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食文化デザインコース

2026年04月17日

【食文化デザインコース】春の北野天満宮で、食の美を五感で味わう。「いただきますアカデミー」第2回 開催レポート

こんにちは、専任教員の麻生桜子です。

2026年3月3日(火)、北野天満宮にて「いただきますアカデミー」第2回「継ぐひと、つくるひと vol.2 春の北野天満宮で、食美学を味わう昼 —下鴨茶寮×老松」を開催しました。



この日の京都は雨。濡れた石畳、雨粒をまとった梅の花。境内はいつもとは少し違う表情でした。

国宝・御本殿への昇殿参拝から始まり、境内の散策、下鴨茶寮による春の点心、老松の和菓子と抹茶、そして太田達先生の講義まで、食の美を五感で体験する一日となりました。

御本殿で知る、天神信仰の物語


まずは国宝・御本殿に昇殿しての正式参拝から。

北野天満宮の東川楠彦氏より、天満宮の歴史についてお話をいただきました。

飢饉や疫病が蔓延した平安中期におこった、無念の死を遂げた菅原道真公の魂を鎮める御霊信仰。それがいつしか天神(雷神)信仰と習合し、987年には一条天皇が道真公に”北野天満宮天神”という神階を贈って北野天満宮を創建したことで、幸せをもたらす学問の神様になっていった。この転換こそが北野天満宮の核であるといいます。

御本殿は豊臣秀頼によって完成された八棟造。1607年から柱一本、床板一枚変わることなく守り継がれてきた国宝です。桃山建築の最高傑作とも称される空間に身を置きながら聴く歴史の話は、格別のものがありました。

北野天満宮 禰宜 東川楠彦さん




御土居を歩き、洛中と洛外の境を体感


正式参拝の後は、境内に残る「御土居」を散策。豊臣秀吉が京都を囲むように築いた土塁で、その内側が「洛中」、外側が「洛外」。京都でいう洛中・洛外という言葉は、ここから来ているのだそうです。



さらにお計らいをいただき、東門近くにある茶室「明月舎」も見学。
広い待合と、八畳間2間のある茶室です。太田先生のご案内で、奥の水屋も拝見することができました。


梅の窓から見える春と、下鴨茶寮の点心


文道会館にて、下鴨茶寮・本山直隆料理長による春の点心をいただきました。

「春の北野天満宮様といえば、梅です。窓越しに梅の花を臨みながら舌でも梅を味わう楽しさを意識しました」と本山料理長。

熨斗梅の凝縮した甘酸っぱさ、梅干しで炊いた芳醇な薫りの鰯、爽やかで小気味良い食感の梅ちりめん。料理人の手技により引き出された梅の魅力は、春の木の芽や山菜の苦みと相まって、身体が目覚めるような心地よさでした。


映像で出会う、菓子と茶の世界


お食事とともに、バイオリニストのZoe(ゾウィ)さんが老松・太田達先生を訪ねる映像が上映されました。

Zoeさんが太田先生のもとで和菓子づくりに挑戦する一幕では、「(和菓子づくりの本質は)手のひらの上に自然の世界をつくる」と語る太田先生の印象的なひと言も。水無月の製造工程や、夏越の祓の茅の輪くぐりの様子も紹介され、和菓子と信仰、季節の行事が一つにつながる日本の食文化の奥深さを改めて感じました。

▷ 動画はこちらからご覧いただけます(NHK WORLD JAPAN)

五感で味わう、名付けるということ


続いて、太田先生の講話と老松北野店の圓崎凪沙(えんざき・なぎさ)さんによる実演。和歌を詠んでからスケッチを描くという太田先生の菓子づくりのプロセスとともに、”京菓子は一席一菓”亭主が客を思い、その席のためだけに誂えた一期一会の菓子であることが語られました。

圓崎さんの実演では、境内の梅苑にある一本の木に紅と白の花が同時に咲く、咲き分けの梅「想いのまま」にちなんだ菓子がつくられ、菓銘に込められた意味の層の深さに、参加者の皆さんも見入っていました。


椿餅と抹茶で一服


講話の後は、椿餅と抹茶が振る舞われました。太田先生が弘道館からお持ちくださった茶碗の中には、なんと豊臣秀吉が所持していたとされる利休が作らせた樂茶碗も。秀吉、毛利輝元、毛利秀元、徳川家光と渡り歩いた茶碗で一服する僥倖に恵まれた参加者もいました。

食の美をもって、人を幸せにする


イベント終了後、希望者は太田先生のご案内で梅苑「花の庭」を散策。

天神信仰の歴史、秀吉の都市構想、梅と和歌の物語、手のひらの上の自然、一期一会の茶会。この日の体験はすべて、「食の美をもって、人を幸せにする」という太田先生の言葉に集約されるように思います。

ご参加くださった皆さま、そして太田達先生、大谷先生、下鴨茶寮・本山料理長、北野天満宮の皆さま、老松・圓崎さん、弘道館の皆さま、本当にありがとうございました。



「いただきますアカデミー」では、今後もこのような体験型プログラムが開催される予定です。

またのご参加を、心よりお待ちしています。

▷ 「いただきますアカデミー」公式サイト
https://itadakimasu-academy.com/

▷ Instagram
https://www.instagram.com/itadakimasu_academy/

▷ アカデミー通信(note)
過去のレポートもご覧いただけます
https://note.com/itadakimasu_acad

 

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