われたレベルなので、そこまで悩まなくてもいいんじゃないかと思うんですけど、確かに「すぐに知名度を上げる」という、もうひとつの課題へのアプローチとしては、ひとつの絵柄に統一したほうがいい、というのはあります。

質問者の方の心の中でも「2人いる」みたいな感じなので、どちらも押し殺す必要はないと思います。両方とも描けばいいんじゃないかなとは思うんですよね。 ただし、「確かこの絵は、ちょっと見てくれる人が少ないかもしれない」という現実は認めていくしかありません。

ただ、本当にどちらも描けば良いと思っています。私は多様性というか、いろんな面を持っている作家さんが好きなので、「この人、こんな表現できるんだ」と知るとテンションあがりますから。

同じ夢を持つ仲間がイラストレーションコースにいる!


約2時間半にわたるイベントでしたが、イラストレーターを志す方、イラスト関係の仕事に就きたい方、もっと絵がうまくなりたい方など、たくさんの人が参加されました。

イラストレーションコースには参加されたみなさんのように「絵が好きで、仕事にしたい!」「うまく描けるようになりたい!」と希望や目標を持つ方がたくさんいます。

本コースはプロとして現役で活躍するイラストレーターが講師のため、気になることはプロに相談できます。

イラストを体系的に学びたい、イラストレーターを目指したい方は、ぜひ本コースをご検討ください。

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