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2018年06月18日
世界が注目する「芸術のチカラ」
みなさん、こんにちは。通信教育部事務局です。
さていきなりですが「MBA」と「MFA」、
ちょっと似ているこのふたつの言葉の意味、ご存知ですか?
「MBA」は Master of Business Administration (経営学修士)の略称、
「MFA」は Master of Fine Arts (美術学修士)の略称です。
「MBA」はビジネスエリートが目指す資格として日本でもよく耳にしますね。
ところがいま世界のビジネスエリートは「MBA」だけでなく、「MFA」も必須とされているそうなんです。
電通、ボストンコンサルティング・グループを経て、現在は組織開発・人材育成を専門とする企業に参画している山口周氏は、自著『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』でこう解説しています。
欧米ではビジネスで成功しても教養のないエリートは一流と呼ばれない、というのはよく聞きますが、もはやビジネスそのものが「教養」や「美意識」抜きでは成功しない時代になっているんですね。
本学にも、社会人になってからビジネス上で「教養」や「美意識」の重要性を感じ、学びなおしている学生が多数在籍しています。
仕事が多忙、でも大学できちんと「教養」や「美意識」を学びなおしたい方に人気なのが「芸術教養学科」。学科長の早川克美先生が、その理由を下記のインタビューでもお話しています。
http://plus.clisk.com/article/2382.html
さてみなさんは「STEAM(スチーム)」という言葉、聞いたことがありますか?ちなみに「蒸気(スチーム)」の話ではありません。
「科学(Science)」「技術(Technology)」「工学(Engineering)」「芸術(Art)」「数学(Mathematics)」の頭文字をとったもので「理系+芸術」の教育スタイルのこと。
アメリカが今後力を入れるべき教育として国家戦略に取り上げ、話題になりました。
当初、理系のみを重視した教育「STEM(ステム)」が行われましたが、学生の成績は思ったほど伸びませんでした。そこで、理系の学びに加えて創造性を養う芸術も学ぶ「STEAM」の動きへと変わっていったそうです。
「理系」の学びを「つなぐ」「ふくらませる」ために「芸術」が必要だと判断されたんですね。
その一方で、日本の学校では「芸術」を学ぶ時間がどんどん減っています。デザイナーの原研哉さんは自著『なぜデザインなのか』でこう語っています。
通信教育部の卒業生にも「クリエイティビティ」教育の大切さを感じ、みずから教育の場を運営している方がいます。
緒方希さんは芸術大学で学ぶことに憧れて空間演出デザインコースに入学。その後、妊娠・出産を経て「芸術+子ども」へと関心が広がっていきました。
http://magazine.air-u.kyoto-art.ac.jp/kaze/169/
芸術を学ぶことが自分だけでなく、子どもたちや未来の社会にも貢献する。すてきな「学び」を実現されています。
人生100年時代も近いといわれ、ひとりの時間をどう過ごすかは社会全体の課題になっています。ひきこもりとか孤独死とか「ひとり」はネガティブに語られがちですが、芸術家やアーティストという「孤独を職業にしている人たち」に実は長寿が多いことはご存知でしょうか。
ピカソが92歳、ミケランジェロは89歳、ダリ86歳、マティス85歳。日本人では彫刻家の平櫛田中は107歳まで現役を貫き、ギネスに登録されました。101歳まで生きた奥村十牛は「やっと分かりかけてきたと思ったら八十路を超えていた」と著書に書き残しています。
芸術と向き合うことで「生きる力」を育んでいるのは、芸術家だけではありません。
ニューヨーク近代美術館では、認知症の患者とその家族、友人を招く「meet me」というプロジェクトを実施。専門の案内者が、絵を通して患者の記憶や好奇心を呼び起こし、家族や友人とのコミュニケーションをつなぐ試みが行われています。
https://www.moma.org/meetme/index
また、日本と同じく少子高齢化が急速に進んでいるイギリスでは、博物館、劇場、オーケストラ、さまざまな芸術団体が介護や医療の専門家と組み、高齢者のQOL(生活の質)を上げる取り組みが各地で行われています。
https://www.britishcouncil.jp/programmes/arts/ageing-society/japan-study-tour-2015/case-study
世界のさまざまな場所、さまざまな場面で生かされている「芸術のチカラ」。
芸術を学んだ人たちの活躍の場は、これからますます広がっていきそうですね。
さていきなりですが「MBA」と「MFA」、
ちょっと似ているこのふたつの言葉の意味、ご存知ですか?
「MBA」は Master of Business Administration (経営学修士)の略称、
「MFA」は Master of Fine Arts (美術学修士)の略称です。
「MBA」はビジネスエリートが目指す資格として日本でもよく耳にしますね。
ところがいま世界のビジネスエリートは「MBA」だけでなく、「MFA」も必須とされているそうなんです。
電通、ボストンコンサルティング・グループを経て、現在は組織開発・人材育成を専門とする企業に参画している山口周氏は、自著『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』でこう解説しています。
(世界のエリートは)これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安的な世界においてビジネスの舵取りをすることはできない、とよくわかっています。
‘そこでは全体を直感的に捉える感性と、「真・善・美」が感じられる打ち手を内省的に創出する構想力や創造力が求められることになります。
欧米ではビジネスで成功しても教養のないエリートは一流と呼ばれない、というのはよく聞きますが、もはやビジネスそのものが「教養」や「美意識」抜きでは成功しない時代になっているんですね。
本学にも、社会人になってからビジネス上で「教養」や「美意識」の重要性を感じ、学びなおしている学生が多数在籍しています。
仕事が多忙、でも大学できちんと「教養」や「美意識」を学びなおしたい方に人気なのが「芸術教養学科」。学科長の早川克美先生が、その理由を下記のインタビューでもお話しています。
http://plus.clisk.com/article/2382.html
教育のトレンドは「理系+芸術」?
さてみなさんは「STEAM(スチーム)」という言葉、聞いたことがありますか?ちなみに「蒸気(スチーム)」の話ではありません。
「科学(Science)」「技術(Technology)」「工学(Engineering)」「芸術(Art)」「数学(Mathematics)」の頭文字をとったもので「理系+芸術」の教育スタイルのこと。
アメリカが今後力を入れるべき教育として国家戦略に取り上げ、話題になりました。
当初、理系のみを重視した教育「STEM(ステム)」が行われましたが、学生の成績は思ったほど伸びませんでした。そこで、理系の学びに加えて創造性を養う芸術も学ぶ「STEAM」の動きへと変わっていったそうです。
「理系」の学びを「つなぐ」「ふくらませる」ために「芸術」が必要だと判断されたんですね。
その一方で、日本の学校では「芸術」を学ぶ時間がどんどん減っています。デザイナーの原研哉さんは自著『なぜデザインなのか』でこう語っています。
図工というのは、言い換えれば「クリエイティビティ」ですね。いま日本の基礎教育の中で図工の時間が減っているのですが、これはのりで色紙を貼るような「作業の時間」が減るのではなくて、「創造性」の時間が削減されていると考えたほうがいい。
科学に創造性を掛け合わせるからノーベル賞級の独創的な研究が生まれる。クリエイティビティを過小評価してはいけないし、させてもいけない。
通信教育部の卒業生にも「クリエイティビティ」教育の大切さを感じ、みずから教育の場を運営している方がいます。
緒方希さんは芸術大学で学ぶことに憧れて空間演出デザインコースに入学。その後、妊娠・出産を経て「芸術+子ども」へと関心が広がっていきました。
http://magazine.air-u.kyoto-art.ac.jp/kaze/169/
芸術を学ぶことが自分だけでなく、子どもたちや未来の社会にも貢献する。すてきな「学び」を実現されています。
芸術は人生100年時代の救世主?
人生100年時代も近いといわれ、ひとりの時間をどう過ごすかは社会全体の課題になっています。ひきこもりとか孤独死とか「ひとり」はネガティブに語られがちですが、芸術家やアーティストという「孤独を職業にしている人たち」に実は長寿が多いことはご存知でしょうか。
ピカソが92歳、ミケランジェロは89歳、ダリ86歳、マティス85歳。日本人では彫刻家の平櫛田中は107歳まで現役を貫き、ギネスに登録されました。101歳まで生きた奥村十牛は「やっと分かりかけてきたと思ったら八十路を超えていた」と著書に書き残しています。
芸術と向き合うことで「生きる力」を育んでいるのは、芸術家だけではありません。
ニューヨーク近代美術館では、認知症の患者とその家族、友人を招く「meet me」というプロジェクトを実施。専門の案内者が、絵を通して患者の記憶や好奇心を呼び起こし、家族や友人とのコミュニケーションをつなぐ試みが行われています。
https://www.moma.org/meetme/index
また、日本と同じく少子高齢化が急速に進んでいるイギリスでは、博物館、劇場、オーケストラ、さまざまな芸術団体が介護や医療の専門家と組み、高齢者のQOL(生活の質)を上げる取り組みが各地で行われています。
https://www.britishcouncil.jp/programmes/arts/ageing-society/japan-study-tour-2015/case-study
世界のさまざまな場所、さまざまな場面で生かされている「芸術のチカラ」。
芸術を学んだ人たちの活躍の場は、これからますます広がっていきそうですね。
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