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食文化デザインコース

2026年02月04日

【食文化デザインコース】平野紗季子さん特別講義「おやつから学ぶ、フードデザインの世界」開催リポート

こんにちは。食文化デザイン研究室の林律子です。

昨年11月29日、東京・外苑キャンパスにて、入学検討者向け特別講義イベントを実施。ゲスト講師として、エッセイスト・フードディレクターの平野紗季子さんにご登壇いただきました。

平野さん、大屋さんそれぞれのお話の後に、中山先生のファシリテートでクロストークが行われました。



今回のテーマは、「おやつから学ぶ、フードデザインの世界」。平野さんを囲んで、食マーケティングの専門家、オレンジ・アンド・パートナーズの大屋洋子さん、本校の専任教員でもあるフードデザイナー中山晴奈先生の3人でクロストークを実施しました。

特別ゲスト講師
平野紗季子さん

食を中心に活動領域をどんどん広げている平野紗季子さん。ご本人の言葉を借りるなら、現在のお仕事内容は「食にまつわるストーリーテリングとクリエイティブディレクション」。



エッセイやラジオパーソナリティなどメディアでの発信や文筆活動のみならず、最近ではお菓子ブランドの立ち上げや商品開発、レストランのコンセプト設計、イベントの企画ディレクションやPR活動など、食を中心に活動領域をどんどん広げている平野さん。取り上げたのは、ご自身のお菓子ブランド「ノーレーズンサンドイッチ」です。

「ノーレーズンサンドイッチ」の誕生秘話


「ノーレーズンサンドイッチ」とは何か? それは、“レーズン嫌い”の平野紗季子さんがつくった「レーズンサンドイッチ」。香ばしいサブレ、口どけのよいバタークリーム……この上なく美味しい組み合わせなのに、唯一“残念”なのが「レーズン」。それなら、レーズン以外の何かを挟んだら?あるいはレーズン嫌いでも「おいしい」と思える味わいを徹底して追求したら……?そんなところから2018年、“間借り手売り”部活菓子ブランドとしてスタートしたのだそうです。

レーズンは手作業で、ピンセットで一粒ずつ、クリームにふわりとのせてから挟んでいるというこだわり。



平野さんがお菓子を作る上で、絶対に欠けてはならないと考えているのは、「おいしくあること」「かわいくあること」「アイディアフルであること」だそうです。その言葉の通り、自社旗艦工房での上質で丁寧な菓子作り、可愛さとときめき溢れる世界観、つい誰かに言いたくなるような、独創性のある商品と購買体験ができるのが「ノーレーズンサンドイッチ」。引力のある平野さんの言葉で綴られたブランドストーリーも相まって、広告宣伝は一切しない中での大ヒット。丁寧な商品づくりで、2025年現在は東京駅で大人気お菓子ブランドにまで成長しています。

レーズン嫌いの心に強く深く刺さる!
まさにサプライズ&ハピネスなお菓子戦略


 大屋洋子さんは、「これぞ、サプライズ(レーズンサンドなのにノーレーズン)&ハピネス(レーズン嫌いでも食べられた!おいしい)という、素晴らしい体験価値につながったヒット商品ですね」と続けました。

食マーケティングの専門家、オレンジ・アンド・パートナーズの大屋洋子さん。



大屋さんは、「ノーレーズンサンドイッチのヒットは、“N=1マーケティング”という言葉からも語ることができます」とのこと。「個人的な「嫌い」という感情を徹底して深掘りする。特定の限られた人に深く強いニーズがある。特徴的で代表性のある1人(マーケティング用語でいうN=1)の強い想いから、隠れたニーズを知ることが、ヒットする商品に近づくヒントになります」。“レーズンが嫌い”という強い思いを抱く層は少数だが一定数おり、その彼らのニーズにしっかり応えたことがカギになったのではと解説してくれました。


後半は、そうした気づきを得た上での、簡単なワークショップが行われました。
題して「N=1の顧客起点から考える、サプライズ&ハピネスをつくる商品アイデア」です。身近にいる“誰か”を思い浮かべ、その人にサプライズ&ハピネスを届けられる商品について深掘りし、考えてみるというものでした。参加者の皆さんは、活発に意見交換を交わしていた様子でした。

「食の世界で一歩を踏み出したい」
そんな背中を押すきっかけになれば


質疑応答の時間では、平野さんへの質問やお悩み相談に多数手が挙がりました。皆さんどなたも、「食の世界で一歩踏み出したい」という真剣な思いを胸に抱え、臨んでくださっていた様子が伝わってきました。平野さんからの、的確ながら優しく温かいアドバイスに、多くの参加者が勇気をもらったようでした。この特別講義をきっかけに、少しでも前向きに、食の世界へ踏み出す「次の一歩」に繋がれば嬉しく思います。

 

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